玉川徹 医療現場やシステムの理解ないまま騒ぐバカ

今回の記事は一部「鈴木おさむが嫌いだ」と一部重複しています。

だって同じくらいバカなんだもん。

玉川徹。

このテレビ局職員なのかコメンテーターが本職なのかわからんおっさん。毎回、逆張りのように批判と非難しかその口は語らない。時には世間を敵に回し、時には共演者の意見さえ全否定し、司会の羽鳥アナのフォローを無駄にし、呆れさせながらもなぜか使われる玉川。

このおっさんの述べる意見の価値がどこにあるのか俺にはよくわからない。

どんな人でも「うーん、これはもっともだな」って思える意見の時があったりするのだが、この人に関してはほぼ無い。0に等しい。0を発見したインド人に感謝。

その玉川徹。さすがにブレない男。今回も思いっきり呆れさせてくれた。

 

医療の現場もシステムもわからんのに喋るな。勉強してから喋れ。

 

この玉川徹、いつものテレ朝『羽鳥慎一モーニングショー』で、新コロナウイルス・PCR検査について語った。まぁこいつの意見はいつも、そこらの暇を持て余して愚痴ばかり言ってる老人と何も変わりは無いのだが、今回はひどすぎた。

4月6日の放送では、新型コロナウイルスの感染拡大について特集され、「日本での死者数の少なさはPCR検査をちゃんとしていないからだ」と玉川は主張。

これに対し、政治ジャーナリスト・田崎史郎氏が反論。なぜ医療ジャーナリストでも無い彼がこの場にいたのかはさておき、「日本の死者数が少ないのはPCR検査してないからだ」という玉川に「ちゃんと検査してる」と反論。

 

玉川徹は日本の新型コロナ死者数が世界に比べ少ないことについて「検査していないのに感染者はわからないじゃ無いか」「感染が確認されて亡くなった人の数だけしか発表してないからだ」「肺炎で死んだ人、全員検査して数字を出すべきだ」と。

 

まぁはっきり言って馬鹿である。

「政府は量産してるんだからマスクはあるはずだ。出せ！」とドラッグストアで叫んでるおっさんより知識があるだけタチが悪い。

 

肺炎で亡くなる人は1日に300-400人と言われてる。この数字を玉川氏は知っていながら「全員PCR検査をすべきだ」と言っているのである。

彼はPCR検査や新型コロナウイルスの検査は、リトマス試験紙で酸性・アルカリ性を調べるのと同じくらい単純な作業だと思っているのかもしれない。

だから彼は肺炎で亡くなられた全患者を検査しろ、死者も全て検査しろと言えるのだろう。

 

すでに死んだ人をわざわざ検査する必要があるのか？そりゃ、原因不明で亡くなったとか、検査途中で亡くなられたのならわかるよ。だが、明らかに持病があって別の合併症で肺炎を起こし亡くなられた方まで新型コロナを調べるのか？

もうすでに新型コロナの検査試薬も検査技師も施設も足りねぇ状態だわ。医療崩壊とか医療パニックになってるのだが、玉川氏はその言葉は知ってても意味は全くわかっていないみたいだ。

これ以上の新型コロナウイルス検査を要求すると医療現場や検査機関は完全崩壊するぞ。そしてそれは、他の病気の患者の検査も滞ることにつながり、検査の遅れは処置や治療の遅れになる。そうなるとますます死人が増えるのだが、それでも死人までコロナ検査しろと。

 

ちょっとここからはウイルスについて書く。少しだけ専門的な話だが大事なことだ。

 

まずは大きさ。ウイルスの大きさは0.1マイクロメートル。細菌で1マイクロメートル、花粉で30マイクロメートル。

一般的なマスクの隙間は5マイクロメートルだから「花粉は防げても細菌やウイルスは素通りに近いじゃないか」ってなりそうだが、しないよりしたほうがマシだ。

皮膚には角質っていう硬い膜があり、バリア機能があるため細菌やウイルスが付着しても中には入り込めないが、目、鼻、口、生殖器などの粘膜は角質がないため侵入しやすい。だからカバーするのは大事。マスクは無駄ではない。ただ皮膚も傷があったりするとそこから侵入されることはあるよ。

 

粘膜にウイルスがついてもすぐに感染するわけではない。免疫が病原体を排除しようと働く。体の中に抗体っていうものを作って戦ってくれるのだ。その間に洗い流せ！うがいや手洗いが大事なのはこの理由だ。

これまで侵入したことのあるウイルスに対しては抗体は記憶してるので戦えるけど、未知のウイルスや細菌に対しては抗体を作るのに時間がかかる。ちなみにノロウイルスの場合最小18個で感染が成立すると言われてる。

 

「インフルエンザは去年かかったから、抗体ができてるからもう大丈夫だよね」なんて思ったら大間違い。インフルエンザウイルスは微妙に毎年変化（進化？）するため、体（抗体）が同じウイルスだと認識しないのだ。だから毎年インフルエンザは流行するのだ。インフルの予防接種はあまり効果がないってことか？気やすめにはなるが・・・。

 

今回の新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じくコロナウイルスで、今回のは変異版（進化版？）である。だからまだ特効薬がない。抗体も取り出せてない。ただの風邪と診断されるのもウイルスだが、はしかや風疹、ノロウイルスなどはまだ治療薬がない。

「病院で薬もらうけど？」と思われるだろうが、あれは熱を下げるとか、鼻水や咳を抑えるとか、喉の痛みを和らげるという症状を暖和する薬であって、ウイルスを殺したりやっつけたり封じ込めたりしてくれる薬ではない。抗生物質というのがあるが、コレを説明すると長くなるので端折る。

 

とにかくウイルス感染したら基本的には患者の自己治癒力、免疫力で治るしかないのだ。

これが新型コロナウイルス発生当初にマスコミやメディアで出回った「治療薬や治療方法が無く、感染してたら寝てればいいだけなら、病院行くのは無駄だ」論だ。ホリエモンも得意げに言ってたな。あながちハズレではないのだが、誤解を招くよな。

「病院行って検査で陽性だったとしても薬が無いのなら無駄だ」と「なぜ全員検査しないのだ」と両極端の論理がメディアで繰り広げられるのは一体なんなのだろう。

 

そして肝心の検査。

そもそもウイルスは全部で３万種あり、哺乳動物に感染するのは約６５０種と言われてる。一般的に検査するウイルスは全部で十種ほどだ。

検査するには患者の鼻の奥（または喉）の粘膜から検体を採取する。この作業は臨床検査技師の仕事である。看護師とかではできないのだ。

医療機関で採取した検体を地方衛生研究所または国立感染症研究所に持ち込んで検査する。（保健所や民間検査機関でもできるようにしようとしてる）

そして持ち込まれた検体を増幅器にかけたりして検査にふさわしい状態にするのだが、もちろんこの検査も熟練の検査技師が行うのだ。

国には２０万にの検査技師が登録されてて、8-9万人が実際現場で働いているが、遺伝子の検査ができる人は約9000人だそうだ。それぞれ専門分野があるもんね。そして検査には他の病気の検体も持ち込まれる。新型コロナばかり検査してられないのも事実である。

 

それでもここ数日、毎日毎時間顕微鏡とにらめっこしてくれてる熟練技師のおかげで陽性の患者がわかる。1回に20本の検体を検査するのに4時間くらいかかる。それを2-3回やればもう12時間だ。完全なオーバーワークである。

それでも玉川は肺炎で死んだ人もすべて検査すべきだと言うのか。

 

細菌は栄養さえあれば2倍-4倍-8倍-16倍・・・と独自で増えていくのに対し、ウイルスは他の生物（宿主）の中に入り込まないと増殖できない。宿主の細胞の中に侵入したら遺伝子を一気に複製する。つまりクローンを作って増殖していくのだが、そのスピードはとても早く、一説には1つのウイルスは24時間で100万個のコピーを作るそうだ。

そして複製がある程度たまると今度は細胞内から複製されたウイルスを放出してまた他の細胞に侵入する。を繰り返していく。検査ではそれを擬似的に増幅器にかけて培養するのだ。

簡単に言えばまだ感染して間もない頃なら検査しても検体からウイルスが検出されない場合だってあるし、ウイルスが見つかっても新型コロナじゃなかったりする。さらに新型コロナウイルスであってもまだ発症してない場合もあるし、陰性だと判断してもまだ増殖する前で見落とされてたってこともあるし、後に発症ってこともあるだろう。

 

そして検査技師はその合間には、通常の検査もしてるのだよ。

だから、海外渡航歴があるとか、クラスター場所にいたとか、感染者と濃厚接触したとかの人じゃないとPCR検査しないは正しい。

熱が出てる、喉が痛い、鼻が出る、味覚障害だって言われても、ただの風邪かもしれないし、インフルエンザかもしれない。もちろん新型コロナかもしれない。だから症状が出て、上記の条件に当てはまってればすぐ検査するけど、森三中の黒沢みたいな状況だと検査後回しにされて当たり前なのだ。

 

厚生労働省のサイトによると

●医師が新型コロナウイルス感染症を疑う前に、各自治体と相談の上で検査する。

●擬似症として保健所に届け出後、地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査する。

●渡航歴や患者との接触歴などから都道府県が必要と判断した場合に検査が行われる。

●検査結果が判明するまで状況にもよるけど1日から数日かかる。

となっている。

 

2/18〜4/1までのPCR検査の実施数は6万5039件。

菅官房長官は4/2の記者会見でPCR検査の1日当たりの実施可能数を9000件確保したと明らかにし、「医師が必要だと診断した患者には全員検査している」と述べている。

6日には安倍総理が1日当たりの実施可能数を2万件にすると表明したが、それだけの数を今の医療現場でこなせるのだろうか。

玉川徹よ、そこらへんはどうなんだい？

 

でもこれはテレビ朝日（およびマスコミ・メディア）も悪い。連帯責任だ。

春の高校野球選抜甲子園とか、東京五輪2020とかの開催が絡んでたからか、やたらと「そんなに怖がる必要がない」「マスクとうがいで防御」と軽んじた傾向の報道だったし、それよりは桜の会がどうした、東出の不倫がどうしたとかやってたもんな。

武漢ではどうだとか、韓国がどう言ってきたとかどこか他人事で、論客とやらは「なぜダイアモンドプリンセス号の乗客を下さないのか」「なぜ全員すぐ検査しないのか」などと好き勝手言い、さらにスタジオでは「政府の対応が遅いですね〜」と安倍叩きに熱心だったからな。

医療現場をわかっていない、ウイルス検査システムが全く理解できてないのにダイヤモンドプリンセス号の件で騒ぎ立てたから、政府から苦言されたのだよ。理解できたかい？

ドライブスルー検査っていうのがどういうしシステムなのかはわからないし、どれくらいの検査能力と正確さがあるのかわからないままに、「韓国では」「外国では」って出羽守でうるさかったな。もう黙ってろ。っていうか家で自粛しててくれ。

 

新型コロナウイルスの恐怖や検査方法などをちゃんと報道する前に、わけのわからない元厚労相だの大学教授だの、医学に詳しいなんちゃらだのが出てきて、それぞれ好き勝手言ってるだけだもの。未だに国民はインフルエンザの変形で、若い人は感染しても重症になる人は少ない、持病もってる老人はやばい。ってなくらいの認識の人は多いと思う。

だから非常事態宣言とか外出自粛って言われても、若いやつで出歩いてるやつは「自分だけは大丈夫（若いからかかっても大丈夫）」と過信してるし、老人はマスク求めて朝早くから並び、昼は公園に散歩しに行き同世代と日向ぼっこしながら至近距離で語り、夜は居酒屋で酒飲みながら「もういつ死んでもええねんん」くらいの勢いで強がってる。

 

新型コロナが疑わしい人も、未発症者も、ただの風邪も、ただの疑心暗鬼な怖がりも、こぞって検査してくれと押しかけたらどうなる。

ましてやそこに「肺炎で死んだ人までも検査をしてないのは、数字を誤魔化すためか？」のようにテレビで言うのはどうよ。

 

こんな老人はすぐ救急車を呼び、救急隊員に治療を要求し、なぜ診断や治療してくれないんだぁって騒ぐんだろうな。あくまでも自分ルール。

それぞれ専門分野に分かれてる意味がわかっていない。

そりゃ、すべてをこなせるスーパードクターって人がたくさんいりゃいいよ。医者であり博士号まで持ってて研究もして論文発表もし、検査も分析も診断も治療も手術も投薬もリハビリもできるって人。いるか？そんな人。逆にいたら全て薄っぺらい専門的なとこは何一つわかってなくて、他の医者、看護師、検査技師、全く信用してない偏屈ジジイだな。

 

テレビ朝日は、米倉涼子の「ドクターX」のせいで勘違いしてるのかもしれないな。

「検査するよ」といった後すぐに検査結果がきて、それを見て米倉が「これは何々だね、すぐ手術しないとあんた死ぬよ」なんて言って、理事長の反対おしきって手術したりするんだ。そんなには早く専門の検査ができたりするわけないだろ。

一方、長寿番組の「科捜研の女」では、沢口靖子をはじめみんなそれぞれ専門分野で検査をしてるのにな。まぁあれはあれで鑑識の世界まで越境してるし、捜査にも取り調べにも参加してるから何の参考にもならんか。

 

フジテレビは医療ドラマでは、専門分野を特出して描いてる名作と呼べる医療ドラマが多いな。

緊急ドクターヘリによる救命医療を描いた「コードブルー」（山下智久／新垣結衣）

放射線検査技師を描いた「ラジエーションハウス」（窪田正孝主演）

病理医を描いた「フライジャル」（TOKIO長瀬智也主演）

そして新型コロナの影響で放送が延期になっているが、2クール放送される予定の「監察医・朝顔2」（上野樹里主演）

 

テレビ朝日の社員である玉川徹は、外出自粛するのなら家でこれらを観て勉強してほしいな。

微生物や細菌、そして新型ウイルスによるパンデミック、ロックアウトまで描いたTBSの「インハンド」（山下智久主演）も見てくれ。

そしてそれでもまだ「なぜ全員PCR検査しないんだぁ」って言うのなら、本当に馬鹿だってことだ。

感染を恐れず昼夜問わず顕微鏡と検査器具に向き合って頑張ってくれてる技師に感謝すべきであるってことさえわからず偉そうに喋ってると、いつか痛い目見るぞ。