渡哲也さんがお亡くなりになられた。
毎年、お盆のシーズンになると有名人がお亡くなりになられたニュースが飛び交うのだが、今年は新型コロナの成果おかげか、あまり訃報のニュースは聞かなかったんだけどな。
先日、来年の1月16日に石原プロモーションを解散する(業務を終了する)という話が出たばかりだったのだが、これは渡哲也さんの体調のこととかもあったのかな。
渡哲也といえば、俺らの世代にとっては何と言っても『西部警察』だ。
ツレによっては『いや、俺は大都会やな』という人もいる。どちらも面白い。
正直俺はちょっとごっちゃになってて、酒飲みながら昔のテレビの話をしていたら時々、「それ、大都会やで」とか「西部警察にそんな話あったか?」ってツッコミ入れられてしまう時がある。記憶が曖昧だ。
どちらも、渡哲也、石原裕次郎、神田正輝、峰竜太、苅谷俊介、寺尾聰が出てるんだもん。
松田優作が出てたのは『大都会Part2』、舘ひろしが出てるのが『西部警察』と覚えてるが、渡哲也が黒岩なのか大門なのか、ショットガン撃つのは?ヘリからライフルで狙撃は?どっちがどっちだか曖昧。(同じく石原裕次郎が木暮なのか宗方なのか・・・)
こういう昭和のスターがお亡くなりになられると、生前の豪快エピソードや、心温まる話が出てくる。これからどんどんワイドショーなんかで語られると思うけど、俺でも知ってる話がいくつかあるので紹介しよう。本当かどうかは知らないが、まぁ本当だろう。
1、借金だらけでいよいよやばくなった石原プロモーションを助けるため、訪ねて行った渡(事務所は当時別)が紙袋に入れた全財産を「これ使ってください」と裕次郎に差し出した。(確かこれ、石原慎太郎原作の『弟』ってドラマでも描かれてた)
2、関西ローカル番組の『ごぶごぶ』で、ゲストの勝村政信がダウンタウン浜田雅功と一緒に「渡哲也さんが好きな焚き火をしたい」と、湾岸で焚き火を楽しむのだが、その際、浜ちゃんが言った言葉。
「一度渡さんにテレビ局でお会いして、これは挨拶しないといかんやろって思ったけど、なんか打ち合わせ中で取り巻きがいっぱいいて躊躇しながら遠くから挨拶したら、わざわざ立ち上がって、近づいてきて、握手して、挨拶してくれた」
勝村曰く、「それ、渡さんが石原裕次郎さんに最初挨拶した際にされて以来、心がけてるそうですよ」とのこと。
3、『あぶない刑事』の放送が始まった頃、柴田恭兵や舘ひろしは衣装が用意されてたが、まだ駆け出しだった仲村トオルには無く、渡哲也さんが背広を貸してくれた。(ラペル裏に渡と刺繍されてる)
とまぁ、こんな話はそれこそこれから報道バラエティ番組などでいくつも語られるだろう。
渡哲也さんの演技で圧巻だったのは、NHK大河ドラマ『秀吉』(竹中直人主演)での、織田信長役だな。
役所広司、緒方直人、反町隆史、舘ひろし、吉川晃司、豊川悦司、江口洋介、吉田鋼太郎・・・NHK大河ドラマで戦国時代をやると、必ず登場すると言っても過言でない織田信長。なので、過去にも後にもいろんな俳優が信長を演じているが、この『秀吉」での渡哲也信長が、俺の中での信長像に一番近い。
浮気ばかりしておね(沢口靖子)に心配をかける秀吉(竹中直人)を諌める信長(渡哲也)。ひょっとして信長はおねが好きだったんじゃないか?て勘ぐりたくなるほどの慈愛に満ちた表情。
そうかと思えば明智光秀(村上弘明)の謀反、本能寺での圧巻の殺陣、太刀さばきはまるで鬼神。第六天魔王である。そして衝撃の自害シーン。
その他映画・ドラマでも、名だたる名優が信長を演じてるが、伊達政宗が渡辺謙がデフォルトになってるように、俺にとっては信長は渡哲也なのだ。
そしてもう一本。2007年の正月に2夜連続で放送された「マグロ』。
今やマグロといえば青森県大間と言われるほどのブランドだが、その大間の実在する一本釣りにこだわる漁師をモデルに作られたのがこのドラマ。
圧巻だったのが、マグロを釣り上げるシーン。漁師とマグロの壮絶な戦いは圧巻だ。マグロの一本釣りって、竿とか網とか使わない。だから下手すりゃ指や腕まで持っていかれちゃうほどの危険をはらむ。
よくこれ撮れたなぁって思う。カメラもスタッフも大変だっただろう。多分、やらせも仕込みもないはずだ。マグロも実際に渡哲也が釣り上げたものだと思う。
ざっと思い返しただけでもこれだ。
多分これから、いろいろ思い出すだろう。
ゆっくりお休みください。
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