日本では、2週間前の石破茂首相とドナルド・トランプ大統領との初会談が成功だったと報道されている。しかし、2、3日前の朝日新聞の片隅に、「へつらい外交」だとアメリカのジャーナリストの間でひんしゅくを買っているとの短い記事があった。
私はその通りだと思う。
トランプにどのようにお世辞を言おうと、彼は、それが弱さからくるとし、逆に搾り取ろうとするだけで、法ではなく、弱肉強食こそが、世界政治の掟だとする。
もちろん、日本に喧嘩する強さがないのだから、わざわざ、トランプと喧嘩することもない。しかし、アメリカとロシアと中国で世界を分割して利権をむさぼろうとするトランプの施策には、外務省を通じてきちんと反論し、他の国々との親密な連携をしていかないと、事態はますます悪くなるだろう。
日本がウクライナやガザの人々に涙するだけでは十分ではない。
しかし、よりによって、アメリカ国民はトランプのような凶暴な人間を大統領に選んだのだろうか。
2022年5月1日に死んだアメリカ政治学者の中山俊宏は、2020年11月にジョー・バイデンが米大統領選に勝ったそのとき、トランプの危険性をつぎのように警告していた。
「今は皆が 誰が勝ったかということに気を取られているが、一番重要なことは、トランプが08年のオバマを上回るであろう数の得票をしたこと、即ちアメリカはトランプ主義を斥けることはしなかったということ。いまトランプはこの勢いを感じているはずだ。」
民主党は甘かったのだ。政治から民主主義という希望が消えることの怖さを理解していなかった。ジャーナリストもバイデンがかろうじてトランプに勝ったという事実を忘れて「もしトラ」などと選挙前には言っていたのだ。もっと危機意識を持つべきだった。
現在の状況は、ナチス・ドイツが出現したときと変わらない。早速、トランプはプーチンとのウクライナ分割を進めている。
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