GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

究極のポテトチップス ポテトの素顔

2018-12-02 05:17:54 | FOOD&DRINK
おやつは300円まで。
ガキの頃の遠足のしおりに書かれてた定番。
「バナナはおやつに入るんですか?」という鉄板ネタと共に、遠足前の駄菓子屋さんは大盛況。あの頃はコンビニなんて無かったし、スーパーより駄菓子屋さんの方がお菓子は充実してたもんね。

昔は今ほどいろんな種類がなかった。
だからみんな少ない予算で「グリコがっちり買いましょう」(このTV知ってる時点でかなりお歳だ)のように、どう組み合わせて買うかを必死に考えた。普段は算数苦手なくせにね。

イカ燻の駄菓子系、チロルやセコイヤなど安価チョコ系やマーブルやアポロなどの量チョコ系、タッチポンなどの大量おかき系、酢こんぶ(都こんぶ)やボンタンアメなどのマニアック系、小梅ちゃんかチェルシーか・・・。
友達とかぶらないように(バスの中で交換ができるように)する奴もいれば、自分だけが楽しめればそれでいいってやつもいて、いろんな思惑が渦巻く駄菓子屋お菓子屋。ガキなりに必死で考えたもんだ。

それだけにお菓子に対してはみんなこだわりがあって思い入れがある。
その後、ツレの家で飲み会だの鍋パーティーだのギャンブルだのするようになったとき、買い出しでお菓子を選ぶときの論争は半端ではない。
メインの鍋の具材を何にするかとかよりお菓子でもめる。フグやカニや肉よりもお菓子などの方が大事なのだ。

カールはチーズかカレーか。
サッポロポテトはベジタブルかバーベキュー味か。
エンゼルパイ(森永)かチョコパイ(Lotte)か。
かっぱえびせんか海老満月か。

京えくぼ、横綱あられ、おにぎりせんべい、いやいや柿の種の方が量があるだと喧々諤々。
チョコレートは森永か明治かグリコか不二家かロッテかで揉める。
板チョコかポッキーかでも揉める。
ブルボンはルマンドかホワイトロリータかバームロールかでこだわりを語り、ガムならこれだ、飴ちゃんならこれだと戦々恐々。

ジュースだってコーラはコカコーラかペプシか、ファンタはオレンジかレモンかグレープか、スプライトかキリンレモンか三ツ矢サイダーか、言い出すとどうしようもない泥沼に。カルピスソーダの濃さへの思い入れで議論し、午後の紅茶とJAVATea、ポカリとアクエリアスとゲータレードへと議論は発展していく。
カップヌードルはノーマルかカレーかシーフードか、インスタントラーメンは、出前一丁かチキンラーメンか、ワンタン麺か。サッポロ一番は醤油か味噌か塩か。ボンカレーかククレカレーか、どん兵衛か赤いきつねか・・・。収拾がつかない。

そんな食に対してのこだわりを、皆が皆持ってるもんだからポテトチップスなんかもう大変。
うすしおかコンソメかで揉める。いや、そもそもカルビーか湖池屋かで揉める。

今、ポテトチップスは定番以外にもどんどん新しい種類が出てきて、またそどんどん消えていく。
季節限定、期間限定、数量限定、地域限定・・・。
メーカーがあれやこれや戦略を打ち出し、奇をてらったものから明らかに企画倒れのものまで、短期決戦で打ち込んでくる。
スーパーよりコンビニエンスストアでの方がこれらは充実してて、行くたびに新商品が並んでる。
そして気に入っても次に行くと、または違うコンビニに行くともうなかったりする。

そんなかんじでコンビニの少ない棚スペースを取り合い、まるで戦国時代の群雄割拠のポテトチップス。(そんな大げさなものか?)
カルビーはご当地ポテトチップスなるものを打ち出した。
以前も関西だししょうゆ味など今や定番化してるようなご当地ものはあったが、今回は47都道府県、地域の親しまれてる味で地域限定発売。



和歌山らーめん味だのあごだし味だの、それってうまいのか?って躊躇するようなものがいっぱい。
期間限定とか地域限定って言葉にそそのかされ、ついつい手に取りそうになるんだけどね。

で、ここで原点回帰。
湖池屋が究極のポテトチップスを販売。
その名も「ポテトの素顔」。

食塩や添加物一切なしで、ただスライスして油で揚げただけのポテトチップス。
味は自分で付けろと。
これなら、塩を赤穂だの粟国だの宮古の雪塩だの好みで好きな量だけかけれるし、カレーパウダーをかけようが、エスニックにしようが、ピリ辛にしようが思いのままだ。自分好みの味が作れる優れもの。

ただ難点なのは、「これだ!」って味にたどり着くかどうか。
そしてそれを毎回再現できるかどうか。

カレーでも、バーモンド1とジャワカレー3とか、こくまろとディナーカレーを混ぜるとかこだわってる人はいっぱいいる。さらにワインを入れる、チョコレートやココアを入れるなどこだわってる人はいっぱいいる。
玉ねぎを飴色になるまで炒める、小麦粉を入れる、牛肉豚肉鶏肉ひき肉だ、ルーかパウダーかでこだわってる人もいる。
カルダモンやシナモン、ブラックレッドホワイトペッパーや、クミンやシードなどいろんなスパイスを駆使してる人もいる。

しかし、なかなか自分の味で「これだ!」というところにたどりつける人は少ない。たまたま入ったとしても配合は思えちゃいなかったりする。商売でカレー店してるわけじゃないんだからね。思いつきや適当ってやつ。2日目のカレーが美味しいかとか、3日目にカレーうどんにしたらどうだとかって問題ももある。

料理研究家の人たちは「ルーでもレトルトでもそれなりにメーカーの人が研究して、それで完成された配合になって販売いるのだから、素人がそこになんか足しても美味しくなるどころかバランスが悪くなるだけ」なんていう方もおられるくらいだ。実際そう思う。下手に色々入れてもあんまりね。
俺はインドカレーとジャワカレーを混ぜて作るのだが、大量に作ってた時は美味しかったのだが、少量で作るとあんまり美味しくない。鍋や煮込みと同じ原理かね。

そんなこんなで湖池屋の「自分で勝手にお好みに味付けしてね」なポテトチップス「ポテトの素顔」。
香川の讃岐うどんのように、熱か冷か、出汁か醤油か、トッピングは何にするか、自分こだわりの味は自分で作ってくれという、お客様任せのほったらかし。「味はついてるから何もつけないでこのままで」と言う寿司職人や、「私のソースをご賞味あれ」というフレンシェフの対極にあるカスタマーセルフ。
究極の「自分好みの味」ができるか。あれこれ入れたのに「もう何が足りないかようわからん」ができるか。これこそ自己責任ってやつだ。
さぁチャレンジしてみよう。
ローソン限定だ。急げ。







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