今日は毎日パン挟みです。
きこりの切り株と同じく、復刻お菓子なのでしょうか。昔はこーゆー、何かの形を模したタイプのお菓子、たくさんありましたね。
店員さんの話をします。店員さんはすごい、という話。
近所のコンビニに、ベテランの店員さんがいます。バイトか社員かは不明。たぶん40前後の、男性店員さんです。
その店員さん、イントネーションにクセがあるのです。
「お弁当温めますかぁ~」とか、「レジ袋つけますかぁ~」とか、語尾がおかしいのです。文章じゃうまく伝わらないでしょうけど、ねっとりと伸ばす、上がる語尾なのです。
「イントネーションのクセがスゴい!」(by.千鳥ノブ)
ふざけてると取れなくもない発音なのです。血の気の多い客には、バカにしてると受け止められてしまうんじゃないかと、不安になるほどです。
しかしその店員さんは真剣そのもの。特にひょうきんものというわけでもなく、愛嬌のあるタイプでもないのです。ただただ、イントネーションだけがおかしい。
僕は思うのです。イントネーションで遊んでないと、やってられないんじゃないかと。
その店員さんは、けっこう昔から見ている記憶があります。たぶん10~20年くらいそこのコンビニで働いているはずです(いつごろからイントネーションがおかしくなったのか、もしくは最初からそうだったのかは覚えていません)。
毎日毎日、終わりの見えないコンビニ仕事をくり返し、ウンザリしているのではないか。変化のない退屈な日常に、ちょっとした刺激を求めているのではないか。
その刺激こそが、クセのあるイントネーションだったのではないか。
接客のセリフにクセを導入し、退屈な毎日を少しでも面白いものにしようとしたのではないか。退屈な毎日の仕事を乗り切るためのイントネーションだったのではないか。僕はそんな気がしました。
だとすると、ふざけてると腹を立てるのではなく、つらい仕事をなんとか乗り切るための、ささやかな創意工夫と理解すべきなのではないか。おかしな店員とバカにするのではなく、彼なりの形で一生懸命にやっていると見るべきではないか。そう思いました。
語尾のイントネーションがおかしい店員さん、これからもそこのコンビニで働き続けるのでしょうか。
とあるファミレスにも、ベテランらしき店員さんがいます。30~40くらいの男性店員さんです。
その店員さんは、注文した料理を持ってくるときに、「スーッ」と息をはくのです。
これどーゆーことかというと、息をはくことで、何か言ってるように見せかけているのですね。
普通は料理を配膳する際、「お待たせしました」とか、「◯◯(料理名)です」などと言うものです。でもその店員さんは、そのようなセリフは言わないのです。何も言わず、ただ「スーッ」と息をはくのです。
息の音で、あたかも「◯◯(料理名)です」のようなひとことを言っているかのように見せかけているのです。
おそるべき高等技術。ベテランともなればこんなことも可能になるのかと、思わず舌を巻きました。
あと、そことは別のファミレスに、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と「ごゆっくりどうぞ」の間が、異常に短い店員さんもいましたね。
店員さんが注文した最後の料理を持ってくる際、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」って確認しますよね。それにこちらが「はい」って答えてから、店員さんが「ごゆっくりどうぞ」とおっしゃる。それが普通です。
でもそこの、20代前半の女性店員さんは、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」のあと、こちらの返事を待たず、ほぼ間髪入れずに「ごゆっくりどうぞ」とおっしゃるのです。なので、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」に対し、「はい」と返事をするかしないかくらいのタイミングで「ごゆっくりどうぞ」が来るのです。
なぜなのか。その店員さんの気持ちは痛いほどわかります。
「ご注文は以上でおそろいでしょうか」という確認に、返事をしてくれる客がほとんどいないのです。
注文した料理がそろっているかどうかの確認は、必要なことです。まだ届いてないものがないか。間違ったものが届いてないか。その確認のためにお客さんに質問する。
なのに、返事をしてくれないお客さんが大勢いる。店員さんは、「ねえ、ちゃんとそろってる?それで問題ないの?あとから何か言われても知らないよ?」と思うのです。
でも相手が客である以上、強くは言えない。些細な怒りを覚えつつ、そのまま引き下がるのです。
おそらく、ファミレスのホールで長く働き、配膳をくり返すうちに、何度もそのような思いをしてきたのでしょう。
そして、ある日ガマンの限界に達した。
「もういい。アンタらが返事してくれないのなら、こっちだってちゃんと確認したりしない。確認してるフリだけする。マニュアル通りのセリフを言うだけ言って、あたかも確認したかのように振る舞わせてもらう。そっちが返事しないのなら、それでもいいよね?」
たぶんそのように考えたのでしょう。
それから「ご注文は以上でおそろいでしょうか」のあと、間髪入れず「ごゆっくりどうぞ」を言うようになった。客の返事などいっさい聞かない、ちゃんとやってますというゼスチャーのためのセリフです。
長くファミレスで働き、客にちゃんと返事をしてもらえないと、こーゆーふうになってしまうのです。僕はその店員さんを気の毒に思いました。
そして、集中して返事をするようになりました。僕は「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と訊かれたら、ちゃんと返事をします。ですから、その店員さんに「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と訊かれた場合、間を置かず「はい」と返事をしないと、次の「ごゆっくりどうぞ」が来てしまう。こちらが「はい」と言う前に、「ごゆっくりどうぞ」と言われてしまいかねないのです。
だから、集中力が必要でした。その店員さんが配膳に来る場合、集中していないと、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」に対し、ちゃんと「はい」と返事をすることができない。うっかりしていたら、「はい」の前に「ごゆっくりどうぞ」が来てしまう。こちらの「はい」が、「ごゆっくりどうぞ」にかき消されてしまうかもしれないのです。
そのため僕は、神経を研ぎ澄ますようになりました。店員さんの「ご注文は以上でおそろいでしょうか」に、即座に「はい」と返さなくてはならない。むこうの「ごゆっくりどうぞ」が来るより早く、「はい」と言わなければならない。
それは真剣勝負でした。
ただ、その店員さんには、僕のその気持ちは伝わらず、杓子定規に「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と「ごゆっくりどうぞ」を口にしているだけでした。僕は心の中で、「客が返事をしてくれないから、そんなやっつけの言い方になっているんですよね?僕はちゃんと返事をしますよ」と思っていたのですが、それはいっさい伝わっていませんでした。
気持ちをくみ取れないほど客の態度にウンザリしていたのかもしれません。
でもひょっとしたら、すべて僕の思い過ごしで、その店員さんは、ただ単にやる気がまったくないだけだったのかもしれません。だとしたら、ただの取り越し苦労。気を遣う必要のない相手に、過剰に気を遣ってしまっていた、ということになります。
どっちなんでしょうね。
でもいずれにせよ、接客業が大変であることに変わりはありません。皆さん、なるべく店員さんに気を遣うようにしましょう。
きこりの切り株と同じく、復刻お菓子なのでしょうか。昔はこーゆー、何かの形を模したタイプのお菓子、たくさんありましたね。
店員さんの話をします。店員さんはすごい、という話。
近所のコンビニに、ベテランの店員さんがいます。バイトか社員かは不明。たぶん40前後の、男性店員さんです。
その店員さん、イントネーションにクセがあるのです。
「お弁当温めますかぁ~」とか、「レジ袋つけますかぁ~」とか、語尾がおかしいのです。文章じゃうまく伝わらないでしょうけど、ねっとりと伸ばす、上がる語尾なのです。
「イントネーションのクセがスゴい!」(by.千鳥ノブ)
ふざけてると取れなくもない発音なのです。血の気の多い客には、バカにしてると受け止められてしまうんじゃないかと、不安になるほどです。
しかしその店員さんは真剣そのもの。特にひょうきんものというわけでもなく、愛嬌のあるタイプでもないのです。ただただ、イントネーションだけがおかしい。
僕は思うのです。イントネーションで遊んでないと、やってられないんじゃないかと。
その店員さんは、けっこう昔から見ている記憶があります。たぶん10~20年くらいそこのコンビニで働いているはずです(いつごろからイントネーションがおかしくなったのか、もしくは最初からそうだったのかは覚えていません)。
毎日毎日、終わりの見えないコンビニ仕事をくり返し、ウンザリしているのではないか。変化のない退屈な日常に、ちょっとした刺激を求めているのではないか。
その刺激こそが、クセのあるイントネーションだったのではないか。
接客のセリフにクセを導入し、退屈な毎日を少しでも面白いものにしようとしたのではないか。退屈な毎日の仕事を乗り切るためのイントネーションだったのではないか。僕はそんな気がしました。
だとすると、ふざけてると腹を立てるのではなく、つらい仕事をなんとか乗り切るための、ささやかな創意工夫と理解すべきなのではないか。おかしな店員とバカにするのではなく、彼なりの形で一生懸命にやっていると見るべきではないか。そう思いました。
語尾のイントネーションがおかしい店員さん、これからもそこのコンビニで働き続けるのでしょうか。
とあるファミレスにも、ベテランらしき店員さんがいます。30~40くらいの男性店員さんです。
その店員さんは、注文した料理を持ってくるときに、「スーッ」と息をはくのです。
これどーゆーことかというと、息をはくことで、何か言ってるように見せかけているのですね。
普通は料理を配膳する際、「お待たせしました」とか、「◯◯(料理名)です」などと言うものです。でもその店員さんは、そのようなセリフは言わないのです。何も言わず、ただ「スーッ」と息をはくのです。
息の音で、あたかも「◯◯(料理名)です」のようなひとことを言っているかのように見せかけているのです。
おそるべき高等技術。ベテランともなればこんなことも可能になるのかと、思わず舌を巻きました。
あと、そことは別のファミレスに、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と「ごゆっくりどうぞ」の間が、異常に短い店員さんもいましたね。
店員さんが注文した最後の料理を持ってくる際、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」って確認しますよね。それにこちらが「はい」って答えてから、店員さんが「ごゆっくりどうぞ」とおっしゃる。それが普通です。
でもそこの、20代前半の女性店員さんは、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」のあと、こちらの返事を待たず、ほぼ間髪入れずに「ごゆっくりどうぞ」とおっしゃるのです。なので、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」に対し、「はい」と返事をするかしないかくらいのタイミングで「ごゆっくりどうぞ」が来るのです。
なぜなのか。その店員さんの気持ちは痛いほどわかります。
「ご注文は以上でおそろいでしょうか」という確認に、返事をしてくれる客がほとんどいないのです。
注文した料理がそろっているかどうかの確認は、必要なことです。まだ届いてないものがないか。間違ったものが届いてないか。その確認のためにお客さんに質問する。
なのに、返事をしてくれないお客さんが大勢いる。店員さんは、「ねえ、ちゃんとそろってる?それで問題ないの?あとから何か言われても知らないよ?」と思うのです。
でも相手が客である以上、強くは言えない。些細な怒りを覚えつつ、そのまま引き下がるのです。
おそらく、ファミレスのホールで長く働き、配膳をくり返すうちに、何度もそのような思いをしてきたのでしょう。
そして、ある日ガマンの限界に達した。
「もういい。アンタらが返事してくれないのなら、こっちだってちゃんと確認したりしない。確認してるフリだけする。マニュアル通りのセリフを言うだけ言って、あたかも確認したかのように振る舞わせてもらう。そっちが返事しないのなら、それでもいいよね?」
たぶんそのように考えたのでしょう。
それから「ご注文は以上でおそろいでしょうか」のあと、間髪入れず「ごゆっくりどうぞ」を言うようになった。客の返事などいっさい聞かない、ちゃんとやってますというゼスチャーのためのセリフです。
長くファミレスで働き、客にちゃんと返事をしてもらえないと、こーゆーふうになってしまうのです。僕はその店員さんを気の毒に思いました。
そして、集中して返事をするようになりました。僕は「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と訊かれたら、ちゃんと返事をします。ですから、その店員さんに「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と訊かれた場合、間を置かず「はい」と返事をしないと、次の「ごゆっくりどうぞ」が来てしまう。こちらが「はい」と言う前に、「ごゆっくりどうぞ」と言われてしまいかねないのです。
だから、集中力が必要でした。その店員さんが配膳に来る場合、集中していないと、「ご注文は以上でおそろいでしょうか」に対し、ちゃんと「はい」と返事をすることができない。うっかりしていたら、「はい」の前に「ごゆっくりどうぞ」が来てしまう。こちらの「はい」が、「ごゆっくりどうぞ」にかき消されてしまうかもしれないのです。
そのため僕は、神経を研ぎ澄ますようになりました。店員さんの「ご注文は以上でおそろいでしょうか」に、即座に「はい」と返さなくてはならない。むこうの「ごゆっくりどうぞ」が来るより早く、「はい」と言わなければならない。
それは真剣勝負でした。
ただ、その店員さんには、僕のその気持ちは伝わらず、杓子定規に「ご注文は以上でおそろいでしょうか」と「ごゆっくりどうぞ」を口にしているだけでした。僕は心の中で、「客が返事をしてくれないから、そんなやっつけの言い方になっているんですよね?僕はちゃんと返事をしますよ」と思っていたのですが、それはいっさい伝わっていませんでした。
気持ちをくみ取れないほど客の態度にウンザリしていたのかもしれません。
でもひょっとしたら、すべて僕の思い過ごしで、その店員さんは、ただ単にやる気がまったくないだけだったのかもしれません。だとしたら、ただの取り越し苦労。気を遣う必要のない相手に、過剰に気を遣ってしまっていた、ということになります。
どっちなんでしょうね。
でもいずれにせよ、接客業が大変であることに変わりはありません。皆さん、なるべく店員さんに気を遣うようにしましょう。
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