徳丸無明のブログ

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ブルボン チーズおかき

2022-07-29 23:25:49 | 
今日は穴開きおかきです。




チーズおかきと言えば、フットボールアワーの「ハゲとるやないかい」が思い起こされますね。
これはフットのお約束ギャグでして、のんちゃんが何か失態を犯した時に、「すみません」と言って頭を下げると、頭頂部が見える。そこが円形脱毛になってるので、後藤が「ハゲとるやないかい」とツッコむんですね。
そこからさらに、たとえツッコミが追加されることがありまして、「旅館のゴミ箱か」みたいなたとえが繰り出されるわけです。ある時、なんの番組だったか、麒麟の川島が「チーズおかきみたい」って指摘したことがあって、後藤が「そのたとえ思いついたことなかった」って悔しがってたんですよね。遠い日の思い出です。
しかしこういうハゲいじりってのももうNGになっちゃったんでしょうかね。最近ルッキズムがやかましいですからね。「見た目を笑いものにするのはよくない」って。
今ちょうどシシガシラってコンビがハゲをネタにした漫才で頭角を現しつつあるんですけど、ルッキズムによってブレイクのチャンスを潰されてしまうかもしれません。もう少し世に出るのが早ければねー。
相席スタート・ケイちゃんの「ちょうどいいブス」も自称なのに使えないんでしょ。最後の見た目いじりギャグって、ぼる塾・田辺さんのブサイク発言に対する「はい出たー、好きな子に意地悪するタイプー」ってやつでしょうか。
これらの規制でいじめやハラスメントが減るのであればいいことなのでしょうけど、芸人の武器ががぜん減ってしまいます。
「痛みをともなう笑い」の規制によって失われたものも大きいですよね。どつき漫才もできなくなってしまうのでしょうか。カミナリはスタイルを大幅に変更せねばならなくなるかもしれません。オードリーももう頭叩いてませんからね。
今年の「笑ってはいけない」はどうなるのか。別に罰ゲームって叩いたりとか、痛いものである必要はないので、痛くない罰にすれば番組続けられると思いますけどね。

またもや思い出話をします。何度も話してる、イベント運営のバイトの思い出です。
福岡ドームで野球の試合があった日は、開場中の接客だけでなく、試合終了後の清掃作業も追加で行うことができました。僕は日銭を稼ぐため、ほぼ毎回清掃まで入っていました。
清掃には、ささやかな楽しみがありました。それは、お金ひろい。
スタンド席には、よくお金が落ちていたのです。野球場には、ビールとか弁当とかの売り子さんがいますよね。お客さんがビールなどを買う際、うっかりお金を落っことしてしまうことがあるのです。
スタンド席は段々になってますので、硬貨を落とした場合、下のほうに転がって行きがちです。見つけられることもありますが、ほかのお客さんやら荷物やらがあると、どこに行ったかわからなくなってしまう。
そのため、スタンドにはけっこうな割合でお金が落ちていたのですね。ゴミをひろっている最中に、ふいに見つける100円玉。大した額じゃないけど、銀色の光がなんとも言えず快感でした。
最高額は2000円でしたかね。折りたたんだお札があって、1000円札かなと広げてみたら、2枚重ねになっていたのです。
僕はひろったお金を貯金していたのですが、塵も積もれば山となるで、長く勤めるうちにけっこうな額になり、貯まったお金で8000円の本を買うことができました。都築響一さんの『賃貸宇宙』という写真集です。いい本ですよ、オススメです。

清掃中は、お客さんが忘れていったものを見つけることもあります。忘れ物の中には、未開封の食べ物なんかもありました。
財布やケータイや傘などといった物品は、当然落とし物として保管するんですけど、忘れた食べ物を受け取りに来る人はまずいないし、ものによってはすぐ腐ってしまうので、これらを見つけた場合は自分のものにできます。
袋入りのお菓子なんかは安全なので、よくありがたくいただいてました。弁当にチャレンジしたこともあります。もちろん未開封のやつですよ。弁当は特に消費期限が短いんで、「お腹壊すよ」って注意されましたけど、大丈夫でした。レジ袋に20~30本ほど入った缶ビールを見つけたこともあります。
ある日、大収穫がありました。大量のちくわを見つけたのです。そのちくわは、ドーム内で売られてる、ハリーホークのイラストが付いたやつで、たしか1本300円ほど。おつまみ用の大振りのちくわで、けっこうおいしいんです。
それがレジ袋に30本ほど入っていたのです。お宝発掘です。これで2,3日は優雅な暮らしができると、ちくわの袋を回収し、清掃用具室に隠しておきました。
ところがですよ。清掃が終わってちくわを取りに行くと、大量にあったはずのそれが、3,4本ほどになっていたのです。
誰かが盗みやがったのです!清掃に入ったほかの誰かが!
食べ物を見つけたら自分のものにできる、というのが職場の暗黙のルールでした。しかしそれは、「客席で見つけたら」という限定付きの話です。
客席であれば、お客さんが忘れていったものです。ですが用具室は、自分たちしか入ることができない場所。だからそこにあるものは、ほかの清掃員がひろって保管しといたものでしかあり得ないはずです。
そんな簡単なこともわからないアホが、僕のちくわを盗みやがったのです!
そのアホは、ちくわを見つけるや、「やったー、ちくわだー、おいしそうだー、大儲けだー!」と興奮したのでしょう。ほかの従業員が置いたのではないかと推測することもなく。なぜちくわが用具室にあるのかと疑問を持つこともなく。
そして恥知らずにも半数以上のちくわを持ち去ったのです。己の欲望のままに。
僕は犯人を捜しました。しかし清掃に入る従業員は50~60人ほどいます。それに気がついたときには清掃はほぼ終わっていたため、すでに帰っていた者もおり、結局逮捕には至りませんでした。事件は迷宮入りしたのです。すでに時効成立です。
ですが僕は忘れていません。時効は成立しようとも、罪は残るのです。贖われることのない罪は、永久に残る。犯人は一生十字架を背負って生きていかねばならないのです。
しかし、本人はその罪を自覚していない。犯人は、今もどこかでぬくぬくと暮らしているのでしょう。
許すまじ、ちくわ泥棒。