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バーボングラス片手のロックな毎日

ドラゴン桜 第二話は圧巻のバドミントンシーン

2021-05-03 20:20:41 | MUSIC/TV/MOVIE

先日ドラゴン桜の続編について書いた。

「コレジャナイ感」満載だとか「半沢直樹とGTO」みたいだとかなんやかんや書いたが、第2話を見て「なるほど、こうきたか」と感心してしまった。なぜ上から目線なのかはほっといてくれ。

 

第二話は将来が嘱望されるバトミントン部のスター選手(平手友梨奈)がメインのストーリー。

平手はオリンピック候補になるだろうと将来を嘱望されるプレイヤー。両親が叶わなかったオリンピック出場の夢を背負わされた彼女は、ハードな練習を続けるが膝を故障しかかってる。名門大学の推薦がかかった試合でついに倒れる彼女。しかし怪我の悪化は、推薦枠を横取りするためコーチと吉田が結託して仕組んだ事だった・・・。

ってな感じのゴタゴタ・騒動が今回の話なのだが、これが実に上手く描かれてた。いや、マジで。

 

まずバドミントンシーンが見事なり。

もちろん練習もしただろうし、元々の運動神経や反射神経の良さとかもあるんだろうけど、どう見てもバトミントン選手。実際にプレーしてる人が見たらどうなのかはわからないが、素人目では違和感全くなし。いや、かなりすごいハードな動き。

それを映すカメラワークと編集が見事なり。

高速で打ち返されるシャトルの応酬、ロブ、ドライブ、ブッシュ、ドロップなど多彩なショットをそれぞれ効果的に映し、プレイヤーの躍動を追うカメラ、カット割り、構図、すべて見事なり。これでスポ根ドラマが一本撮れるんじゃないかってぐらいのハイレベル。

欅坂46時代から別格だった平手友梨奈が放つオーラのせいかもしれないが、迫力満点でついつい見入ってしまったよ。

パートナー役の吉田三月喜も負けじといい動きをする。バド経験者か?サイドステップがサマになってる。スマッシュするシーンでのジャンプはちょっとバスケットぽいが、遜色ない。関係ないがクラブ活動の練習シーンでシャトルを次々と放ってた女性もすごいぞ。プロかな?明らかに別格だったぞ。

 

今回の話は学校のクラブ活動のあり方が描かれてた。

クラブ活動はあくまでも学校教育の一環と言いながらも、サッカー部、野球部、バレー部などの強豪校は別格扱いだ。設備も充実している(もちろんそうでない学校もあるが)し、コーチや監督、トレーナーなんかも招聘する。

クラブが全国大会出場すれば知名度も上がるし、入学希望者も増える。それこそ東大合格者を出すのと変わりないからね。学校も力を入れるのもわからんでもない。

強豪校や名門と呼ばれる学校のクラブは、練習量も多いしハードだ。

そりゃ昭和の時代みたいに「水飲むな」「血反吐出してもへこたれるな」「根性見せろ」「甘っちょろい考えは捨てろ」など、時代遅れの精神論や根性論の練習方法してるところは少ないだろうけど、まぁそれでもハードだ。

逆を言えばそれゆえに強いのだがね。才能があるものが集まって切磋琢磨し、ハードな練習とトレーニングして努力までしてるんだ。「楽しんで」とか「自分らしく」なんて言ってるような奴はかないっこないのだ。

 

卒業後にプロを目指してたりすると、全国大会に出場することをまず通過点とする。野球なら甲子園、ラグビーなら花園(タグビー)などね。そこでスカウトや協会の目に留まり、さらに選抜やオリンピック候補に選ばれる事を目標とする。

したがって全国大会常連校は入学希望者も集まるし、当然推薦枠で入学する生徒もいる。今回のドラゴン桜では、この名門大学の推薦枠をめぐって、平手友梨奈に嫉妬心を燃やす吉田三月喜がコーチとともに画策する話。実際にもこんなことはそこらであるんだろうなぁ。「エースをねらえ」の頃のように、シューズに画鋲仕込んだりラケット壊したりってレベルじゃないのね。

 

吉田三月喜の演技も悪くない。

彼女は平手とペアを組むくらいの実力・才能があるのに、ちやほやされたり話題にされるのはいつも平手。「平手友梨奈さえいなければ・・・」からの画策した悪巧み。それがバレた後の試合で、裏方に回った平手が励ます言葉をかけてるのに素直に聞けない。No.2に甘んじてた嫉妬と、今はtopの重責。

今回も相変わらず半沢風アングルが多用され、顔面アップで血走る目。彼女の目力込めた演技はなかなかのものでした。今後も期待。

 

そして今回はもう一つ、毒親が描かれてた。

平手友梨奈の両親は、自分たちが叶わなかったオリンピック出場の夢を彼女に背負わさす。それがまるで決められた運命のように。試合中に倒れたのは、すでに膝の半月板が無理な練習量と疲労のせいなのに、それを全て無能なコーチのせいにする。

安静とか休養とかの前に次の練習のことを言う。なぜ彼女がそんなに悪化するまで無理をしたか、なぜ黙って他のかは一切聞かずに。そんな親を駿河太郎が見事に演じてた。

 

「あなたのためを思って」「あなたの為に言ってるのよ」という、悪魔の呪文。

そりゃ、中にはガキの頃からそればかりさせて、勉強なんてしなくていいからって親がマネージャー代わりにあれこれ世話焼いて、それでプロになったり五輪でメダル取ったりするアスリートもたまにいるよ。イチローとか松井秀喜ってそうだよね。でも、その他のほとんどの凡人は潰れてるんじゃないかな。

勉強ばかりさす親もいる。いい大学入ること、いい会社に入ること、それが勝ち組と呼ばれる人になるということ。それ以外は認めない。

どちらにしても殺し文句は「親の言うことを聞いてれば大丈夫だ」。

勉強なら大学受験に失敗したり、一流商社に入った途端燃え尽き症候群になったり、アスリートなら、肩壊したり選抜に選ばれなかったり、世の中の引きこもり予備軍はこうして作られていくんじゃないのかね。

 

まぁ俺らの時代は、子供が何かをしたいと言っても「無理」とか「あんたにそんな才能ない」と決めつける親の時代だけどね。口癖は「そんなことやっても将来食えへん」ね。サッカーやっても、絵を描いても、ギターを弾いても、何をやっても認めん。

そんな親が主流だった頃に比べりゃ、今のステージママのような過保護な親のほうがまだマシか。どっちも嫌だけど。

 

いろいろ盛りだくさんだったけど、それらをうまくテンポよく描いてくれたので、めっちゃ面白かった。

観るのやめなくてよかった。

 

そして余談だが、第一話で桜木(阿部寛)に追い詰められたクソみたいなハンチク不良の二人が、今回、舎弟(手下)のように動いてたのが傑作。

江口のりこは二人が登校してないのは、阿部寛にやられたせいで登校拒否になったと勘違いしてたが、実は二人は阿部寛に頼まれてバド部のこといろ探ってたのね。

バイク(もちろん前回と同じくファンティック・キャバレロ・スクランブラー)で登場、阿部寛に「遅いぞ〜」とか言われてんの。ちゃんとタンデム用に平手のヘルメットまで用意してるマメさ。見送る時に手を振るって・・・、ちっとやりすぎ感はあるがまぁ良い。

モブキャラじゃなかったのね。次週予告でもきっちり桜の木を植えるシーンで出てたし。レギュラーメンバー入りね。

 

高橋海人にもちょっと諭したりするんだけど、相変わらずタバコを吸うシーンがある。

昨今すぐ「子供が真似したらどうする」ってクレーマーが出てくるから(そん時はお前が「あれはダメなことだよ」と教えりゃいいだけなのにね)、コンプライアンス大丈夫か?っていらん心配してしまう。

 

長澤まさみが放火に関する刑罰や少年法など法律的解釈を述べる演技は、「そうだ、この子は東大行って弁護士になったんだ」とわからせるに充分なシーンでした。うまいね、さすがに。

 

こうなってくると、もちろん次週も見る。

次回はいよいよ桜木式メゾット登場か?