前回に引き続き「愛していると言ってくれ」の再放送ネタですまん。
あらためて見ても、本当にいいドラマである。
常盤貴子が可愛い。
明るくて、まっすぐで、一生懸命なのだ。いつも走ってる。笑顔がとても似合う。天真爛漫でいてそのくせ繊細だ。でも、ただ可愛いだけではない。彼女は繊細だ。
豊川悦司が聴覚障害だとか口がきけないと気付いた時の慌てた表情、伝えたいことがうまく伝わらない時の表情、言葉足らずで誤解をさせてしまった時の表情、切ないくらいよくわかる。
手話を必死覚える。ただ、もっと知りたい、もっと伝えたい一心で。だから周りの目(白い目ってやつね)を気にせず電車などでも堂々と手話を使う。それに戸惑い「君まで障害者だと思われる」と突き放す豊川悦司に「あなたと私、何が違うの」と悲しそうな表情を見せる。
「ねぇ、聞こえないのってどんな感じ?」とか、普通は遠慮して絶対聞けない(聞こうとはしない)言葉も平気で言う。彼女の中に偏見や蔑みはない。天真爛漫であるが、一歩間違えれば傍若無人になりかねない。常盤貴子はそれを演じきっている。
前回も書いたが、それまでのトレンディドラマってやつは、オシャッレーな都会の男女がイカしたレストランやバーで謳歌し、友情と愛をライトに楽しむものだった。登場する男女は企業のOLだったり、カタカナ職業だったり、視聴者が憧れるライフスタイルだ。
それがこの愛していると言ってくれでは、ハンデキャップを持つ画家の男と、バイトで生計立ててる将来を夢見るアパート暮らしの劇団員の女だ。
W浅野のようにオシャレな部屋にも住んでないし、ファッションも決めてない。ベイエリアで夜景見ながら愛を語るどころか、夜は手話も唇の動きも見えない。それを花火の手話という斬新な方法で演出したかと思えば、花火が消えて闇が訪れる瞬間「あ、時間切れだ」・・・からのKISS。これはいかにハイソな生活してても、どんなゴールドカード持ってても手に入れれないだろう。
携帯電話もまだ普及していない頃だ。二人の会話は離れている時はFAXだ。多分まだコピー機はゼロックスと呼ばれてて、FAXはファクシミリって呼ばれてた時代だ。
今ならメールで、いやLINEで「起きてる?」とか「今から行っていい?」と確認もできたりする。すれ違いとか待ちぼうけもない。それどころか今なら手話を覚えなくても筆談ならぬスマホ談もできる。便利になったおかげで約束の時間や場所は変えれるものになり、人間関係は希薄になった気がする。
豊川悦司はタバコをプカプカ吸う。分煙どころか路上喫煙禁止もされていないからどこでも吸う。まだ受動喫煙がぁとか騒ぐ人もいないから狭い部屋でも吸う。画廊でも吸う。絵に匂いがつくとか気にしないで吸う。絵を描きながらも吸う。さすがに油絵の具の横では危ないと思うのだが関係なしに吸う。自由だ。羨ましい。この時代に戻りたい。
常盤貴子は、その前の年だったか(記憶曖昧だ)「悪魔のKISS」で、カード地獄かなんかに陥ってしまった女子大生かなんかの役やって、いきなりフルヌードになった。確かVIDEO化されていないはずだ。
そしてこの「愛していると言ってくれ」の次のドラマ(だったと思う)「真昼の月」では初回からいきなりレイプ被害者になってしまう役だった。もう、まさに体当たりである。
「最後の恋」では中居正広を口説くホテトル嬢、「美しい人」ではDVの夫・大沢たかおから逃げるために田村正和に整形を依頼する女。「ビューティフルライフ」では難病に侵され車椅子生活する薄幸の役だし、「ロングラブレター〜漂流教室」では生徒がお起こした傷害事件の責任取って辞めさせられた元教師でタイムスリップに巻き込まれるし・・・。常盤貴子、複雑な女性役多すぎ。
そうかと思えば、「タブロイド」でともさかりえと、「カバチタレ」では深津絵里と組んで、はっちゃけた女性を演じてる。俺はこれらの常盤貴子が好きだ。元気が出る。
テレビドラマで常盤貴子を見ることは少なくなっていたが、「やすらぎの郷」で久しぶりに見た。芸能界に功績を残した人だけが入れる老人施設のコンシェルジュ役。相変わらず美しいのだ。最後の方でかなり年上のミッキーカーチスの恋人になっていたが、続編の「やすらぎの刻」ではすでに別れたとの設定で出演はなかった。
そしてアメリカの人気ドラマのリメイク「グッドワイフ」で、検察官・唐沢寿明の奥さん役。16年ぶりに弁護士に復帰し、不倫疑惑と汚職疑惑で窮地に追いやられてる旦那の弁護を引き受ける。リメイクものは「SUITS」など、ちょっととほほな感じになるのが多いのだが、このドラマ結構面白かったよ。常盤貴子の顔がまんまるになっててちょっと驚いたが。
豊川悦司を最初に見たのは深夜放送されてた「NIGHT HEAD」だ。武田真治と超能力兄弟だったが、あまりストーリー覚えてない。っていうかストーリーは無茶苦茶だった気がする。
鈴木保奈美と三上博史の切ないラブストーリー「この世の果て」(野島伸司脚本)では、金持ちの御曹司。ちょっと嫌な奴役。
そのあとが野沢尚脚本のドロドロドラマ「この愛に生きて」。確か安田成美と不倫結婚した後に、元妻・美保純とも不倫してるって役だった気がする。とんでもねぇ野郎だ。
で、この「愛していると言ってくれ」で純愛。ふり幅広すぎ。
「愛してると言ってくれ」の後の「青い鳥」も名作だ。これも野沢尚脚本で、旦那の佐野史郎から母娘を逃がす駅員役がトヨエツだ。夏川結衣が綺麗で、子役の鈴木杏が可愛くて。そら、連れて逃げるわって感じ。ぜひこれも再放送してほしいものだ。
豊川悦司は犯罪者役が似合うと言ってはなんだが暗い影がある役の方が合う。アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」のリメイクのように、金持ちの男(石黒賢)に成り代わりなりすます役を演じた「危険な関係」や、
「兄弟〜兄さん頼むお願いだから死んでくれ〜」は、ビートたけしと兄弟役を演じた。作詞家として数々のヒット曲を世に送り出したなかにし礼さんの自伝のドラマ化で、豊川悦司は弟のなかにし礼、ビートたけしが借金まみれで夢ばかり見て弟に迷惑かける兄を演じた。すごくいいドラマだよ。なんか今年は北海道にニシンが大量に押し寄せた(海岸が白く染まった)ってニュースを聞いて、このドラマを思い出した。
そして「弁護士のくず」でファンキーな弁護士を演じたかと思えば、「ビューテフルレイン」で若年性アルツハイマーによって記憶をどんどんなくしていく男を見事に演じた。記憶をなくしていく父を励ます芦田愛菜ちゃんが健気だった。
常盤貴子と豊川悦司は、映画「20世紀少年」で共演してる。
浦沢直樹の原作漫画を三部作の実写映画化したんだけど、キャスティングがめっちゃいいのよ。まるで連載時から当て書きしてたのってくらいみんなそのまんま。原作との違和感なし実写化映画ベスト10に楽勝入る。常盤貴子もトヨエツもこの映画の中では同級生。主演は唐沢寿明だが、2作目はほぼトヨエツが主人公だ。かっこいい。
この映画、覆面かぶった“ともだち”がウイルスによって日本を分断し隔離し仕切ってる。それを唐沢ら昔の友達が集まってやっつけ(野望を砕き)に行く。という話なんだが、新型コロナウイルスの脅威によって越境自粛警察が出てきたりしてる今、放映してもいいのではって思うのだ。だけど、ウイルス感染で苦しんでる人に気遣うとかの理由で放送できないのかなぁ。
【愛していると言ってくれ】が放送されたのが1995年。
1995年といえば1月に阪神淡路大震災があった年で、震災を機にそれまでのバブル景気の名残が一気に飛んで、いろんな価値観が変わった年だ。(これ、前回も書いたな)
ボランティア(奉仕活動)というものが世間に浸透したのもこの阪神大震災からだし、携帯電話が普及したのもこの年からだ。
阪神大震災が起きた頃、携帯の普及率は確か大阪11%東京8%くらいだった。当時、すでに持っていた俺は被災地入りした時、いろんな人にいろんな場所で「貸してもらえませんか」と言われた。なぜか十円渡されるんだけど、通話料もっと高いんだけど・・・って思うよりも、瓦礫と傾いた建物に無力を感じ、被災者に何もしてあげられない俺が現地でしてあげられることって携帯を貸してあげることしかできないのよ。家族と連絡が通じて無事を喜んだりする姿を見る、それくらいしかできなかったのよ。
それが、今では一人一台所有してる。スマホも普及してメールやLINE、SNSや各種アプリを使いこなしてはる。常盤貴子は公衆電話から岡田浩暉の待つ喫茶店の赤電話にかけ、呼び出してもらってる。
ドラマではまだトヨエツはワープロ使ってるが、パソコンが普及したのは、WINDOWS’95が発売されたこの年からだ。
そしてもう一度この年起こった阪神大震災に話を戻すが、主演の常盤貴子は兵庫県西宮育ちだ。彼女は高校途中から関東に移ってるが、身内知り合い友人知人は兵庫・大阪に多々いただろう。心配だっただろう。気になっただろう。そして豊川悦司も大阪府の八尾出身だ。八尾の辺りは震災の影響はそれほどなかったところだが、やはり身内知り合い友人知人は兵庫・大阪に多々いただろう。
そんな兵庫と大阪出身の二人が、東京を舞台に演技をしているってちょっと不思議。
あ、東京行った時に、ドラマの聖地巡礼ってロケ地に行こうとしたんだが、東京の友達に「あれ上野公園よ」って言われ連れて行かれたのだが、どうも景色が違う。画面で見るのと実際は違うのかなぁと思って、また違う奴に聞いたら「上野とちゃうよ、井之頭やで」(大阪弁ではなかったと思うが)って。今ならこんなこともwikiやGoogleですぐわかる。便利な時代になったけど、人に聞くとか尋ねるってコミュニケーションは希薄になってしまったな。
ちなみに兵庫県は美人・可愛い子ぞろいだ。
不倫ブームと兵庫県女の結婚ブーム
でも書いたが、兵庫県は北川景子、藤原紀香、相武紗季、上野樹里、平愛梨、松下奈緒、戸田恵梨香、有村架純、松井玲奈、能年玲奈・・・。そして芦田愛菜ちゃん。
兵庫県、かなりの美人県である。
確かもうすぐ麻生祐未と同時くらいに生瀬勝久が出てくるはずだ。生瀬勝久も兵庫県西宮市出身だったな。
楽しみだ。
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