唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
大食いなDP-2 Merrill と「合歓の花」
昨晩はいかにも間に合わせ的な小文であったのにも関わらず、思いつきで大仰なタイトルを付けてしまったから、読まれてがっかりされた読者も多かったことと思う。今日は得意のカメラネタで挽回を目論むがさて如何に。と云う訳で、段落以降が今日の本文である。
レンズ交換のできないコンパクトカメラに大型のイメージセンサーを搭載した「高級コンデジ」(コンデジとは、コンパクトタイプデジタルカメラの省略形で、ちょっとカメラに詳しい人の間で「デジカメ」の代わりに使われる言葉。郷秋<Gauche>は普段こう云う略語は使わないが、ここではどのようなカメラなのかイメージし易くするために使った)が流行っている。
具体的にはキヤノンG1X、ソニーRX100等のことであるが、G1Xに至ってはポケットに入らない程の大きさ、そして同社のKiss X6iよりは軽いけれどNikon(ニコン)のD3200よりも29g重い534gと、もはや「コンパクト」とは云えない有様。そんな中でFoveon製48MPの3層CMOSを搭載したSIGMA(シグマ)のDP2 Marrillはなかなか魅力的であるのだが、お値段がね、と思いながらカタログを見ていてびっくりした。
DP2の標準バッテリー、BP-41でたったの約97枚しか撮ることが出来ないと云うのだ。しかし、「約97枚」と云うのも妙な表現だ。96.8枚撮れますとか97.3枚撮れますと云うなら「約97枚」で良いのだが、96.8枚とか97.3枚などと云う「撮れ方」はないから、常識的には約100枚とすべきところだと思うが、要するに100枚は撮れないと云う事なのだろうな。
こんなに小さなバッテリーで大丈夫かの思う「コンデジ」でも大抵200枚以上は撮れる。なのにバッテリー1本で約98枚しか撮れないDP2 Marrillでは一日の撮影どころか半日ももたないことになる。「使い物にならんな」と思いつつ付属品の欄を見たら、なんと「リチウムイオン充電池BP-41(2個)」と書かれている。「大食い」であることをSIGMAも承知の上で2個同梱となっているのである。
しかしなぁ、消費電力の少ない回路を設計する、長寿命のバテリーを調達するのがメーカーのすべきことであり、持ちが悪いからと云ってバッテリー2個付けて良しとするのは邪道だろうと郷秋<Gauche>は思う。と、ケチを付けておいて何だが、Foveonセンサー開発者の名前を取ってDP-2 ”Merrill”としたネーミングのセンスはなかなかGood!であるぞ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、梅雨さなかに咲く合歓(ねむ)の木の花。この花を見ると郷秋<Gauche>はいつも壺田花子作詩、中田喜直作曲の「ねむの花」を思い出す。
あなたはつかれた
おねむりなさいというように
ねむの花が咲く夕べ
夢のような夕べ
あれはやさしい淡い花
房のような花
風の中で誰か歌う
鳥のように
光のように
とぎれとぎれの思い出しても
声には立たぬ
あれは昔の愛の歌よ
変りはてたこの世の岸辺
にがくたたずむ私の胸に
ふたたび淡い夢を盛りあげ
房のような花
夢をすすめるねむの花
やさしい腕によりそって
愛に溶け入る眠りは忘れ
くるしい眠りのみが私を誘う
流れの早い
この世の岸辺に
詩のとおり、歌の通り、夢のような「ねむの花」であったなら嬉しい。