他人の始まり

今日21日が、父の命日。
今年は13回忌にあたります。

このブログでもちょこちょこカミングアウトしてますが、父の死後、実家は見事に
ばらばらになってしまいました。
母はボケ、それがもとで兄ともごたつき、私は二度と旧姓を持つ者とは関わらないようにと決めました。

きっと、多勢に無勢で、私が悪者扱いされているのも分かりますし、そうじゃないんだといちいち身の潔白？を親戚中に話す気にもなれません。
私の中では真実はひとつ、私は何も間違っていないし、疚しいこともないので、もう別段悔しくもありません。

ただ・・・あまりにも予想通りだったな、と思ったのが、父の13回忌というのに、
まったく、どこからもその話が漏れてこないという事です。

私抜きで事が運んでいるのか、兄が計画すらしていないのか、それもどうでもいいことですし、こんな他人より遠い関係になってしまった兄弟や親戚筋とは今更会いたいとも思いませんが、　父がどう思っているか、そんな事を考えると情けなさでいっぱいになります。

父は軍人だった父親を早くに亡くし、母親と4人の兄弟姉妹で朝鮮？から引き上げてきたといいます。　かの地の人にかなりひどい目に合わされたと見えて、私にもよく言ってました。朝鮮人以外ならどんな奴を連れてきてもいい、と。
正直、戦争を知らない世代の私にはぴんと来ない話でした。

父親のいない一家の長男として、父は旧制中学を卒業してすぐ、定年まで勤め上げた紡績会社に就職したようです。　まぁ、娘の私が言うのもなんですが、とても頭のいい人で、それゆえに学歴もないのに、とんとんと出世し、今でこそ普通にありますが、40年以上も前から海外赴任も2度ほど経験してきた人でした。
どうも会社ではむっつり難しい顔をしていたようなのですが、家ではいつだって
冗談を言って、酔っ払っては雑学王になっているような人でした。

語学も堪能でしたしね、私は父にものを訊ねて「知らない」という答えの返ってきた記憶はありません。
大学進学からほとんど親元を離れたような状態でしたけれど、今から思えば、もっともっと父と話をしとけば良かったと感じます。

脳出血や癌で晩年病院暮らしも長かったのですけど、自分が術後で朦朧としているような時でさえ、京都から家を空けて看病にきている私を気遣ってくれるような
『父親』でした。　私はそんな父に何も返すことのできないまま、今日を迎えています。　
ちょっと辛いです。