この不平等な世界で、僕たちがスタートラインに立つために。
人生は生まれ落ちた瞬間にコースが分かれている。僕はそう思う。
「普通の人たち」が活躍できる世界をめざす、25歳、魂の半生。
矢口太一(25歳)・著 (朝日新聞出版)
矢口太一(25歳)
両親高卒、塾なし、地方公立高で東大入学。
仕送りなし、貯金なし、学費も自費、で卒業。
新卒入社でゲオを変革。
人生は生まれ落ちた瞬間にコースが分かれている。僕はそう思う。
裕福で教養ある両親のもとに生まれ、
幼稚園や小学校から名門校に通う。
海外旅行を皮切りにたくさんの経験を積む。
もちろん、本人の努力と才覚は必要だ。
でも、それを邪魔する障害物は少ない。
だってもうスタートラインにはついているから。
あとは走るだけだ。
もう一つのコース。
決して裕福ではない両親のもとに生まれ、
塾に通う余裕はなく、
勉強といえば学校の「定期テスト」しか知らない。
高卒の両親から大学の話がでたこともなければ、
海外旅行なんて行ったこともない。
本人の努力と才覚があっても、
あまりにも障害物が多くて、
スタートラインにたどり着くことさえ難しい。
この「国」の「普通の人たち」が歩むコースだ。
努力すれば報われる、なんて嘘だ。
僕たち「普通の家庭」に生まれた人たちは、
まずはスタートラインに立たなくちゃいけない。
たくさんの障害物を乗り越え、
傷だらけになってでも。
身の丈を考えろ!
もっと普通にしていろ!
君にそんなことできるはずがない!
「常識」という名の障害物を必死で乗り越え、
傷だらけでたどり着くスタートライン。
まだ、僕は何も成し遂げていない。
地方の「普通の家庭」に生まれ、
ロールモデルもなく、
経済的に苦しい想いをしてきた、
そんな僕もスタートラインに立ったというだけだ。
レースの本番はこれから。
でも、僕はこのレースを走ることができる。
目の前に道はなかった。
でも、必死に進んだ後に小さな道ができ、
仲間や後輩たちが続いてくれている。
この本は、僕がスタートラインに立つまでの物語だ。
第1章
「東大なんか行けるはずがない」と先生は言った。
第2章
東京に行くぞ!
第3章
祖父母のお金
第4章
働かせてください
「普通の人たち」が活躍できる世界をめざす、25歳、魂の半生。
「普通の人たち」が活躍できる世界をめざす、25歳、魂の半生。