徳丸無明のブログ

雑文、マンガ、イラスト、その他

2020年を振り返りつつの

2020-12-31 17:00:14 | お知らせ
皆さん、こんにちは。いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。
大晦日ということで、年末のご挨拶をさせていただきます。
今年はどんな年だったか。実生活はともかく、ブログでは新型コロナに明け暮れた1年でしたね。
週1のペースで「食」の記事の中でコロナについていろいろ書いてきました。あとでまとめて読み返したら、読み物としてはそこそこ面白いものになっているんじゃないかな、という気がします。記録としてはたいした情報性ないですけどね。

それからずっと目指してきたアクセスアップ・・・。これはね、もうどうにもならない。
自分じゃ面白い記事ができたと思っても増えない、小細工に八方手を尽くしても増えない。んじゃもう知らん!見たい人だけ見てくれや!っていう投げやりな心境です。
手広くやるより小商いのつもりで、顔の見える範囲の人々に対する気配りを忘れない、という心掛けでやっていったほうがいいのかもしれませんね。

僕は2年前の12月31日のお知らせに、「もうすぐマンガのネタのストックが尽きてなくなる。たぶんあと1年以内」と書きました。さらに去年の12月31日のお知らせに、「1年ネタが持った。でも来年中にはなくなる」と書きました。そして現在、まだネタのストックは尽きておりません。
そんなわけですっかり狼少年状態、もしくは「マンガ終わる終わる詐欺」の首謀者状態の僕ですが、3度目の正直というか、今度こそ本当に終わりが見えてきました。いや、愛読してくださってる方にとっては終わらないほうがいいわけだから、よくない知らせなんでしょうけど、しかし前にもお話ししました通り、始まりあれば終わりもあるのは仕方のないことです。
っつーわけで今度こそ、来年中にマンガのストックはなくなります。それまで1本1本を味わって鑑賞していただければ幸いです。
ただ、マンガが終わってもブログが終わるわけではありません。ますます細々とした更新になるでしょうけど、ブログ自体は続きます。マンガ以外もご興味ありましたらお付き合いください。

僕はこれからRIZIN観ます。年明けにはやはり観戦記を公開予定で・・・ってこれも何年目ですかね。ご興味ありましたらお越しください。元旦早々からの暇つぶしをご提供いたします。

それでは、よいお年を。

すぐる ビッグカツ

2020-12-26 21:46:34 | 
今回はおかずにしようと思えばできなくもないビッグなすり身のカツです。




今日は音楽について語りたい気分ですね。音楽の、それも流行歌。今の流行りと言えば瑛人の「香水」。いや、ひょっとしたらもう流行は過ぎてるのかもしれませんが、とにかくこの「香水」について話をします。
若い世代を中心として大ヒットしている「香水」。しかし僕自身は、この「香水」には、どうしようもなく恥ずかしさを感じてしまうのです。とても聴いていられない。
なぜ恥ずかしいのか。それは、歌詞の中に「ドルチェ&ガッバーナ」という単語が入っているからなんですね。

太平洋戦争の敗戦以降、日本にとって欧米は、仰ぎ見るべき文明先進国でした。日本は欧米よりも劣っており、一刻も早く欧米にキャッチアップせねばならない。それが日本国民の自意識でした。
そんな戦後の日本にとって、欧米の高級ブランドはまばゆい輝きを放っていました。それはオシャレそのものの象徴で、それらを購入し身に着けることが、少しでも欧米に近づくということを意味していました。同時に、欧米コンプレックスを解消する働きも担っていたはずです。
その後高度経済成長を経て、経済力では欧米に肩を並べ、さらには追い抜きます。そのまま日本はバブル経済に突入。
この辺から日本人の高級ブランド「バカ買い」が始まります。コンプレックスの対象を、金にものをいわせて買い漁ることで、まるで敗戦の復讐をはたさんとするかのようでした。
この時期においての、日本にとっての高級ブランドというのは、あこがれの対象というよりは、他者との差異を演出するためのステイタスになっていたように思います。
つまり、敗戦後からバブル崩壊までは、欧米の高級ブランドは、カッコイイ記号であったのです。
しかし、バブルは崩壊しました。金におぼれ、金に狂い、金こそがすべてであったバブルの狂騒が、とたんに馬鹿げたものに思えてきたのです。それは自分たちの拝金主義を反省的にとらえ返すのみならず、盲目的に素晴らしいものとみなしていた高級ブランドに対する意識も変革を促された、ということです。
敗戦後からバブル崩壊まで、高級ブランドはとにかくカッコよかった。だから、歌詞の中に高級ブランドの名前を入れ込むのも、曲のハクづけになったし、リスナーもそれをオシャレな歌として屈託なく受け止めていました(実際に歌詞の中に高級ブランドの単語が入ってる曲がどれほどあるのかはよく知らないのですが)。ドルガバもまた、オシャレなフレーズでありえたのです。
しかし、バブル崩壊でその価値観が180度変わります。曲の中に高級ブランドの単語が入っているのは、オシャレなどころか、戦後の欧米コンプレックスとバブルの狂騒を思い出させてしまう恥ずかしいものと認識されるようになったのです。

僕は1980年生まれです。バブルのころはまだ子供で、その恩恵を直接受けたわけではなく、膨れ上がる経済に狂ったのでもない。でも、その空気はなんとなく知っています。だから、バブル当時の恥ずかしさも理解できる。
そんな僕にとって、「ドルチェ&ガッバーナ」という単語を含む瑛人の「香水」は、過去の恥ずかしい記憶を呼び起こさずにはいられないのです。僕と同世代、および上の世代の人たちであれば、この感覚をある程度共有してくれるはずです。
しかし、「香水」を支持しているのは、大半がバブル以降に生まれた世代。彼らは経済成長を知らず、経済が停滞しているのを自明のものと理解している世代です。
そんな彼らにとって、「ドルチェ&ガッバーナ」という高級ブランドの単語は、コンプレックスをかかえていた日本の過去を呼び覚ますのでもなく、金におぼれたバブルの狂乱を連想するのでもなく、なんの意味合いもないフラットなフレーズとして享受されているはずです。いくらかオシャレな響きを感じてはいるのかもしれない。でも基本的には「ニンテンドースイッチ」や「インスタグラム」なんかとほとんど同じな、日常を彩る様々な文物のひとつなのです。
ポストバブルの世代にとって、「ドルチェ&ガッバーナ」には、特別な響きは込められていない。だから80年代生まれの僕のように恥ずかしがることなく、純粋に「香水」を聴くことができるのです。
「ドルチェ&ガッバーナ」というワードに、恥ずかしい記憶を呼び起こされずにはいられない80年代生まれの僕と、なんの恥じらいもなく朗々と「香水」を歌い上げることができるポストバブル世代の若者たち。ここに世代感覚の差・経済観念の差・ナショナルアイデンティティの差が表れています。

「バブルも遠くなりにけり」。「香水」のヒットに、僕はそんなことを思うのです。


ここで新型コロナウイルス関連身辺ニュース、および雑感。
コロナの影響で仕事がなくなったJALの職員が出向する、というニュースがちょっと前に流れてましたよね。なんでJALの出向を他業種は受け入れるんだ?大企業ばかり優遇されてないか?という疑問が抑えられないのですが、福岡でも21日に出向の話が出まして。
宗像市の宗像大社っつー神社で、正月の間、JALの女性職員が巫女さんとして働くことになったのだそうです。JALが巫女っていうのがなんか笑っちゃったんですけど、CAやら巫女やらに変な幻想抱いてる人にはたまらないニュースかもしれませんね(JALの職員=CAではないんでしょうけど)。

ワクチンを優先的に供給する対象の中に、BMI30以上の肥満の人を含めるべきとの意見が出ています。まず最初に優先者として挙げられていたのが医療従事者・保健所職員。次いで来年度中に65歳以上になる高齢者。その次に基礎疾患がある人でした。
ここまではまあ順当ですよ。しかし肥満・・・。
なんでも肥満の人は重症化しやすいそうなんですけど、これどういうふうに呼びかけるんでしょうね?「デブの人ー、ワクチンあげるから手を上げてくださーい」って言うんですかね?「俺はデブじゃねー。ワクチンの優先なんていらねー」って断られたらどうするんでしょうか。それでもなお「お前はデブだ。いいから打て」と迫るのか。
なんかいろいろ考えちゃいますね。

メディアで報じられてる感染者数のデータをよく見てみると、県によっては1日あたりの感染者数が0とか一桁だったりする所も多く、そういう所は1日の最多感染者数もせいぜい10人台か20人台程度のようです。
なんか毎日コロナコロナって言ってるから日本中で大騒ぎになってるような感覚に陥りますけど、感染者数の少ない地域ではそうでもないというか、温度差があるのではないでしょうか。
これって、「中央と地方」の問題でもありますよね。たとえば築地市場の豊洲移転も、東京にしたらけっこう深刻な問題だから頻繁に報じられてましたけど、地方にしたらほとんど無関係の、どうでもいいことです。なのにメディアは東京に集中してるから市場の移転問題を多めに取り上げる。「中央の話題に地方が付き合わされる」という図式がそこにはあったわけですが、コロナにもそれと同じことが言えるのかもしれません。
福岡は一応都会ですので、東京とほぼ同じ危機意識を共有しています。でも一方で、「たしかにコロナ大変だろうけど、ウチはそうでもないよ」っていう地方はけっこう多いのではないでしょうか。

それからクラスター。学校・職場・病院・介護施設など、最近では毎日のようにどこかでクラスターが発生しています。
で、これはどこの国でも普遍的にみられる現象なのかわかりませんけど、日本では昔から、加害者ではなく被害者を非難するという風潮があります。そのため、自粛警察のたぐいの人たちが、クラスターが発生した施設に「何やってんだ」と苦情を入れるという、情けない光景が生まれています。
しかしこれだけクラスターが多発すると、苦情のほうが追いつかないというか、数が多すぎていちいち苦情言ってらんねーってなってるでしょうね。苦情が完全になくなることはないにしても、クラスターが発生するだけ苦情が分散されるから割合は少なくなる。クラスターは忌むべきことですけど、苦情や嫌がらせが起きにくくなるという意味では望ましい・・・。なんとも悩ましい問題ですね。

M‐1グランプリ2020 感想

2020-12-21 22:33:02 | 雑文
九州でも冷え込みが強まってますが、地域によっては大雪が降って大変なようで、皆さんいかがお過ごしですか的なM‐1の感想文です。
コロナ禍での開催となった今大会。エントリーした芸人の中では祇園がコロナ感染で敗者復活戦に出場できなくなってしまいました。
あと、お笑い賞レースの感想記事、これまではタイトルを「寸評」にしてましてけど、徐々に文章量が増えてきて、ちっとも“寸”評じゃなくなってしまったので、今回から「感想」と表記することにしました。どうでもいいですか?

ちょっとだけ前回の話をさせてもらいますけど、去年のM‐1、ミルクボーイが史上最高得点を記録して優勝しましたよね。もし彼らがある程度の売れっ子だったらどうでしょう。ミルクボーイがすでにいくらかテレビに出ていて、彼らのスタイルが「~である、~でない」を反復する漫才であるということを世間に知られていたらどうだったでしょう。
もしそうだったら、あまりインパクトを及ぼすことなく、ほどほどの評価で終わっていた可能性があります。前回のミルクボーイ優勝は、去年のM‐1の時点でミルクボーイがほぼ無名であったからこそ起こりえたことなのだと思います。
このように、優勝には多分に運によるところがあるのです。今年はどうだったでしょうか。

個別の感想は以下の通り。まずはファーストラウンドから。


インディアンス・・・史上初の敗者復活トップバッター。やっぱこのコンビは田渕にひたすら好き勝手やらせるのが一番なんでしょうね。好き勝手しつつも適度にツッコミで引き戻されてバランスをとる、というかんじ。きむの言い間違いをアドリブで拾ってるように見せかけて、実際は計算でやってる。「何見とんねんコラ」のハモリが特によかったです。
中川家礼二が言ってた「去年は無理矢理ボケてる感があった」というのは、田渕の底抜けに明るいキャラゆえですね。おそらく、無理してキャラ作りしてきたのではないでしょうか。しかし場数をこなす中で、徐々にキャラがこなれてきたというか、田渕がキャラを自家薬籠中のものとしてきたということなのでしょう。

東京ホテイソン・・・一応第7世代に属する東京ホテイソンですが、なんかあんまり第7っぽくないというか、ほかの第7と比べてネタにストイックなイメージがありますね。
謎解きがけっこう難しいというか、口で説明してるだけでは答えが出せないので、観客は自分で考えることができず、たけるのツッコミによって答えを知ることになります。ツッコミっていうのは基本的に「望んでいることを言ってもらう」ものです。ボケに対して観客が言いたいことを代わりに言ってもらう。もしくは、ツッコんだ時点で「それが言いたかったんだよ!」と思えるような言葉を言ってもらう。それがツッコミです。
しかし謎解きの正解がわかっていないため、このネタでのたけるのツッコミは「望んでいた言葉」ではなく、「ああそれが正解なんだね」という確認になってしまっている。それが笑いの起きにくさにつながってしまったのだと思います。技術の高さは感じますが、技術をある程度犠牲にしてもわかりやすさを確保しないと、笑いが生まれる余地がなくなってしまいます。なので僕の意見はオール巨人とほぼ同じです。それとフワフワクレープという登場人物が、ネタ全体に関わってるわけでも伏線になってるわけでもないので、必然性がないですね。
ところでショーゴの体がでかくなってるように見えましたが、気のせいでしょうか。

ニューヨーク・・・軽犯罪や倫理・道徳に反することを立て続けにやらかすというネタ。これは「著名人は些細なことでもSNSなどで叩かれる」という今の時代だからこそ特に面白く感じられるネタですね。「確かに悪いことはよくないけど、だからっていちいち鬼の首取ったみたいに大騒ぎするのはどうなの?」という、社会全体に対する皮肉になっています。最後のエピソードで、良いことと悪いことを交互に繰り返すのは、「人間は善でも悪でもない」というメッセージのようにも聞こえる。屋敷がツッコミながら後ずさるのが少しわざとらしいかんじ。
ADさんなのか、嶋佐の足元にずっと頭が映ってたのが気になりました。

見取り図・・・問題行動ばかり起こすマネージャーのネタ。見取り図ではこれまで見たことないコント形式。しかし問題行動がけっこうベタで、タレントに対して偉そうというのもありがちなパターン。名前がエミネムならヒップホップっぽいことやればよかったと思うんですけど、ただ名前が変わっているというだけ。赤外線をくぐるのも唐突すぎ。見取り図はよく伏線回収を行いますけど、今回の「無意識でやってしまいました」は入れ方がうまくて、今までで一番よかったです。

おいでやすこが・・・R‐1ぐらんぷりが来年から表記を「R‐1グランプリ」と改め、参加資格も芸歴10年以下に変更されました。よっておいでやすもこがけんも来年からR‐1にエントリーできなくなります(この変更、ピン芸人にはけっこう衝撃的だったみたいですね)。
パワーバランスは8対2。歌ネタが得意なこがけんに、怒鳴り散らすネタをやり続けてきたおいでやす。結成10年のコンビのようにコンマ何秒の単位で息を合わせることはできないから、それぞれの長所を生かしつつも、おいでやすの怒鳴りツッコミで引き回すというスタイルを選んだのだと思います。
個人的には直截的なツッコミあんまり好きじゃなくて、言葉をひねってほしいのですが、知ってるようで知らない歌に対するツッコミとしてはちょうどいいのかもしれません。おいでやすはだいぶオーバーアクションでしたが、この怒鳴り声ありきであればわざとらしくない。最初のやる気のない表情が、怒鳴りだすまでの温度差を作り出すことに成功している。「壁に向かって歌え」「歌うな」のところのやり取りが、なんか唯一コンビっぽく感じました。
ナイツ塙が「強いツッコミがあれば歌のボケはなんでもいい」って言ってたけど、とんでもない。こがけんの「知ってるようで知らない歌」の作りが絶妙だからこそ怒りの叫びに説得力が出てくるんですよ。
いやしかし1位でファイナル進出とは。軽く見てました、すみません。

マヂカルラブリー・・・マヂカルの定番の、野田が暴れて傍観者の村上が解説ツッコミを入れるネタ。走って飛び込み入店するという一番最初のボケで一気に笑いを沸点までもっていきました。そこはすごかったのですが、そのまま尻すぼみ。どんどん笑いが弱くなってしまいました。最初の爆発の貯金で逃げ切ったという印象です。

オズワルド・・・最初に名前を2回言うのはちょっとおかしい。まずは挨拶だけ。それから自己紹介にすべきでした。伊藤がけっこう声をはるようになってましたね。脱‐脱力系?「雑魚寿司」という単語はよかったですね。検索ワードの急上昇になったでしょうか。畠中が「聞いて」って言って口笛拭くのが意味不明だし笑いにもなっていない。ネタの構成のうまさは相変わらず。

アキナ・・・山名の表情がうるさくなってましたね。それで時々品川祐に似てる瞬間がありました。女の子に好かれたくて空回りするというネタですが、空回りするというのはつまらなくなるということなので、何かもっと工夫を入れないとただ単につまらないやり取りを見せられてるだけになってしまいます。その工夫が足りなかったかな、というのが正直なところ。テンポはすごくいいというか、腕が上がっているのは感じました。

錦鯉・・・奥歯が8本ないというのがいかにもダメ人間の表れっぽい長谷川。ジャケットの袖が短いのが気になりました。得意のギャグを活かすためにパチンコという設定にしたんですね。とにかくおバカなネタですけど、いい歳こいた大人が全力でおバカをやるという突き抜け感が笑いを生んでいるのかな、という気がしました。やっぱり個人的に好きになれないんですけど、笑いなんてこんなもんでいいんだよ、という生き様を見せられたように思います。歯が少ないせいか、長谷川のセリフがところどころフガフガしてましたね。
オール巨人が「漫才適齢期」という話をしてましたけど、錦鯉は年を取るほどおバカが際立って面白くなっていくのではないでしょうか。

ウエストランド・・・入場前に井口が同じ事務所の先輩のマネしてましたね。裏口入学はしていなかった爆笑問題の太田光、もとい伊勢谷友介には届いたでしょうか。
最初の「そろそろ不倫したい」というボケがウケなかったので、イヤな予感がしました。井口がひたすら女の子に毒づくというネタ。しかし普段から感じてる不満をそのまま言ってるだけで、弱かったですね。もっとひねくれた毒を吐いてればよかったと思います。「いないよ」と「復讐だよ」の繰り返しはよかったですね。「いびつな形のテトリス」はいいたとえ。「芸人に品行方正を求めるな」には全面的に同意します。
ウエストランドの復讐劇、いまだ完結せず。これきっかけに少しは売れてくれー。


続きましてファイナルラウンド。


見取り図・・・1本目とは打って変わって、見取り図定番のしゃべくりケンカ漫才。盛山の声が裏返るのが面白いですね。イントネーションがおかしいのが「ドアノブカバー」と「便座カバー」という、布製品くくりなのがお見事。「猪木・アリ戦」の再現は今の若者に通じるのだろうか。僕は断然2本目のほうがよかったです。

マヂカルラブリー・・・1本目と同じく、野田が再現して村上が解説ツッコミ入れるネタ。しかし野田がこれほどしゃべらず、ほぼ動きだけというのは、漫才が話芸であるということを考えたらどうなのか。僕はあまり形式を気にするほうではなく、むしろ形式を打ち壊すものを望んでいるのですが、しかしそれでもこのネタはどうなのかと考えてしまいました。動きそのものもあまり面白いと感じられず、優勝予想は的中したものの、これで優勝かぁ・・・と、腑に落ちないかんじです。
いや・・・これは「口以上に体が雄弁に語っている」というふうに解釈すべきなのかもしれません。「肉体言語」というかね。活弁映画っぽくもある。
この結果を、3年前の批判を受けてスタイルを改め、切磋琢磨してきたのだろうととらえる人もいるかもしれませんが、しかし彼らは3年前からこの「野田がほぼ無言で暴れまわって村上が解説ツッコミする」スタイルだったので、酷評にもめげずに自分たちのスタイルを貫いてきて、審査員に認めさせるに至った、というのが正しいでしょう。これでもう、誰がなんと言おうと「これがマヂカルラブリーの漫才だ」というのを世間に受け入れさせることができるはずです。
えみちゃんの呪縛を祓い落としての優勝。おめでとう。

おいでやすこが・・・2本目も歌ネタ。しかし今回はこがけんのほうが比重高め。歌いながら「はい」って返事する間がうまい。おいでやすの叫びが目立ってたほうが面白くなるということがわかりました。
しかしこのコンビ、よもや優勝に手がかかるとは・・・。なんかおいでやすが、島田秀平の占いで「近々大金が入ってくる」って言われてて、優勝を予言された形になってましたけど、これで仕事も増えるでしょうし、収入はアップするでしょうね。R‐1に出られなくなったのを自虐的に口にしてましたけど、でもR‐1って優勝してもブレイクのきっかけになることってほとんどないから、この2人は本格的にコンビとして漫才に力入れていったほうがいいのではないでしょうか。文句なしに今大会のMVP。


番組途中で発表されたGYAO!の人気投票は、1・ニューヨーク、2・見取り図、3・アキナ、4・敗者復活組、5・東京ホテイソン、6・おいでやすこが、7・オズワルド、8・錦鯉、9・マヂカルラブリー、10・ウエストランドでした。マヂカル、9番人気だったんですね・・・。そんなに期待されてなかったのか。
総合的な感想としては、漫才の可能性を広げるネタがいくつも見られたという印象。技術力は全体的に高まっていて、ただ面白いというだけでは上がってこれなくなっているのかな、という気がしました。
今回は上沼恵美子がだいぶおとなしかったですね。なんか前に更年期が終わったとか言ってましたけど、以前は更年期でおかしくなってたのかもしれません(カジザックに対しての例のアレもね)。心なしか去年より表情が柔らかくなっているようにも見えます。だとしたら、今後はまともさを期待できるのでしょうか。「やめないでー」と言ってもいいのでしょうか。