昨年3月29日に「大学淘汰の時代、ついに到来」と題する小文を書いた(Click here)。そこで2025年以降の学生募集を停止する大学・短大を列挙したが、案の定と云うべきか、2026年以降の学生募集を停止する私立大学・短大もまた目白押しである。
このblogでも幾度か、特に地方の女子短大、大都市圏にあっても小規模の大学・短大は入学者の減少が甚だしく厳しい経営状況で閉学に追い込まれるところも少なくないことを書いているが、ここにきて15もの大学・短大の2026年以降の学生募集停止、とりわけ2年後に閉学する短大が大量に出てきている。「大学淘汰の時代」(2024年3月29日のblog参照)となり、今後は私立大学・短大において淘汰回避のための合併・吸収が増えてくるのではないかと思われる。
また、地方所在の私立大学・短大については所在自治体による公立大学・短大化の動きも出てくるものと思われるが、すでに大幅な定員割れとなっている大学・短大にあっては、仮に地元各所からの要請があったとしても各自治体の財政負担が大きく、また定員割れとなった学校法人・大学の経営責任の所在の明確化も必要であり難しい判断を迫られることになるだろう。
【2026年以降の学生募集を停止する大学・短大】
(郷秋<Gauche>調べ)
拓殖大学北海道短期大学(北海道深川市 農業ビジネス科入学定員70名)
注:保育学科(入学定員50名)の募集を2025年から停止している
ことから農業ビジネス科の25年度入学生が卒業する2026年度末
をもって閉学。
札幌国際大学短期大学部(札幌市 入学定員120名)
國學院大学栃木短期大学(栃木県栃木市 入学定員250名)
共愛学園前橋国際大学短期大学部(群馬県前橋市 入学定員100名)
創価女子短期大学(東京都八王子市 入学定員150名)
学習院女子大学(東京都豊島区 入学定員355名)
相模女子大学短期大学部(神奈川県相模原市 入学定員100名)
滋賀文教短期大学(滋賀県長浜市 入学定員100名)
京都文教短期大学(京都府宇治市 入学定員250名)
和歌山信愛女子短期大学(和歌山市 入学定員170名)
注:2025年度から男女共学の和歌山信愛短期大学となる予定で
既に推薦入試を実施しているが、大幅な定員割れが続いている
ことから継続を断念。
神戸女子短期大学(神戸市中央区 入学定員120名)
頌栄短期大学(神戸市東灘区 入学定員125名)
甲子園短期大学(兵庫県西宮市 入学定員70名)
南九州大学短期大学部(宮崎市 入学定員100名)
鹿児島純心女子短期大学(鹿児島市 入学定員205名)
※上記記載内容に誤りや漏れがありました場合には下記までお知らせいただければ幸いです。
gaucheadgc(アットサイン)gmail(ドット)com
なお、昨年3月29日に掲載した以降次の大学・短大において2025年以降の募集を停止していたことが判明しましたので付記する。
電動モビリティシステム専門職大学(山形県飯豊町入学定員40名)
注:2023年開学
高岡法科大学(富山県高岡市 入学定員100名)
園田学園女子大学短期大学部(兵庫県尼崎市 入学定員145名)
2026年から募集停止した短大においては2025年4月の入学者が卒業する2027年、大学においては2029年をもって閉学。ただし、所定の修業年数で卒業要件の単位を修得できない学生が生じた場合には、卒業要件を満たす(あるいは自主退学・転学)まで閉学できない。
閉学後は、同一設置法人が閉学対象の短大以外に4年制大学を設置している場合にはその大学と統合、大学に発展的に移行、短大の定員を持って大学に新学部・学科を設置などの説明がなされている場合が多いが、このような動きが可能なのは4年制大学の入学定員が十分に確保できている場合であって、大学においても大幅な定員割れとなっている場合には、短大閉学の数年後には大学も閉学となる可能性が高いように思えてならない。何れにしても私立大学・短大にとっては厳しい時代である。
【参考】郷秋<Gauche>が最近書いた大学経営・行政関係の記事
●大学淘汰の時代(2025年3月1日、本記事)
(付)2026年以降学生募集停止大学・短大一覧
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/38de14adc18d6456bb449cf363e11908
●大学淘汰の時代、ついに到来(2024年3月29日)
(付)2025年以降学生募集停止大学・短大一覧
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/cccf9effbe972841932c010e880257bd
●止まらない女子大・女子短大の閉学(2023年4月20日)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/60a35268a0b1914d17a7cc715cd52db8
●他人事とは思えない〜大学の生き残り戦略 (2023年3月24日)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/f32008688ea3ff24d7094e292cca269f
●四年制大学も閉学の時代へ (2023年3月23日)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/0c1edf810856aa2b87617fd3cc3ae0c3
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、もうすぐ開花しそうな三椏(みつまた。ジンチョウゲ科ミツマタ属)。ピン甘御免。
横浜市青葉区の住宅地の中に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影・掲載しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは2月15日に撮影した写真を4点掲載いたしております。浅春から早春へと移りゆく森の様子をご覧いただけましたら大変嬉しく思います。
https://blog.goo.ne.jp/ondanomori/e/d40709c178ac1567ca5ee4582720e274
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