猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

トランプに対するゼレンスキーの敬意が足りないと首脳会談が決裂した

2025-03-01 17:36:48 | 国際政治

いま、ドナルド・トランプは、矢継ぎ早に大統領令を発し、アメリカの独裁者のようにふるまっている。不運なことに、これまで、アメリカが世界の平和や経済を支えてきたので、アメリカン・ファーストを唱えるトランプは、直接に、西側陣営の平和や経済を壊し、ロシアや中国を利している。

トランプだけがおかしいのでなく、周りの側近もすべておかしいのである。バンス副大統領了や政府効率化局のイーロン・マスクもおかしい。

トランプとゼレンスキーの首脳会談もゼレンスキーがトランプに平身低頭しなかったと交渉を一方的に打ち切られた。トランプは、ウクラナイナの行動は「第3次世界大戦を起こしかねない」と非難し、それを止めたトランプに「感謝する」ようゼレンスキーに求めた。

戦争は3年前に、ロシアが一方的にウクラナイナを侵攻したことで始まった。ロシア軍はウクライナ領で暴れまわっているのだ。

ウクライナ国民が可哀そうである。ウクライナのゼレンスキー大統領が可哀そうである。

アメリカ国民がトランプを選んだのである。アメリカ国民は危険なトランプに権力をわたさないよう必死で努力しなかった。

いまからでもアメリカ国民はトランプの暴走を止めるべきである。アメリカの政治体制に大統領の暴走を止める制度があるのだろうか。2年後の議会選挙しか、希望がないように思える。心ある人々が、トランプを危険極まる独裁者だと、アメリカ国民を説得するしかない。反トランプが議会の多数派になるしかない。

強い政府、強い指導者を求める安易な国民の心は、独裁者を生むことになる。日本国民も警戒すべきだ。


凶暴な男ドナルド・トランプを大統領に選んだアメリカ国民

2025-02-23 20:04:30 | 国際政治

日本では、2週間前の石破茂首相とドナルド・トランプ大統領との初会談が成功だったと報道されている。しかし、2、3日前の朝日新聞の片隅に、「へつらい外交」だとアメリカのジャーナリストの間でひんしゅくを買っているとの短い記事があった。

私はその通りだと思う。

トランプにどのようにお世辞を言おうと、彼は、それが弱さからくるとし、逆に搾り取ろうとするだけで、法ではなく、弱肉強食こそが、世界政治の掟だとする。

もちろん、日本に喧嘩する強さがないのだから、わざわざ、トランプと喧嘩することもない。しかし、アメリカとロシアと中国で世界を分割して利権をむさぼろうとするトランプの施策には、外務省を通じてきちんと反論し、他の国々との親密な連携をしていかないと、事態はますます悪くなるだろう。

日本がウクライナやガザの人々に涙するだけでは十分ではない。

しかし、よりによって、アメリカ国民はトランプのような凶暴な人間を大統領に選んだのだろうか。

2022年5月1日に死んだアメリカ政治学者の中山俊宏は、2020年11月にジョー・バイデンが米大統領選に勝ったそのとき、トランプの危険性をつぎのように警告していた。

「今は皆が 誰が勝ったかということに気を取られているが、一番重要なことは、トランプが08年のオバマを上回るであろう数の得票をしたこと、即ちアメリカはトランプ主義を斥けることはしなかったということ。いまトランプはこの勢いを感じているはずだ。」

民主党は甘かったのだ。政治から民主主義という希望が消えることの怖さを理解していなかった。ジャーナリストもバイデンがかろうじてトランプに勝ったという事実を忘れて「もしトラ」などと選挙前には言っていたのだ。もっと危機意識を持つべきだった。

現在の状況は、ナチス・ドイツが出現したときと変わらない。早速、トランプはプーチンとのウクライナ分割を進めている。

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支持率20%をわった韓国大統領が戒厳令を宣言した、民主主義の否定である

2024-12-04 03:11:23 | 国際政治

韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、きのう、12月3日午後11時にテレビで「自由を守るために戒厳令をしく」と宣言した。戒厳令は、まだ軍事政権の時代の1979年を最後に、この45年間しかれることはなかった。尹錫悦大統領の与党が、今年の4月の総選挙で大敗しており、彼の思うような国会運営ができない状態にあった。

深夜、息子に起こされて、はじめて、この事態を知った。信じられないことだ。しかし、在韓アメリカ軍は事前に知っていたのではないか、とも思った。また、トランプが来年からアメリカの大統領になることの、負の影響ではないか、とも思った。

韓国議会は、すぐに、戒厳令の解除要請を可決した。いっぽう、韓国軍は戒厳令を支持しているとのことだ。

詳しく事態を知りたいのだが、私が起きたのが午前1時近くなので、日本のテレビは緊急ニュースを終えており、BBCだけが、ほかの番組をやめ、午前3時まで、韓国の戒厳令関係の報道と解説をつづけていた。

戒厳令は民主政の否定である。あらゆる政党活動を禁じる。どうやって民主主義を守るか、韓国国民にとって、この戒厳令は最大の試練である。また、この事態が、日本を含めた周辺国に、大きな影響を与えることは間違いない。日本国民も韓国の戒厳令に危機意識を持つべきである。日本国憲法に戒厳令の条項を加えるべきでない。

[追記12月4日朝]

韓国の尹錫悦大統領が、午前5時には、戒厳令を解除を宣言した。閣僚が戒厳令に反対したとか、大統領の与党代表も戒厳令の解除を要求したとか、をBBCがネットで報道している。

韓国の民主政が守れたことに、ひと安心するが、この戒厳令に日本のテレビの危機感が薄いのに心配する。これは大変な事件である。

[追記12月5日朝]

日本のマスメディアに、親日的な尹錫悦大統領の戒厳令失敗に残念がる風潮がある。安倍晋三の極右路線が日本のマスメディアにまだ残っているのではないか。「親日的」とは日韓の「強権的権威主義的」な層の連帯にすぎず、大事なのは日韓の「民主主義」を是とする大衆の連帯ではないか。日本でも、戒厳令の解除をすなおに喜べば良いと考える。


トランプの勝利にアメリカの2大政党制の欠陥をみる、日本国民で良かった

2024-11-07 23:51:30 | 国際政治

今回のアメリカ大統領選を見ていて、自分がアメリカ国民でなくて本当に良かったと思う。アメリカの政治制度の貧困さをまざまざと見た。アメリカを見習うのは終わりにしよう。

第1に、アメリカは大統領選や議員選挙に有権者登録制度を導入している。州あるいは地方政府に、投票することを事前に登録しないと、投票できない。有権者登録率は7割前後である。有権者登録制度を通じてマイノリティの投票を抑制している。

第2に、予備選挙制度である。州政府の実施する予備選挙制度で各政党の大統領選や連邦議員の候補者を決定する。

第3に、大統領選は州単位で選ばれる代議員による間接選挙である。しかも、ほとんどの州では総取り方式である。1票でも多い政党がすべての代議員を取るのである。今回、トランプが50.9%の票をとり、ハリスが47.6%の票をとったが、代議員はトランプが295代議員をとり、ハリスが226代議員をとった。

第4に選挙にどれだけお金を使おうが問題にされない。お金をかけて作られた扇動的なテレビ広告やネット広告がどんどん流れる。個人献金の額にも制限がない。今回、イーロン・マスクがトランプ陣営に少なくとも1億1900万ドルの献金を行った。それだけでなく、マスクは選挙期間中、自身が設立した政治活動委員会「アメリカPAC」が掲げる請願書に署名した激戦州の有権者を対象に「毎日誰か1人に100万ドルを配る」とした。

これらが、総じて2大政党を有利にしている。

ウソをつきまくるトランプも嫌だが、ガザやレバノンに侵攻しているイスラエルに軍事援助を行うハリスも嫌だとすると選択先がなくなる。ハリスは民主主義の危機という「正義」を旗印にしたが、すざましいインフレ下での経済的困窮の解消を約束しなかった。

自分を代弁してくれる候補者を見出すためには、2大政党のいずれかに予備選に参加して、自分に近い意見を述べる候補者を勝たすしかない。本選の前に夢破れるかもしれない。

振り返って、日本やヨーロッパでの選挙では、政党の多数の選択肢がある。

今回の衆院選で、国民民主党が7議席から28議席になっただけで大騒ぎだ。過半数は233議席なのにだ。国民民主党の「手取りを増やす」という主張は、日本の政治にこれから反映され可能性が高い。日本の政治のほうがアメリカより健全である。


イスラエル最高裁がユダヤ教超正統派の徴兵を政府に命令

2024-10-15 21:33:55 | 国際政治

2日前に、朝日新聞は「ユダヤ教の超正統派 徴兵を」「イスラエル最高裁、政府に命令」「兵役免除に批判 教徒は反発」という記事を載せた。

この最高裁判決は4カ月近く前の6月25日に出たものである。なぜ今頃になって、朝日新聞がわざわざこれを報道するのか、私は不思議に思った。

ユダヤ教の超正統派は徴兵に反対していて、いまもなお、ガラント国防相の「軍は今後1年で計4,800人の超正統派を徴兵する方針」が実行されていないのか、あるいは、超正統派の誰も徴兵に応じないのか、これらが記事からはわかりにくい。

記事によれば、現在約36万人が戦争に動員されており、超正統派はイスラエルの人口の約14%を占める。国防相方針の数字4,800人は、ずいぶん控え目な数字で、応分な負担ではない。

しかし、私は徴兵を拒否すること自体は悪いことではないと思う。人を殺してはならないという理由で徴兵を拒否することは正当だと思う。

過去の事例では、ベトナム戦争のとき、アメリカは徴兵制であったが、政府は、キリスト教の一派アーミッシュの良心的徴兵拒否を認めた。

問題なのは、ユダヤ教超正統派は、現在のイスラエルが行っている戦争、ガザ侵攻、レバノン侵攻に反対しているのか、賛成しているのか、朝日新聞の記事からは判然としないことだ。

戦争に賛成していて、自分が戦争に行きたくないというのでは、私は身勝手だと思う。イスラエルの建国のとき以来、超正統派は戒律の学習に忙しいからという理由で、徴兵免除になっていたというから、身勝手の可能性がある。超正統派は選挙で積極的に投票し、超正統派を母体とする2つの政党がイスラエルの戦時内閣に参加しているから、身勝手の可能性が高い。

朝日新聞の記事は、「男性の多くは卒業後も仕事せずに宗教を学ぶ。貧困世帯も多く、政府から補助金が支給されている」と超正統派を非難する。記事では、これ以上の詳しい説明がない。

私が昔読んだ知識では、超正統派では、男は仕事をせずに、戒律の学習や研究に一生をささげ、女が生活を支えるという。記事は、男が働かないので貧困世帯となり、生活保護を受けているという意味ではないかと私は思う。また、イスラエルでは、子どもの数が4人以上だと、子ども手当がでる。イスラエルの出生率は3.0人だが、超正統派では6.4人である。さらに、イェシヴァといってユダヤ教の戒律の学習・研究に引きこもっていれば、結婚しようが子供ができようが、政府が奨学金として最低限の生活の面倒をみる。

不公平だという一般のイスラエル人の気持ちもわかる。

アーミッシュの場合、彼らは政府に税金を納めるが、政府の補助金を拒否する。男も女も働くことに感謝と喜びを見いだし、欲望に振り回されず、静かに生きる。私はアーミッシュの生き方が好きである。ユダヤ教超正統派とずいぶん違う。

反ユダヤ主義からくるフェイクニュースも多い現在、朝日新聞には丁寧な説明と裏付けのある記事を望む。

[補遺2024.10.22]

朝日新聞の記事は、ユダヤ教超正統派がガザ侵攻やレバノン侵攻やヨルダン川西岸入植を促していると述べているのでもないようだ。芝生瑞和の『パレスチナ』(文芸春秋新書)によれば、超正統派は、戒律を守り、ヤハウェーの神を畏れよと言っているのであって、パレスチナ人の排除を主張していない。むしろ、超正統派は、領土拡大を狙うシオニズムを批判している。そういうことを考えると、朝日新聞の記事の意図はわからなくなる。

[補遺2024.11.7]

アメリカ大統領選でトランプの勝利が確実になると、イスラエルのネタニヤフ首相はガラント国防相を解任した。ユダヤ教の超正統派の徴兵を主張していたのがガラントであり、反対していたのがネタニヤフだった。徴兵は実施されていない。戦争継続のため、ユダヤ教の超正統派の支持をネタニヤフが必要としていたのである。