あの頃(スター)8

2020-07-21 07:39:35 | 日記
偏見はやめよう!

アイドルの姫を見直したばかりなのに、

姫のダークな部分が見えてきた。


「あなたは、もう一歩下がった方がいいよ」

「え?だけど、これ以上下がると、踊る場所が確保出来なくなるし…」


仲間のひとりで、少し地味なコがいた。

彼女の見た目はとてもキュートだけど、いつも一歩後ろに下がる控えめタイプの女の子だ。

姫の斜め前で踊るフォーメーションになっていたので、姫的には邪魔だったのかも知れない。

「性格的には、一歩下がるタイプなのにね」

姫は、チクリと嫌みを言った。



一方、主演の王子は、まるで少女漫画の世界みたいに、いつも出演者の女の子たちの取り巻きの中にいた。

姫は、ほどよい距離感を保ちながらも、王子を気にしていた。

自分も取り巻きに取り囲まれる側の人間なので、取り巻く側のその他大勢になりたく無いのかも知れない…と、思った。

王子も、姫を気に掛けていた様子なのだが、なにやら『厄介な状況』(スキャンダル?)を引き起こしてはいけない…と思ったのか、あまり近づくこともしない。

いろんな大人の事情、個人的なプライドなどが見え隠れする状況でした。


その後、姫の暴走がはじまった。







あの頃(スター)8

2020-07-20 07:41:48 | 日記
「おねえさん、大丈夫?」

アイドルスターのかわいい姫が、いきなり親しげに声を掛けて来た。

え?いきなり"おねえさん"?!

確かに、私は少し年上だけど、いきなり?!💦💦

姫は、私の前に来るとニコッと笑った。

…か、かわいい…!


「このシーンは、もう少し歩幅を広げた方がかっこよく見えますよ。」

「え?あ、そう?…ですか…」

「あ、それから、手を上げるシーンでは、もっと顎を上げてみて!おねえさんの顎のあげ方が小さいから…」

「あ、ありがとう!」

的を得たアドバイスに感動。

いい子じゃない!

いきなりおねえさんと呼んで来たから、感じ悪いコなのかな~?って思っちゃったよ~。ごめんね~。

姫の言う通りに改善してみると、格段に"いい雰囲気"になった。

当時"アイドル"という響きに拒否反応があったのかも知れない。

ちやほやされていて、周りからも甘やかされていて…。

私のように、実力で頑張らないと、何も取り柄が無い人間から見ると、見た目だけで勝てる「アイドル」は雲の上の存在だし、羨ましい限りで嫉妬の対象だったと思います。

これも、偏見ですね。

案の定、プロデューサーの田口さんは、姫に対する対応が違う。

なんとなくちやほやしているように感じる。

…やっぱりね💦

まぁ、住む世界が違う人とだって、コミュニケーションを取る時だってあるワケで、今がその時なんだね!…と、思いました。

 



あの頃(スター)7

2020-07-19 07:18:03 | 日記
また、ダンスの稽古…。

私はあるシーンで悩んでいた。

そのシーンは私の登場シーン…、
数人のキレイな女性たちに誘われて、舞いながら登場。

ソロで歌を歌う。

強く生き抜く準主演の女性の内なる思い、悲しみや苦悩を伝える…という、重要な長いセリフ。


演出は、何も言わないけど…、あきらかに私のダンスは、周囲のみなさんと比べると見劣りしてるし、そんなシチュエーションでの私のセリフも"説得力無いよね~💦"と思われないかどうか…心配になる。

…ダンスの稽古の時間が苦痛になってきた。

そして、落ち込むことが多くなってきた。


「おねえさん、大丈夫ですか?」

かわいい女の子が声を掛けて来た。

透明感があって、キラキラしている。

彼女は歌って踊るアイドルグループのひとりだ。

当然、仲間内でも、アイドル的存在だ。

いきなりの『おねえさん』には、ちょっとびっくり💦

確かにみなさんより、私は少しだけ年上みたいだけど、いきなりおねえさん…ですか…💦





あの頃(スター)6

2020-07-18 06:35:46 | 日記
台本が渡された。

時代劇を現代風にとらえる。

抽象的な表現が多くて、分かりにくい部分も多いけど、面白そう…。

配役の発表がされた。

私の役は主演の恋人の内面の人格…の役。

時代を生きた強い女性の弱い部分を表現する。

う~ん、難しい💦

これまた、とても抽象的なセリフが多くて、『これは、いったい何を伝えたいんだ?』…と、唸ってしまった。

特に理解不能なセリフに至っては、演出に聞きに行った。

すると、「ニュアンスでこなして」…と、言われた💦

…ニュアンスね…💦それがわからないから聞いたんだけど💦


ダンスの振り付けもはじまった。

特に私の登場シーンでは、ソロに近いダンスがある💦💦

こりゃ、無理じゃないか?

だって、私を囲むダンサーたちの見事な舞いの真ん中の私が、あら、えっさっさ~♪では、すべてぶち壊しだし、その後の私のカッコいいセリフもぶち壊しになる💦(お笑いだったら、OKなんでしょうけど💦)

マジか~💦💦

とりあえず、舞ってみた(笑)

う~ん、頭を抱え込む演出。

あ~💦いっそのこと、私のシーンカットしてくれ~💦💦

「次‼️」

…次?!

いいの?

いいの?これで⁉





あの頃(スター)5

2020-07-17 07:18:06 | 日記
プロデューサーの田口さんって、胡散臭いなぁ…💦なんて思いながらも、とりあえず前進し始めた初めてのミュージカル。

何で胡散臭いか…は、うまく説明できないけど、若い子にはちやほやするんだろうなぁ…と、若くないカテゴリーに入れられている私の被害妄想からはじまった。


主演はどこかで活躍しているらしいイケメン。

もちろん、ダンスも歌も魅力的だ。

…私的には、この王子様キャラは、どういう扱いをしたらいいのかわからない…正直苦手💦
ただし、ファンはとても多いらしい…と聞いた。

それにしても、スターJは、気さくだ。

最初は近寄り難くて、常に遠慮の距離が空いていたが、正直話をしてみたい…。

目が合うとニコッとしてくれる。再び惚れた💖



「よろしく👍」

握手を求めて来たのは、主演の王子。

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

握手をした後、私は、深々と頭下げた。

「ふふん」

え?王子、笑った?…え?なんで?


次に王子は、若い女の子のところへ向かった。

「よろしく👍」

「きゃっ💖」

え?きゃっ💖?この王子、そんな人なの?

女の子が王子の差しのべた手を握ると、王子は女の子を軽く引き寄せ、ハグ💦

「キャー😆💖」

あ、そういうことね。

王子が私との挨拶のあと、笑った意味がわかった。

モテ王子の挨拶は、女の子を引き寄せてハグなのね💦

私は、王子の魅力がまだわからないので、硬い挨拶をしちゃったワケだ。…で、引き寄せハグのいつもの挨拶が出来なかったから、思わず笑ったんでしょうね。

いやいや~、私は結構ですので💦

引き寄せハグの挨拶が出来る気楽なコミュニケーションが出来るタイプじゃなくて、ごめんなさい。

ちなみに、スターJなら、嬉しいかも💖