きのう、LED電球を買いに電気器具量販店にいったら、パナソニック製品も東芝製品もMADE IN CHINAであった。帰ったら、テーブルの上にベーキングペーパがあった。その販売者は日本の会社だったが、製造元が書かれていないので箱のすみずみまで探したら、MADE IN CHINAの文字を見つけた。
今年の夏にダイソーを見てまわったときも、ほとんどの商品はMADE IN CHINAであった。ダイソーは自社で設計したものを中国で生産しているのだというが、設計というより商品企画に近いのが実態だと思う。
私は中国脅威論を述べたいのではない。逆に、中国の製造業の底辺が確実に上がっていることを祝福したいと思う。
私の心配は日本の製造業の底辺が壊れ始めているのではないかということだ。
中国製のドローンの中は中国製の機能チップだらけだそうだ。機能チップは、制御や画像処理のための特製のチップのことで、設計し生産する職人が中国にいるということである。太陽光発電はいまや中国の独壇場になっている。中国製EVには、アメリカ、カナダは100%の関税をかけている。EUも45%の関税をかけている。EVも中国が他国を圧倒している。
現在の中国の競争力は、単に、労賃が安いというよりも、質の高い労働力の層の厚さに支えられていると思う。
私は、ものづくりが農業と同じく富の源泉で、ものづくりを粗末にする国に未来がないと考える。だから、子どもたちがものづくりにあこがれず、町工場が壊れていくのに、心を痛める。
ものづくりは、トイレットペーパー1つとっても、製造機械の不断の工夫、調整、補修が要求される。溶けたパルプからペーパを一定の力で自動的に巻きあげる機構、一定の間隔でミシン目を入れる機構、私は、毎日トイレで、それらの日本技術の高さに感嘆してきた。
いま、日本の政治家、官僚は、IT、IT、IT、AI、AI、AIというが、日本のIT業界もビジネスモデルをこね回していて、詐欺師集団あるいはひったくり集団になり果てている。こんなものに子どもたちがあこがれるなんて、とんでもないことだ。ものづくりに励む者が報われる社会であって欲しい。
[11月27日追記]
けさの朝日新聞はアマゾンが公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査をしたとの記事が一面にのった。アマゾンが表示優先順位で出品者に値下げの圧力をかけているとの問題を取り上げたものである。アマゾンにかかわらず、グーグルなどのインタネットに巣食うIT業界はビジネスモデルで莫大な利益を上げるようになっている。日本が見習うべきものではない。
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