しましまのドレミ・カフェ

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干す

2020-11-13 20:59:00 | 家族のこと
昨日の夕方、家に帰っていたら病院の先生から電話が。

「急変した」
「5分間くらい息ができていない」
「意識もない」
「人工呼吸器をつけるかどうするか?」


話を聞きながら、私も声が震えてくる。
家から病院まで30分くらい。
夕方だから、あの道はすごく混む。どれくらいかかるのだろう。


「くれぐれも運転に気をつけて来てください」
と先生が言う。


途中の信号で、救急車が横切っていった。
いつもなら自然に譲るのに、「こちらだって命が危ないから駆けつけているところなのに」と言う気持ちが湧いてくる。
もちろん危ないからいつも通り譲ったけれど、その時はおかしな気持ちだった。


その日はいつもと違って、さっと部屋まで通してくれた。
コロナのため、病室に入るのも手続きがいろいろいるのだ。


母は酸素を当てて、息が戻っていた。
モニターがつけられて、色の違う数字が並んでいる。


初めは濃い酸素だったが、だんだんレベルを落としていっても、ちゃんと体に入ってますねと看護師さんが言う。


痰を自分で出す力がなくて、気管が詰まって、息ができなくなったのだと説明された。
痰を10回くらい引いた、と言われた。



ぼんやり目を開くこともあるが、何を話しかけても応えない。


手を握る。手をさする。

そんなことしかできなかった。


いつもは面会時間15分だが、今日はもう少し長くいてもいいと言われた。
師長さんはちょっと考えて、消灯時間の8時には帰ってください、と言った。



コロナで見舞いに来られない家族たちの写真を順番に見せてやった。

ちらりと見るが、「この顔は懐かしい、会いたい」と言う表情はしない。

私を見る時だってそうだ。

どんなに話しかけても、うれしそうにはしない。悲しいがそんな感じだ。何をやっても私の自己満足なのだ。切ない気持ちになる。


母の反応はなくても、家族には「ちゃんと顔を見せたよ。会わせてあげたよ」と言うことはできる。
それだけでも私の気持ちは和らぐ。
  

思い出すと、昼も夜も食べてなかった。
帰ってから、残り物を食べた。


そして早く寝た。


朝まで、枕元の電話が鳴ることはなかった。
それだけでもほっとした。



出勤前に病院に電話してみた。
熱はあるが、覚醒している。発語もあった。と言われた。


母はどんなことを言ったのだろう。
「おはよう」と言われて「おはよう」と返せたのだろうか。








今日は夕方に病院に行った。

昨日より少し目を開いている気はするが、話しかけても応えないのは同じだ。


15分経ちましたよ、と看護師さんが言いにきた。帰らないといけない。


いろいろ思いはあるが、母が苦しそうにしていないだけでも救われる。ありがたいことだ。





週末から来週にかけて、社協の事業、作業が続く。お役もあるので、急にできなくなった場合、誰に何を頼むか必死に段取りを考えて、今日は頼みまわった。



みなさん快く「いいよ」「そんな時は丸投げでいいんだよ。誰かがちゃんとやるから」「自分の体も大事にしやーよ」と言ってくれるのが沁みる。





今朝、えのきだけを干した。
買って来たものを、切ってざるに載せるだけ。何の手間もない。


お日さまの光が柔らかい。
こんな何でもない作業が、心を潤してくれる。


今日はいい日になった。
ということにしておこう❗️


















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