嘘つき

白菜漬けは、葉先の方が好きですか？　　それとも白い芯のところ？

子供のころ。
実家では寒くなるとよく白菜漬けが食卓に並びました。
そうそう、中学から高校にかけての富山時代は、雪に閉ざされるせいか、転勤族の社宅派でも、たくさんのお漬物を作ってました。

多分、そのせいかな？
しょっちゅう食べていたような気がします。
白菜漬けを出すと、いつも芯の部分が残るんです。
兄はあんまりお漬物を食べる人ではなかったから、多分、父。
父が葉先のほうが好きで食べていたんだと思います。
まぁ、分量的に言っても、葉先のほうが少ないし、軸が残る割合は多いと思いますが。

その残った芯の部分を食べていたのが、母。
母は、「お母さんはこっちの方が好き」と言っていたけれど、その割に箸が進んでなかったように思う。
母は、ほんとは自分も葉先の方が好きだったのに、父に食べさせるために敢えて、そんな事を言ってたんじゃないかと思う。

子供心にも、なんとなく嘘くさい、というような思いがあった。
まだ、私たちの子供のころは、家長が権限あったしね（笑）　まずは一家の大黒柱であるところの、父に・・・っていうのが当たり前にあったように思う。

で、母は、捨てるだなんて考えられない人だから、芯の部分を食べてたんじゃないかと思う。　私は、なんかそういうのが・・・子供心にも哀れで、「私もこっちの方が好き」って言って、ちょっと生っぽいような、白いところをせっせと食べて（あげて）いた子供だった。

親って、自分の方が保護者だから、なんでも子供の事はわかってる、ぐらいに感じてるかもしれないけれど、子供も子供で、親の微妙な心の襞とか、解ってるんだよね？？