岸田内閣支持率、2割台の危機的水準に落ち込む。
岸田政権 防衛力強化、原発推進、憲法改正意欲も。
== 2023/11/25 産経新聞 奥原 慎平 ==
物価高対策などを盛り込んだ2023年度補正予算案が11月24日、
== 2023/11/25 産経新聞 奥原 慎平 ==
物価高対策などを盛り込んだ2023年度補正予算案が11月24日、
衆院を通過した。
定額減税など岸田文雄首相肝いりの経済対策が並ぶが、
定額減税など岸田文雄首相肝いりの経済対策が並ぶが、
内閣支持率は2割台の危機的水準に落ち込んだ。
岸田首相は防衛力の強化や次世代原発の建て替えなど、
岸田首相は防衛力の強化や次世代原発の建て替えなど、
保守層の支持が集まりそうな難題にも取り組んだ。
どこに問題があったのか?。
◆「自民党としても国民から疑念を持たれることのないよう努めていく」
岸田首相は11月22日の衆院予算委員会で、
どこに問題があったのか?。
◆「自民党としても国民から疑念を持たれることのないよう努めていく」
岸田首相は11月22日の衆院予算委員会で、
自民の5派閥が政治資金収支報告書に収入分を過少記載した問題に、
各派が必要な訂正を終えたと明言した。
「政治とカネ」を巡る問題や政務三役の連続辞任、
各派が必要な訂正を終えたと明言した。
「政治とカネ」を巡る問題や政務三役の連続辞任、
閣僚の給与増額、減税方針を巡る混乱などなど、
岸田首相の周辺に明るい話題はなく、求心力も低下した。
◆岸田政権最大の成果は防衛力強化と原発再稼働と閣僚の給与増額だ。
岸田首相の周辺に明るい話題はなく、求心力も低下した。
◆岸田政権最大の成果は防衛力強化と原発再稼働と閣僚の給与増額だ。
ロシアによるウクライナ侵略を受け、
日本を取り巻く安全保障環境が急変したという事情はあるが、
日本を取り巻く安全保障環境が急変したという事情はあるが、
岸田政権は今年1月、
2027年度の防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げ、
2027年度の防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げ、
現状から倍増させる方針を閣議決定した。
安倍晋三、菅義偉両政権でもなしえなかった
安倍晋三、菅義偉両政権でもなしえなかった
反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有にも道を開いた。
さらに2023年2月には、東京電力福島第1原発事故の後
さらに2023年2月には、東京電力福島第1原発事故の後
「原則40年、最長60年」と定められた
原発の運転期間の延長方針も決めた。
原発運転期間の延長はエネルギー資源が乏しく、
原発運転期間の延長はエネルギー資源が乏しく、
脱炭素社会の実現も求められている日本にとって
避けることのできない課題だが、
自民の歴代政権は「反原発」に押されがちな世論に尻込みし、
自民の歴代政権は「反原発」に押されがちな世論に尻込みし、
先送りしてきたテーマであった。
◆外交では11月16日、中国の習近平国家主席との首脳会談で、
◆外交では11月16日、中国の習近平国家主席との首脳会談で、
日本産水産物の輸入停止措置を強く抗議し、
中国国内の邦人拘束事案、新疆ウイグル自治区の人権状況に至るまで、
中国国内の邦人拘束事案、新疆ウイグル自治区の人権状況に至るまで、
日本側の懸念を細かく伝えたという。
そもそも、菅政権で決断した東京電力福島第1原発処理水の
そもそも、菅政権で決断した東京電力福島第1原発処理水の
海洋放出を実行したのも岸田首相だ。
首脳会談では、最終的に習氏から
首脳会談では、最終的に習氏から
「首脳間で意思疎通をやっていきましょう」との言質も引き出した。
◆自民の党是である憲法改正にも、岸田首相は強い意欲を示す。
昨年暮れに党憲法改正実現本部が開いた会合で、
首相は改憲について「俺のときにやりたい。
リベラルの政治家と言われているからこそ、やりたい」
◆自民の党是である憲法改正にも、岸田首相は強い意欲を示す。
昨年暮れに党憲法改正実現本部が開いた会合で、
首相は改憲について「俺のときにやりたい。
リベラルの政治家と言われているからこそ、やりたい」
と語ったという。
◆後押ししない自民。
岸田内閣の支持率が急落したのは、
◆後押ししない自民。
岸田内閣の支持率が急落したのは、
補正予算案にも盛り込まれた減税への支持が集まらなかったり、
9月の内閣改造で就任した3人の副大臣・政務官が立て続けに
9月の内閣改造で就任した3人の副大臣・政務官が立て続けに
辞任したことが理由として挙げられる。
自民安倍派の中堅は
自民安倍派の中堅は
「地元では岸田首相の批判ばかりをしている。
首相の批判は聴衆の受けがいい。首相が悪い所? 全てだ」
とあっけらかんと周囲に明かす。
何より、2021年の自民総裁選では、第1回投票で、
何より、2021年の自民総裁選では、第1回投票で、
首相は河野氏の1.5倍以上となる146人の国会議員票を集めた。
ここから2年程度で首相批判に転ずる自民議員の姿勢こそ、
ここから2年程度で首相批判に転ずる自民議員の姿勢こそ、
世論に見透かされる可能性があるとの指摘もある。
(産経新聞:奥原慎平)