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バーボングラス片手のロックな毎日

面白いぞ コタローは一人暮らし

2021-05-05 17:19:20 | MUSIC/TV/MOVIE

漫画原作を実写化にするのが流行ってる。

今クールも「イチケイのカラス」「珈琲いかがでしょう」「ドラゴン桜」「レンアイ漫画家」など、漫画原作を実写化したドラマが多い。

この「コタローは一人暮らし」もそうだ。

 

 

実写化した場合に原作ファンが「なんか違う」とか「変更しすぎ」とかアレヤコレヤ言う。設定などの多少の変更やキャスティングなどは仕方がないとはいえ、それぞれ頭の中で「もし実写化ならこのキャストは誰々だな」とか「この話は外せないでしょう」とか思ってるからね。

だから原作ファンを納得させる実写化は難しい。

でも、原作ファンが一番思うのは「世界観を変えないでほしい」だ。ここを外してしまうと「コレジャナイ感」が漂い、「ガッカリだ」「なんか違う」がSNS上に飛び交う。

 

この「コタローは一人暮らし」は見事に実写化している。

簡単に説明すると、売れない漫画家(関ジャニ∞横山裕)の住むアパート(アパートの清水)に、コタロー(瑛都くん)という5歳児が引っ越してくる。笑顔を見せず無表情なこの子には親がいないのか?なぜ一人暮らしなのか?訳ありなのか?と訝しがりながらも、何かと世話を焼いてしまう横山。

って話だ。

津村マミさんの漫画が原作なのだが、連載開始時は「あれ?安達哲さんのバカ姉妹の二番煎じ?」って思ったのだが、微妙に違う。ガキの二人暮しと一人暮らしってとこは似てるけど、ちょっと違う。多分違う。

 

毎回事件が起こるわけでもないし、警察階級社会でのし上がる野望を持ってたりもない。離婚だソロ活だと忙しくするわけでもない。

一人暮らしの漫画家が、なんか訳ありの5歳の男の子が隣に越してきたのを機会に、それまで面識もなかったアパートの住人たちともハートウォーミング(日本語に直すと心温まる)な交流をするって話だ。

津村マミさんの漫画の世界観を見事にドラマ化してるのだ。

 

横山裕がいい。

以前スピリッツの漫画賞を受賞して以来、全く鳴かず飛ばずで自堕落な生活を送ってる漫画家・狩野進を演じてるのだが、その気だるさや無気力感がいい。漫画のそのまんまだ。面倒臭がりのくせに、おせっかいで何かとコタローのことが気がかりってのも上手く演じてる。

瑛都くんがいい。

さとうコタローを演じるこの子役俳優を、俺は今まで知らなかったのだが他になんか出てるのかな?アニメ「とのさマン」の真似をして「わらわ」とか「おぬし」とか殿様言葉で話す5歳児。実際の殿様は「わらわ」なんて言わないが、あえてここは原作漫画通りに忠実に演じてる。無表情さもいいし、時折見せる子供らしさも上手い。

ちなみにこの劇中アニメ「とのさマン」の声は滝藤賢一がやっている(多分)。無駄に豪華なキャスティング。

 

山本舞香がいい。

横山裕の隣に住むキャバクラ嬢・秋友美月役。ヒモみたいな彼氏がいてあまり幸せそうじゃないけど、コタローくんの前では明るく元気を振りまいてるって役だが、ぴったりだ。

生瀬勝久がいい。

同じくアパートの清水に住む訳ありな職業の田丸勇。強面で派手なスーツを着てオラオラだけど(「ごくせん」の教頭役でしたた髪型だ)、実は子供好き。離婚した妻が子供に会わせてくれないので、用意してたぬいぐるみをコタローにあげようとするが「代わりじゃない」と拒否られ落ち込むとこなんかさすがにうまい。

しかも「コタローくん」が「コタローキュン」にしか聞こえないように発音するところなんざぁ名人芸だ。

 

百田夏菜子は・・・。

最初誰かわからなかった。1話目のラストに登場したんだけど、いきなり「下手くそだなぁ」って思った。これで「次回に続く」ってきついなぁと。第二話冒頭はその続きからだったのだが、なんじゃこれ、演技をしてるつもりか?と。誰やねんこの大根役者!ひでぇなぁって。さらにどうみても弁護士に見えない上に「こんな簡単な仕事ではなくもっと私に・・・ 」とかいうのだが、これがまた酷い棒読み。

調べたら、ももいろクローバーZの子なのね。納得。

 

最近ミュージシャンがドラマに出演することが多いんだけど、正直やめてほしいと思ってる。そりゃ中には上手い人もいるかもしれないが、ほとんどは「なぜキャスティングした」ってくらいダメ。セリフは棒読み、演技は問題外、「このバンド(ミュージシャン)のファン狙いか?」と勘ぐってしまいたくなる。

そりゃ過去にはショーケンや沢田研二、世良公則などミュージシャンなのに俳優としても認知されてる人もいたし、福山雅治とかもそうだね。アイドル出身でも松井玲奈(SKE48)や川栄李奈(AKB48)のように女優として一本立ちしてる人もいる。

ジャニーズにも多数いる。今回主演の横山裕くんだって関ジャニ∞だ。だけど彼はもう20年以上のドラマ出演経験がある。「有閑倶楽部」のあたりから演技力が増し、「絶対零度」あたりでかなりパワーアップした。

 

ももいろクローバ−Zの楽曲は好きだよ。

中島みゆき提供の「泣いてもいいんだよ」や、布袋寅泰作曲の「サラバ、愛しき悲しみたちよ」なんかはかなりハイレベルな楽曲だ。ダンス・パフォーマンスもいい。しかし、それとドラマの演技は別問題だ。

 

おっといけない、コタローは一人暮らしの世界観の話から、ももクロ百田のディスりに変わってしまったが、ついでに言うと、コタローの通う幼稚園の先生役の役者もダメだ。

棒読みと下手くそな演技(と呼べる代物でさえない)。久々にこんな学芸会レベルの演技を見た。彼はジャニーズ?横山くんのバーター出演かな?どうでもいいけど、ドラマの世界観は壊さないでくれ。

 

先ほどのももクロ・百田が演じる弁護士が所属する事務所で、所長を務めるのは光石研。今クール、かなりの頻度で登場。玉木宏主演の「桜の塔」では東大卒の警視庁警務部長を演じ、「珈琲いかがでしょう」ではチンピラ時代の中村倫也にコーヒーの世界を教える浮浪者役だ。

生瀬勝久とか、光石研などこんないぶし銀の役者をバイプレイヤーとして使うドラマ。面白くないわけがない。イッセー尾形も一人2役で出てるぞ。

 

ゆる〜い世界観。

みんなそれぞれなんやかんや抱えてたりするけど、今日もまた平穏無事に過ぎていく。

たまにはこんなドラマもいいんじゃない?

まぁ、百聞は一見にしかず。

とりあえず観てくれ。