GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

アパルトヘイト-2 シークレットポリスマン

2015-02-21 05:02:46 | MUSIC/TV/MOVIE
アパルトヘイト。
しつこいようだが、日本人には無縁の黒人差別問題。カラードの差別や隔離をする気も無いが、そもそもアパルトヘイト自体がよくわかってない。

それを実証できるのが、この一枚のCD。
1987年のシークレット・ポリスマン・サード・ポール。
このアルバムタイトルはイベント名なんだけど、さぁ何人の人がこのイベントやCDを知ってるだろう。余程マニアな音楽ファンしか知らないと思う。殆ど日本では知られてないこのチャリティ、メッセージイベントはアパルトヘイトの反対運動に連動して開催された。
参加ミュージシャンは超豪華。DURAN DURAN、ルー・リード、ブームタウンラッツのボブ・ゲルドフ、ジェネシスのピーター・ガブリエルやフィル・コリンズ、ケイト・ブッシュ等。
淙々たる豪華メンバーで開催されたこのイベントのCD(DVDも後に発売された)だが、このアルバムが日本で殆ど売れてない(知られてない)事で、日本人がアパルトヘイトを「していない」「興味が無い」及び「よくわからない」事がわかると思う。
今回の曽根氏のコラムで喚いた奴らはこのCDの事知ってるのかな?

1981年に開始されたシークレットポリスマン・アザーポールが開催された頃の日本の音楽業界は、チャリティーイベントには全く興味がなかった。(と思う)。理由は儲からないからか?そして多分当時の日本の音楽産業はレコード会社やレーベルの壁がかなりあったから。(YMOの海外ツアーライブLP「PUBLIC PRESSURE」の渡辺香津美のギターがカットされたのも、このレーベル問題が原因)

1984年のバンド・エイド、1985年のUSAFor Africa/Wre are the World、そして1985年のライブ・エイドといった巨大チャリティイベントが開催され、チャリティビッグイベントがレーベル枠を超えて次々と実現した。
でも、バンド・エイドやUSA For Africaでさえ、主旨であるアフリカやエチオピアの飢餓問題とかは、日本の音楽ユーザーにはいまいちピンとこなくて、ただのMTVでよく見るビッグアーティスト達の共演、ってくらいのイメージだっただろう。
ましてやアパルトヘイト問題を主旨におこなわれた「シークレット・ポリスマン・サード・ポール」。
ビッグネームが名を連ねるイベント好きの日本人(サマソニやフジロックでもわかるように)でも、このイベントだけはいまいちピンとこなかったみたいだ。そりゃそうだ、日本人に黒人差別/住居隔離問題は無縁だったから。遠い空の下の出来事。

日本でも1987年、レーベル枠を初めて超えたイベント、「HIROSHIMA PEACE BARD」が開催された。
佐野元春、南こうせつ、大友康平、世良公則、DIAMOND YUKAI、桑名正博、ブルーハーツ、玉置浩二、尾崎豊等が参加したこのビッグイベント。

多数の売れっ子アーティストがレコード会社、レーベル枠を超えて多数参加したこのイベントは、1987年『WOWWOW WOW」1988年『平和がいいに決まってる」1989年「正義の味方に気をつけろ」ってCDになって発売されたが、全く売れなかった。


そう、その頃の日本の音楽産業は、儲からない事に何も興味がなかったの。(今も変らないけど)

ちなみに1989年発売のブルーハーツのシングル「青空」でアパルトヘイト問題を唄っている。(B面の平成のブルースも同様)
でも、ブルーハーツのファンもアパルトヘイト問題をよくわかってなかったし、音楽業界も敢えてこの曲はクローズアップしなかった記憶がある。
そんな日本において、そもそも存在しないアパルトヘイトをわざわざ今更無理矢理問題提起してる、団体の方が意味が分からん。
正義を振りかざす。何がしたいのかわからんが、少なくともこいつらはこれらのCDや曲さえ聴いた事もないはずだ。
反論あるならこれらを聴いてから言ってみろ。




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