NHKは5日前に「IT大手は、AI(人工知能)の利用拡大で消費電力が急増する中、安定した電力を確保する動きを強めています」とのニュースを流した。マイクロソフト、グーグル、アマゾンが原子力発電所と契約をしたり、投資をしたりする方針であることを指す。
私は、原発を稼働してまで、IT大手がAIサービスをする価値があるとは思えない。これまで、生成AI の翻訳やレポート作成や会議録作成を私は見てきたが、あまりの質の低さにあきれるだけで、使い物になると思わない。生成AIが多少使えそうなのは映像の世界である。しかし、それも、私たちの目が肥えてなく、本物とまがい物の見分けがつかないだけかもしれない。「美」を見る目がない人々が多いのだ。
現在起きていることは、投資金を集めるために、株価高揚のために、AIブームを意図的に煽っているだけである、と私は考える。
現在の生成AIは考える能力や創造する能力がない。大量のデータから学習してステレオタイプな文章や画像を作るだけである。しかし、私は、AIが考える能力や創造する能力をもつ必要があるとも思わない。利用者の意図に忠実な道具として機能するAIの開発に力を注ぐべきだと思う。
ITは、電力をより消費しない大規模集積回路の開発や並列処理のためのハードウェアとソフトウェアのアーキテクチャの開発に力を注ぐべきである。
投資ブームを起こすためのAIプロパガンダで、新たな原発を稼働することは愚の骨頂である。現状では、原発稼働で発生する核のごみ(放射性物質)の長期隔離の問題がまだ解決していない。ここ100年で、それが解決すると思えない。
原発に頼るのではなく、確立した発電技術である、水力発電、太陽光発電、風力発電、地熱発電を組み合わせて、安定した電力供給できるシステムを作っていかないといけない。