高里椎奈 著 角川文庫 令和元年 12月25日 初版
うちの執事に願ったならばの8作目。
帯に、「執事を辞めるか、僕の話を真剣に聞くか、ふたつにひとつだ」とあるので、花頴と執事の衣更月の事かと思ったら、先代当主の烏丸信一郎と執事の鳳のことだった。
花頴からみれば、父信一郎の烏丸家当主ぶりと執事の鳳の関係はパーフェクトなもの。
しかし、若き日の彼らにも、自分と衣更月にも似た日々があったわけだ . . . 本文を読む
ここ数日の冷え込みで、足の指先が氷を押し付けられたような冷え方をしていた。
こういう時は、例のヤツが来る。
靴下を脱いで確認したらやっぱり指の何本かに紫色の痣のような滲み。
今冬も律義に霜焼けさんがおいでになりました。
これって防ぎようがない。
靴下を重ね履きしても氷の足先を保冷剤で包んでいるような感覚で、ちっとも温まらない。
歩き回った時だけ指先まで血が通っている感じがあるけれど、普通に生 . . . 本文を読む