徳丸無明のブログ

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RIZIN.33 観戦記

2022-01-02 23:23:33 | 雑文
コロナの影響で海外の選手を招聘することが難しくなり、そのぶん国内の、おもにマイナー団体を主戦場としていた選手へのオファーが増える状況が続いていた昨今。それは無名の選手が名を上げるチャンスであり、日本の格闘技界を底上げするという意味では望ましい傾向ではあったのですが、なにぶん知名度が低い顔ぶればかりとあっては、一般視聴者に対する訴求力が乏しいため、地上波放送なしの大会が続いており、結果、長らく観戦記もお届けすることができずにいました。試合はYouTubeのRIZIN公式チャンネルでチェックしてはいたのですが、ブログの観戦記は地上波ありきだと思っているので、書かずにいました。今回ひさびさの観戦記です。


朝倉海 vs 瀧澤謙太・・・海は「お客さんの期待に応えなきゃ」とか、「KOで盛り上げなきゃ」とか意識しすぎるから、それが悪いほうに働いてしまう、みたいなことを話してて、その反省があったのか、この試合は確実に勝ちを収めにいきましたね。もっとハデに打ち合っていたら瀧澤にもクリーンヒットのチャンスがあったでしょうが。
手堅く勝ちに行くのは戦略として当然アリなんですけど、でもそれやっときながら試合終了直後に大喜びでアピールするのはダサいよ。

扇久保博正 vs 井上直樹・・・心情的に勝ってほしいのは扇久保だけど、格闘技界の今後を考えると井上に勝ってほしいという悩ましさを抱えていました。3Rしか観れなかったので、ほとんど何も言えないんですけど、井上みたいなモンスターでも攻略のしようがある、ということですね。

三浦孝太 vs YUSHI・・・大晦日向け、お茶の間向け、大衆向けの話題先行カード。キングカズ・三浦知良の息子が参戦。これも必要悪。でも入場曲が「男はつらいよ」なのはカンベンな!YUSHIのセコンドは反社にしか見えない。
和田レフェリーが出血の確認したのをストップと勘違いしてフロントチョーク外しましたね。でもそこから再び入るという、YUSHIのガードの緩さ。ヌルッとした動きの三角絞めも入ってましたね。
正直相手が相手なだけに、この結果をもって孝太選手の実力を計ることはできませんが、格闘技に対する姿勢は本物のようですね。ですがこのままRIZINに出続けるのは難しいのではないかと。修斗かパンクラス行ってイチから始めたほうがいいかもしれません。
最後に冗談をスルーされてたケンコバに笑いました。

皇治 vs YA-MAN・・・試合内容パッとしないのに、打たれ強さはあるから決定的な負け方をしない皇治。YA-MANが引導を渡すくらいボコボコにしてほしかったけどそうはならず。皇治、これからもしぶとくRIZINに出続けるのでしょうか。シバターの対戦相手という枠がまだ残ってはいますが。

シバター vs 久保優太・・・去年の大晦日に、「シバターは数字を稼ぐ」ことを学び、味を占めましたね。サラちゃんは小林幸子を意識したのでしょうか。
白眼視されがちなシバターですが、この内容を鑑みるに、真面目にずっと格闘技に取り組んできたんでしょうね。これで次の大晦日も確定でしょう。久保、勝つまでやるの?嫁とセットでお笑い要員としてならまだ需要があるかもしれません。
増殖する炎上軍。次に加入するのはサラちゃんですね。

RENA vs パク・シウ・・・1Rにパクがコーナーに押し込んだ時に頭突き入れてたのに反則とられませんでしたね。RENAはもうひととおり戦ったろうから、またベラトールに挑戦したらどうでしょう。

那須川天心 vs 五味隆典・・・榊原CEOは12月に何度も記者会見を行い、そのたび天心武尊戦の実現を匂わせ続け、ほとんど「天心武尊戦あるかも詐欺」状態になっていました。チケットやPPVを売るためとはいえ、だいぶアコギだったのでは。この試合は天心を出場させるための強引なマッチメイクという印象はぬぐえませんし、五味の格闘家人生をこんな形で消費してほしくはないのですが、大晦日にTHE MAD CAPSULE MARKETSのSCARYが聴けるだけでも心震えます。しかし明らかに体絞れてない五味。
試合内容は、ピークを過ぎてるとはいえ、さすが五味隆典、といったところ。天心が加減していた可能性もぬぐえませんが。
それよりなにより、マイクパフォーマンスが長い!長すぎる!たしかにこの2人は特別な存在です。五味はレジェンドで立役者。天心はスターで看板選手、しかも今回で卒業。しかしだとしても、あまりにも長すぎる。こういうとき生放送だと地獄だなって思うんですけど、一般の視聴者には試合よりマイクパフォーマンスのほうがウケるのかもしれません。
6月の天心武尊戦は別イベントとして開催されるってことね?大会名は「天尊降臨」で決定でしょう。

斎藤裕 vs 朝倉未来・・・未来はこの試合に負けたら引退するおそれがあったから、これでよかったと言うべきか。斎藤の今後も気になるところですが、年明けにクレベルが牛久とタイトルマッチやるとして、その勝者、たぶんクレベルと未来がタイトルかけて再戦になりますかね。なんか未来の思惑通りに事が運んじゃってますね。タイトル挑戦とリベンジが同時にできるわけですから。
しかし今回の未来の髪型はカッコ悪い。前の編み込みはよかったんですけどね。

ホベルト・サトシ・ソウザ vs 矢地祐介・・・いつまでたってもブランニューヤッチ君。ほぼ何もできずに完敗した前回を考えれば、いくらか戦えるようにはなってるかもしれないけど、どのみち負けるのだろうと思ってました。だから結果は予想通り。まあ善戦したんじゃないでしょうか。
青木真也が矢地にソウザ対策を教えていたことから、RIZINの直前番組で、「矢地が負けたら青木が敵討ちに乗り出さないか」って話が出たんですけど、榊原CEOは「青木はめんどくさがるでしょう」って答えてたんですよね。でもたぶん、青木のほうがめんどくさがってるのではなく、運営側が青木のようなへそ曲がりと交渉するのがめんどくさい、というのが本音なのではないでしょうか。
ソウザのベラトール参戦に期待。これだけの実力で国内にとどまっているのはもったいないですからね。

朝倉海 vs 扇久保博正・・・何年かぶりの赤いきつねと緑のたぬき。今回もきつねの負け。
扇久保は判定決着が多いことを批判されがちですが、これがMMAなんですよね。トータルにMMAを駆使した勝利と言えるでしょう。
扇久保のトレーナーの鶴屋さんが、たしかゴン格で「言い訳になってしまうが、前回の海戦の時の扇久保は本来の扇久保ではなかった。万全な状態なら勝てる」って言ってて、僕は内輪びいきもあって言ってるんじゃないかと思ってましたけど、宣言通りになりましたね。海の打撃の恐ろしさを感じさせない試合運び。おかげで気分よく年越しさせてもらえました。結果が出てから言うのもなんですけど、今回のおぎちゃんは、ほかの3人と違うスイッチ入ってましたね。
優勝してのプロポーズという、あまりにもきれいなエンディング。リング上のプロポーズはランペイジ以来か。
おぎちゃんはベラトールに行くのでしょうか。というか、行ってほしい。ベラトールのバンダム級ワールドグランプリに、リザーバーで参加とかできないのでしょうか。
運営とフジテレビはわかりやすい試合をするストライカーの海に優勝してほしかったのかもしれませんが、海は優勝したら海外に行っちゃってたはずです。これで当分RIZINに出続けてもらえるわけですから、結果オーライというか、負けてよかったんじゃないでしょうか。
しかもおぎちゃんがベラトール行けば、強いんだけど地味で数字取れない選手を都合よく放出できることになる・・・あまりにもうがった見方でしょうか。おぎちゃんの試合もちゃんと観れば面白いんですけどね。KOとか一本とかの、わかりやすいフィニッシュを求める人は退屈だと感じてしまう。もっとみんなに格闘技リテラシーがあればおぎちゃんも人気者になれるのに。
海は次の試合、井上とお願いします。

浜崎朱加 vs 伊澤星花・・・伊澤の寝技は青木真也に通じるねちっこさがある。動きを封じておいて徹底的に打撃を加える容赦なさも。
浜崎も年齢が年齢だし、そろそろ世代交代ってことですかね。伊澤は次、パク・シウとどうでしょう。

萩原京平 vs 鈴木博昭・・・こんなダイジェストなら放送しないほうがマシ!というか、煽りV流す時間あったらそのぶん試合放送してくださいよ。
鈴木はMMA転向が遅かったのが悔やまれる。キャラは立ってるから、このまま出続ければ人気者にはなれるでしょう。ポスト北岡悟ですね。

祖根寿麻 vs 太田忍・・・太田は「MMAやる以上はトップを目指す」って言ってましたが、その可能性が見えましたね。他競技からの転向者は、期待を持たれるだけ持たれて、イマイチな結果とともに消えていくことが多いのですが、太田はまだ期待できます。トランクスの金色にふさわしい選手になることを祈ってます。

シビサイ頌真 vs 関根“シュレック”秀樹・・・もうシュレック年齢的にアウトだろ、プロレスラーの意地を見せるのが精一杯だろって思ってましたけど、勝ったんですね。次はスダリオ?

武田光司 vs “ブラックパンサー”ベイノア・・・ベイノアは本気でMMAやっていくつもりなんでしょうか。メインで目指してるのはお笑い芸人。格闘技のバックボーンは極真空手。だからMMAは第3の道ですよね。なんならMMA一本に絞ってはどうでしょう。


生中継5試合は多い。余計な間が多すぎる。
最近榊原信行CEOの選手に対する中傷が気になるというか、目に余ります。これを黙認していればワンマン経営に拍車がかかり、独裁体制になっていくかもしれません。経営者としての苦労もいろいろあるのかもしれませんが、選手には最低限の敬意を払っていただきたいものです。あと、来年は外国から選手を呼べるようになるといいですね。
それではアントニオ猪木のさらなる回復を祈って、ご唱和ください、7!8!9!ジュ~~~~~!