青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-14

2021-02-26 20:24:22 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



 
Gentiana arethusae 輪葉竜胆 (地域集団:雲南省白馬雪山⓶) 〔sect. Kudoa 多枝組〕
 












前回に紹介した、森林限界のすぐ上方付近で出会ったナナツバリンドウの数株を、たっぷり3時間ほどかけて撮影した。目的は達成、あとは峠を越えて徳欽の町に向かうだけ、と思っていた。ところが、そのほんの少し上方、峠の手前で大群落が出現! しまった、最初に出会った場所での撮影を、もっと早く切り上げて、こちらに移動しておくんだった、と悔やんだ。標準時北京から遥か西に離れているとはいえ、秋深い季節である。この時間になると太陽は大きく傾いて、普通の写真は撮れない、失敗した、と思った。でも後で考えてみると、これはこれで良かったのかも知れない。西陽の逆光が、それなりの効果を出していると思う。

*注:第13回に記した「今回は“逆光と順光”について書こうと思った」という話とは、全く無関係、まったく違う話をしようと思っていたので、この話と重なったのは完全な偶然です。
 





 









 


 


ロゼット・クラスターは、礫地では見つけ易いが、草地ではなかなか探し出せない。でも写真を拡大して子細に探せば、大抵はどこかに見出せる。この写真では、下1/3辺りの中央の花の下方、2個の小さな葉群と、その下の光に当たった小さな葉群との間に、米粒くらいの大きさの数個が見つかる。
 


午後4時43分。下方にロゼット・クラスターが見える。
 


午後5時18分。
 


午後4時52分。
 


午後4時55分。ロゼット・クラスターは、右の2個の花の下。
 


午後5時01分。
 


午後5時15分。
 


午後5時43分。
 


午後5時45分。
 


午後5時54分。さて、群落を暫し撮影し、今度こそ終了、と思っていたら、そのすぐ上の峠頂に出たところで、白馬雪山主峰が姿を現した。再び“しまった!”である。でも、これもまた



午後6:00
 


午後6:00
 


白馬雪山。2015.7.30




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-13

2021-02-26 10:23:21 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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朝と夜。順光と逆光。え~と、これで書き出す予定でいたのだけれど、長くなりそうなので、この話題はやめます。

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次の3万円まであと1週間、まだ8000円ほど残っているので楽勝です。毎日毎日、いかにお金を減らさずにWi-Fi使用が出来るか、ただそれだけを考えています。結局、食事を減らせばいいわけで、ちょっと栄養失調気味ですが、、、。

来月は、電気代支払いが凄い(9000円近く!)ので、実質収入2万円ちょっとになります。今のうちに、なんとかしておかねばなりません。といって、どうすれば良いのか、、、。

さっきネット見たら、「クラウドファンディングで数千万円ゲットした」ラーメン屋さんとかの話があったです。僕なんて、どんなに一生懸命挑戦しても、ビタ一文の収入にもなりません。世の中、余りに不公平です。

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某整形外科医院長と某県知事が関与した、80%以上のリコール票が云々(名古屋⇔佐賀)、の話。思うに、「正義」は(本人が自覚していない)「病気」ですね。まあ、それを言えば、今の世の中の「空気」の在り方は全てそこに収斂されるのだけれど(何も「病気」が「悪」だ、というつもりもないですが)。

80%と言えば、これも面白いですね。少し前のニュースですが、(某評論家?のトランプ氏関連の発言について)「低評価率89%」というのがありました。「低評価率」ですか、、、、大衆の評価が、どんだけ重要なのか、、、。

ちなみに、同じころのニュースで、こんなの↓も見た気がするけれど、それは一体どうなったんでしょうか?
>お茶、ことにティーパックの日本茶(緑茶)が、コロナウイルスを撃退する、という検証が成された。
>特定の緑茶ティーバック(普通にスーパーで売ってるやつ)は非常な効用を発揮し、99%の確率で、コロナ感染を防ぐことが出来る。

かなり信用できるソースで、大ニュースではないかと思うのですが、それっきりです。
「いかにも科学的ではない」
「それでコロナ収束すれば、困る」
ということなんでしょうね。

いずれにせよ、マスクは日本を象徴する文化なので、誰も逆らうことが出来ません。日本人が滅びない限り、永遠に続くのでしょう。

マスクは、完璧に「空気」と重なるのですが、「空気」から外れてしまったものは、無視されちゃいますね。特に「科学的でないように見える事例」は。


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次に書こうと思っていた記事のメモをチェックしてみました。相変わらず、おんなじ事ばっかり言ってますね(笑)。惚けた年寄りは、本当にどうしようもないです。

でも、繰り返し、僻みと妬みと恨み辛みを、しつこく書いていきます。

マスクとワクチンさえあれば、敵をやっつけられる。たぶん、3密はO.K. 、、、、、なんでしょうね。

隠すのが好きな、自己中心的人間を批判する人々を自己中心的人間として排除する、自己中心的人間の集団からなる、科学(文明)至上主義の、「民主主義」集団、日本。

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追加:

昨日、三世に送ったメール。

テントはいらない(穴でも良い)し、Wi-Fiは3日に一回でも良いけれど、トーストは必須です。豆のスープは(嫌いじゃないけれど)美味しくない。次に日本国から10万円の支給があれば、エーゲ海行きたいです。

モニカからは「今年中に会うことが出来る」とメール来たのですが、根拠はあるのでしょうか? K氏曰く、無理無理、早くても来年以降、だそうです。

さっき、雲南省の奥地に住む(上海芸術家村で出会った)ローカル・ミュージシャンからメールがきました。
>日本は素晴らしいところである。自分も、いつか日本に行って公演したい。それが出来るように手伝って欲しい、、、云々。
なんと答えて良いのか。協力してあげることにはやぶさかではないのですが、「いいところ」には同意したくないです。

今日で、「青山潤三の世界・あや子版」の「中国の野生植物・リンドウ科」の第12回目です。リンドウで50~60回予定しています。「中国」「花」「コロナ」の項目です。野生生物も、コロナも、人間も、それぞれその本質は似たようなもの、と言う事を書いているのです。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-12

2021-02-25 14:38:01 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★2月24日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。

Gentiana arethusae 輪葉竜胆* (地域集団:雲南省白馬雪山⓵) 〔sect. Kudoa 多枝組〕
*「ナナツバリンドウ」の和名で、暫定的に纏めています。

風雪の雪宝頂(黄龍渓谷)の峠で、ただ一株の「ナナツバリンドウ」を撮影した夜、成都に戻り、夜行の列車で昆明に移った。バスに乗り換え、香格里拉を経て、もう一か所目星をつけていた、長江とメコン川の分水の白馬雪山の峠 4300mに到着したのは、4日後のお昼。

標高3500mほどの香格里拉の高原から、一度2000m弱の長江岸に下り、再び標高4000m超の白馬雪山の峠に登る。そこで「ナナツバリンドウ」の探索をしたあとは、再度標高2000mのメコン川流域に降りて、チベット省境の梅里雪山の麓に向かう、というスケジュールだ。

香格里拉から徳欽には、タクシーを利用した。一日5000円ほどで、2日間のチャーター。2日目、長江岸から荒漠たる岩と砂に覆われた急斜面を登ってゆく。植生は極めて貧弱で、園芸樹で馴染みのコノテガシワの野生種と、中国奥地、台湾の山頂尾根、屋久島の海岸斜面に隔離分布するカザンマツ(ヤクタネゴヨウ)の針葉樹2種が、茶色い岩肌にへばり付くように生えている。

やがて、標高3000mを超えると、深い緑の温帯性樹林(カエデ属、ナラ属、サクラ属など)に置き換わり、そして、3500m辺りから上は、日本の亜高山帯とそっくりな、モミ、ツガ、カラマツ林が展開する。

亜高山帯林の森林限界付近の長江側峠頂(標高約4000m、峠道はメコン側の頂まで10㎞近くに亘り続く)に差し掛かったところで、「輪葉竜胆(以下、原則として“ナナツバリンドウ”の名で記す)」が出現。いやもう、大感激である。今日は天気もいい(植物の撮影に絶好の薄曇り)し、ここに居座って、徹底撮影することにした。

念のため二台のカメラと数本のレンズを使って、様々なアングルや設定で、お昼過ぎから夕方近くまで、都合3時間ほどかけて撮影を行った。

撮影していた時点では、“ロゼット・クラスター”の存在には気付いていなかった。別の植物(例えばベンケイソウ科など)だと思い込んでいた(ちなみに、周りに点在している赤い植物は、ツツジ科のイワヒゲ属の新芽)。

後に写真で確認中に、このリンドウ(ナナツバリンドウ)の、若いロゼットのクラスターであることが分かった。

ある程度の大きさを持った殆ど全ての(基部が覆われて見えない場合を除く)株に確認できる。

どのような意味があるのだろう?

この後、別の2か地域(共に標高4500m前後)で「ヤクシマリンドウ系」の種を撮影した。

直線距離で50㎞ほどのところにある雲南四川省境山地(迪庆大雪山)では、白馬雪山産とほぼ同じ「典型ナナツバリンドウ」の中に、やはり顕著なロゼット・クラスターを持つ数株を確認し得た。

一方、直線距離で350㎞余り離れた四川省の四姑娘山(巴朗山峠)では、撮影した「ナナツバリンドウ類似集団」の中には、明確なロゼット・クラスターが生じる株は検出できなかった(詳細は後述する)。

「中国植物志(およびそれと連動している中国植物図像庫)」に収納されている、「七葉竜胆」「六葉竜胆」併せて500枚ほどの生態写真と標本写真もチェックしてみた(概ね細部が不明瞭で、明らかな別グループの個体が少なからず混在し、多数の同一個体の別カットが紹介されている)。

「七葉竜胆」とされる写真が約250枚。主な撮影地は、四川省四姑娘山(巴朗山)、雲南省香格里拉県、同白馬雪山、チベット自治区左貢県芒康~雲南省香格里拉間の4か所。いずれの地域の写真からも、各1枚、それ(小形のロゼットの集まり)らしき存在が、かろうじて確認できた(不鮮明なので確定は出来ないが)。

ちなみに巴朗山の小形ロゼットは、あとで述べる予定の僕自身が確認したものと同一タイプの不明瞭なロゼット?の集まりである。また陝西省太白山産の「六葉竜胆」として紹介されている個体の中にも、ロゼット・クラスターの痕跡のような存在が朧げに確認できた。他に、四川省黒水県産の「五葉竜胆」に、不明瞭かつ不完全なロゼット塊(小さな成葉の集まり?)が、「三葉竜胆」の標本にも同様の不完全な塊が見出された。

いずれにせよ、雲南省西北部山岳地帯の標高4000m超の高山草地に生える「典型ナナツバリンドウ」においてのみ、「小さなロゼット葉の集合体からなるクラスター」が明確に存在するわけである。

具体的には、一葉の長さは1㎜未満、それが50~100葉ほど(おそらく成株一茎に付ける葉数に相同)集まって、一個体(一茎?)を成す。一個体の径は5~6㎜。それが成株の中央部分に密集して、20個前後(おそらく成株一株の花茎数に相当)のクラスターを構成する。

それが、どのような意味を有しているのか。

もし、この“ロゼット・クラスター”が「狭義のナナツバリンドウ」を特徴づける形質だとすれば、「典型ナナツバリンドウ」以外の種や地域集団における、一応存在するだろう小さめの(普通の)ロゼット葉の集まりと基本的に同質のもので、それが極端に小さく特徴的な外観を呈し、かつ明確なクラスターとして存在している、と見做せばいいのだろうか。

一般的なロゼット葉と同じように、花茎としての成長に向けて展開していくはずである。

ここまで書いてきて、、、、誤りに気付いた。「ロゼット葉」というのは、「地上に平開する葉」という意味ではなかったか? そこから伸びた茎に付く葉(及びその原型)は、「ロゼット」とは呼ばないのではないか?

僕は、「成体が展開する前の地表面に在る若い葉」を、全てひっくるめて「ロゼット」と捉えていたのだけれど、それは違うような気がする。

「地表面にロゼット状の塊になって存在する若い茎葉の集合体」のクラスター、と表現するべきなのかも知れない。

印象的には、ベンケイソウ科のミニチュア園芸植物「Echeveria」とか「Sempervivum」とか、、、僕は植物形態学的な知識にも乏しいけれど、それと共にこのようなマニアックな対象にも、全く不案内である。でもまあ、一般的にはそのあたりを思い描いて頂ければ良いわけだ(最初は僕もそれらの野生種と思い込んでいた)。

ということで、構造的には“ロゼット”という表現は間違いなのかも知れないけれど、便宜上この後も「ロゼット・クラスター」で通す。

さて、9月末と言えば、緯度が南であるとはいえ、標高4000mの地、あとひと月もすれば雪に覆われるはずだ(あるいは日によっては既に積雪があるのかも知れない)。

ということは、この「ロゼット・クラスター」の状態のまま、冬を越すのだろうか?

どうも、そうは思えない(特に根拠はないが)。以下に紹介する写真の中には、僅かながら「開きかけた」個体もあるようだし。

もとより、(ある意味リンドウ科全体の謎として)なぜ、わざわざ秋遅くに花が咲くのだろうか? 温暖な地域ならばまだしも、いわゆる高山植物として生育する寒冷地の種であっても、そのパターンを踏襲している。

仮に、無雪期が4月~10月とすれば、最初の半年近くを(少なくても人間の目には)姿を現さずにやり過ごし、最後のひと月になって成長し、受粉・結実して世代を繋ぐ、というわけである。その“綱渡り”に、どんな意味があるのだろうか?

僕は、この一帯には、5月下旬から8月上旬にかけて、何度も足を運んでいる。少なくても何らかの目立つ状況になっていれば、その姿を目にしているはずだ。当年度の実生株にしろ、前年からの越年株にしろ、秋になってから展開した、、、そう捉えるのが、最も妥当なように思う。

とすれば、これらの花を付けた成長株も、やはり最初は“微小ロゼット”からのスタートで、ごく短い期間に、一気に成長・展開していることになる。でも、雪に埋もれて翌年まで微小ロゼット状態を保ち、春以降になって徐々に展開していくのではないとすれば、ひと月ほどの間に、全て(成長、開花、受粉、結実)を完了することになるわけで、そのようなことは、可能なのだろうか?

幾つかの例では(殊に風衝地においては)、地表から直接花が咲いているごとく見えたりするごく短い花茎の株もある。これも、最初は“微小ロゼット”からのスタートなのだろうか? それとも、今見えている姿(花茎と微小ロゼット)は、それぞれ別次元の存在? 僕は、その辺りが全く把握できないでいる(知っている人は知っていると思うので、誰か教えて!)。

現場に張り付いて、リアルタイムで観察を続けることが出来れば、実態が見えてくるのだろうけれど、、、。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

現時点での纏め。

次のような形質が分類指標とされているのだと思う。

葉(や萼片)の数、形、大きさ。
花筒の長さと、花冠の開長。
花色。
雄蕊(花柱)の位置や長短。
雌蕊(子房)の膨らみ具合。
種子の大きさ、形、模様。
そして「ロゼット葉」の存在状態。

それらの大半は、それぞれの分類群に固有の安定的な形質とは言い難い。互いに「他種」とクロスオーバーしている。僕は、どの形質も、種を特定する上に於いての決定的な指標形質とは見做し得ない、と思う(むろん、それぞれに何らかの意味を持っているとはしても)。
*ただし明確な“ロゼット・クラスター”の存在は、上記したごとく特定の地域集団に固有のように思える。

それ以前に、種の特定をする必要があるのか? 第三者(=人類)に特定することが出来るのか? という根本的な疑問。僕は、種の特定(同定とか命名とか)は、言ってしまえば「事務的手続き」に過ぎないと思っている。

先に進めるためには、手続きは大切である。対象を「俯瞰的に捉える」ための一里塚として。しかし、手続き自体が目的なのではない。どうも、近年の分類学は「手続き(分類群の記載)」そのものが目的と化してしまっているように思えてならない。

「詳細チェック」(正確な検証=答えの特定)と「全体の俯瞰」(曖昧さの維持=特定の放棄)、常にその2つ(しばしば相反する答えが出る)をセットとして取り組む姿勢を持つべきだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「中国植物志」に示されている、中国大陸産「ヤクシマリンドウ近縁種?」についての分類を整理しておく。

多枝組(ヤクシマリンドウ節) 
以下の4系からなる。多年草で、常に主茎の葉腋から花茎を生じる。  

頭花系 
前出のタイワンリンドウを含む7種(詳細は割愛)。複数個の花茎が茎の途中から分岐する。

密葉系 
4種(詳細は割愛)。花茎は一本ずつ頂生。

華麗系
フタツバリンドウを含む11種(詳細は後述)。茎の基部から一本ずつ生じた複数の花茎に一花が頂生。対生葉。

輪葉系
ヤクシマリンドウ(台湾輪葉竜胆)など8種(変種ナナツバリンドウを含む)。 茎の基部から一本ずつ生じた複数の花茎に一花が頂生。輪生葉。

Ⅰ 典型ナナツバリンドウ
分布(確認地点):雲南省白馬雪山および雲南四川省境中旬大雪山の標高4000m前後以上の風衝草地。
顕著な “超小型ロゼット”のクラスターを備える。
葉数:6-8葉の輪生。
葉形:被針形~長楕円形。
花冠直径:2㎝前後。
花筒長:2.5-3㎝前後(やや太く途中で膨れる傾向がある)。
花色:明るい空色。
*暫定的に、川東竜胆の変種「七葉竜胆」を当てて置く。
*「中国植物志」によると雄蕊の花糸が「ムツバリンドウ」よりも長いとされているが、それは花筒長との相対長に関与するものと考える。

Ⅱ そのほかの集団(「ムツバリンドウ」etc.)
分布:陝西(太白山)/甘粛南部/青海南部/四川西部/雲南北西部/チベット東南部 (ミャンマー北部?/インド・アッサム?)標高2000m?~4800m。
“ロゼット”クラスターは不明瞭。
葉数:3-6枚。
葉形:短被針形~楕円形。
花冠直径:1.5-2㎝。
花筒長:2.5-5㎝(花筒は概ね細い)。
花色:青味の強い空色~濃紺色。
*両極個体の外観上の特徴は、ナナツバリンドウ典型と、フタツバリンドウに移行する。
*複数分類群に分け得る(=単系統ではない)と思うが、それぞれが既存の分類群(三葉竜胆、四葉竜胆、五葉竜胆、六葉竜胆、川東竜胆原変種、および無尾突竜胆)に相当するとは限らない。



雲南省白馬雪山。標高3900m付近。2005.9.27(以下、データを示していない写真は全て同じ)
最初に出会った個体を、いろんな角度などから、数時間かけて撮影した。



標高3700m付近から望む白馬雪山前衛峰とモミ・ツガ・カラマツ林。2005.6.22
ここから少し登った辺りから「ナナツバリンドウ」が出現する。



右手前に“ロゼット・クラスター”。赤はツツジ科イワヒゲ属の新芽。



左の黄色はベンケイソウ科キリンソウ属の花。



フィルムの右上付近に“ロゼット・クラスター”。

   










30~35個ほどの“ロゼット・クラスター”を成していた。下中央の株(直径約6mm)の葉を数えたら、80数枚あった。



姿の良く似た、ベンケイソウ科の栽培種。昆明にて。2016.4.24(中国では大人気でモニカも一時期嵌っていた)






右上の花の左にあるロゼットは、やや成長しかけている?中央の幾つかも基部の葉が大きめに(泥上の地面が何か関与しているのかな?)









萼筒の色は顕著な赤味をさすものから、他の茎葉と変わらないものまで、様々。












開花口上面から撮影した3個体のうち、右下は雌蕊がまだ発達せず雄蕊の葯が覆っている。その上の個体は雌蕊が姿を見せだした状態。その左下は雌蕊が発達し2つの柱頭が見とれる。雄蕊は葯が落下し濃紺色の花柱だけが(外側=花冠内壁へは向かわずに)子房に寄り添ったまま残っている。上四枚の写真個体で注目したいのは、雄蕊自体ではなく、花冠の内壁部の模様。各裂片の中央部に、まるで雄蕊が移行して張り付いたごとき、花柱の色や形とそっくりな濃紺色の条線が配されていること。この「リンドウ」の話題の最初の回に紹介した写真のパターンと酷似している。もちろんそれは本物の雄蕊、こちらは偽物である。このような表現をしない個体もあることから、必然的な現象ではなく、偶然には違いないのだろうけれど、、、。



【参考】
それで思い出したのが、翌日(2005.9.30)、梅里雪山の麓で撮影した「不思議なモンキチョウ」。これまでにも何度か紹介済みだが、ここで追加紹介しておく。夕刻、寝床を探しながら飛んでいた一頭の(たぶん)雌。木立の合間をふらふらと飛び続け、なかなか止まる場所が決まらない。どこかに停まろうとしてはそこを離れ、それを何度も繰り返したのち、やっと今夜の寝床が決まったようである。そこに留まって、ぴたりと動かなくなった。モンキチョウの側と、植物の側の、この見事なまでの色調相似。僕は本来こういう表現は余り好きではないのだが、、、、昆虫や植物にも、何らかの“意思”があるように思えてならない(結局、人類の「無意識強要同調空気」も、同じことなのかも知れないのだけれど、笑)。



余程拡大して見ないと分からないと思うが、フィルムの真下(2枚の細長い単子葉植物の葉の間)に、“ロゼット・クラスター”がある。その左の小さな葉の株の大きさに、すぐに移行していくのだろうか?



“ロゼット・クラスター”は、これも2枚の細長い単子葉植物の葉の間。開花前の蕾が多数見える。



これは分かり易い(“ロゼット・クラスター”は真ん中)。



右上の一株が四川省雪宝頂(標高4100m付近)、他は全て雲南省白馬雪山(標高3900m~4100m付近)。2005.9.29
2つの全体株個体には、その中央に“ロゼット・クラスター”が付随している。



上図の拡大。



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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-11

2021-02-24 14:49:02 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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さっき試算してみたのですが、このペースで行くと、リンドウの項は、ちょうど全50回になります(今、追加分を見つけたので、もう少し増えるかも知れない)。

もとはと言えば、モニカにシャクナゲやサクラソウの原版写真を大量に送ろうとしていて、送信の途中で失敗して中断、ふとパソコンの画面を見たら、リンドウの写真が、一枚だけファイルからはみ出していた。気になってチェック。

その(雄蕊に関する)話をそのまま進めていくだけだったら、とりあえず2~3回で完結したのです。

僕にとってリンドウと言えば(センブリ属の)ヘツカリンドウです。雄蕊の話題を途中中断して、以前にブログに載せたヘツカリンドウの話題の一部を再紹介することにしました。

その総纏めのために、中国産をチェックしだしたら、リンドウ科全体に及んでしまって、こんな羽目になってしまっています。

もっとも、最終的には、これまでに僕が撮影した中国産の野生植物全て(ただしアジサイは別枠)を紹介していく予定なわけで、たまたまリンドウでスタートする、と考えれば良いだけなのかも知れませんが。

100科以上ある中国産の野生植物の中には、むろん一枚も撮影していない科もある(それらはパス)のですが、大抵は一つぐらい撮影しています。全部やってたら、どのぐらいになってしまうのでしょうか?

リンドウ科は中くらいのボリュームですね。大変なことは大変だけれど、まあ、一応楽勝です。でもバラ科とかキク科とかを考えたら、、、先が思いやられます。

・・・・・・・・・・・

毎回、奇数回は(リンドウ以外の話題も含む)写真無しのコメント(概ね愚痴や恨みつらみ、笑)。

偶数回に、各回写真10~20枚程度、植物自体+その生育環境/風景+撮影地点の地図(数回分を纏めて表示)、分類単位としては「種」を基本として、大きいのは「属」、小さいのは「地域個体群」、平均3~4種(地域個体群)というパターンで進めて行く予定です。

僕は植物については、アジサイ(野生種のみ)以外には何の知識もありません。

アジサイと蝶と蝉に関しては「仕事」(収入に繋がっているか、対外的に認められているか、とかは関係なく)です。誰になんと言われようが、真剣に取り組んでいます(もちろん「収入」や「対外的評価」を目指してはいます)。そして、自信を持って人々に伝えます。

それ以外は趣味です。知らない事だらけです。ブログを書きながら、自分自身勉強しているのです。

今回(次の第12回)は、雲南省白馬雪山の「ナナツバリンドウ」(ヤクシマリンドウ組)の紹介で、不思議な「ロゼット・クラスター」の話を中心に述べていきますが、それとはちょっと違う話題をここで取り上げておきます(「奇数回」には写真を入れない原則だけれど今回は特例で一枚入れます)。

そもそも、何の因果でリンドウに取り組んだのか、というのは、最初に記したように「雄蕊の話」からです。結論としては、(雌蕊の発達後に花被弁の内壁に雄蕊がくっつくこと)は、リンドウ科として特異例ではなく、普遍的な例(小竜胆組のところで改めて述べます)、とするつもりだったのだけれど、リンドウ属やリンドウ科全体で見れば、必ずしもそうではないようですね。

むしろ、そうでない例のほうが多いようです。雌蕊の発達が(自家受粉を避けるため)雄蕊よりも遅れる、という性質は、どの種にも共通しているのだと思いますが、雄蕊は必ずしも外側へ離れていくのではなく、雌蕊(子房)に寄り添ったまま(通常基方に)後退し消失していくパターンが、むしろ主流であるように思われます。ヤクシマリンドウ組の種も、そのパターンを採ります。

それに関する付随話題。

数回前のブログで紹介した、白馬雪山産Gentiana atuntsiensis(高山竜胆組)の写真を探していた際、すぐ横に生えていた、黄色い大きな花の写真があるのを見つけました。一見リンドウ科の花のように見えます(花被弁の形や雌蕊雄蕊の位置関係などはリンドウ科に似ている)が、別の科であることは間違いない。たぶんユキノシタ科だろう、といろいろ調べたら、ユキノシタ属の「腺辯虎耳草Saxifraga wardii」という種でした。ユキノシタ科の紹介は、まだかなり先になりそうなので、ここでその写真を紹介しておきます。



腺辯虎耳草Saxifraga wardii。雲南省白馬雪山。標高4000m付近。2008.7.29

この植物(「中国植物志」によると、チベット東南部と雲南徳欽に分布)に関連する情報を調べているうちに、興味深い情報に出会いました。僕の(現時点での)数少ない情報源である「週刊朝日世界の植物」57巻に「コラム」として付随していた、大場秀章教授の「高山・極地での受粉の工夫」。

ヒマラヤの高地帯に分布するユキノシタ科ユキノシタ属の例を挙げ、雄蕊の発育過程について述べています。ユキノシタ科の種の多くも、リンドウ科の種と同様に、雌蕊の発育に伴って、雄蕊は花冠内壁のほうに離れて(あるいは下方に後退消失して)行きます。自家受粉を防ぐためです。

ところが、雄蕊の中には、発達した雌蕊に寄り添ったままの状態でいるものがあったりする(おそらくリンドウ科でもそのような例はあるのではないかと思います)。

これは、昆虫で媒体されなかったとき(なにしろ寒いので虫がいないときもある*)の「保険」として、例外的に自家受粉のチャンスを残しているのだろう、、、、という要旨です。

「保険」という大雑把な発想が面白いです。余り“科学的”じゃないところ(検証前の問題提起)が素敵です。

植物たちの側にも、いろんな複雑な事情があるのです。そう簡単には、人間に答えを与えてくれません。

*第4回「Gentiana atuntsiensis」の項の、最初の写真を見て下さい(そこのキャプションで説明するつもりでいたのをし忘れてしまった)。画面の右上に惚やけた(レンズに付着した雨粒のような)模様が多数見えます。花に2頭のハエがとまっています。これは、簡単に消す処理が出来ます。それで消した方の写真を載せようとしたのだけれど、思うところがあって、処理前の写真を掲載しました。まあ、そういうことなんですね。高山帯であっても、花の周りには、常に多くの虫が飛び回っている(たぶんDipteraが主流、次いでハチ、チョウ・ガ、甲虫、、、)のです。

・・・・・・・・・・・

中国の「輪葉竜胆」(ヤクシマリンドウ組)について、前回は四川省雪宝頂4200mの峠で最初に出会った一枚の写真を紹介しました。

次回以降の予定
雲南省白馬雪山Ⅰ(第12回)
雲南省白馬雪山Ⅱ(第14回)
四川雲南省境山地(第16回)
雲南省香格里拉(第18回)
四川省四姑娘山Ⅰ(第20回)
四川省四姑娘山Ⅱ(第22回)

12~20は「ナナツバリンドウ」(「ムツバリンドウ」ほかを含む、多枝組輪葉系)
22は「フタツバリンドウ」(多枝組華麗系)
12/14/16/20は4000m超の高山礫地。
18は3000m台の高地草原。
22は3000m台の高山渓谷。

撮影時点の状況などを振り返りながら、写真を紹介しつつ、いろんなこと(気が付いたこと)を考察していく予定です。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-9

2021-02-21 20:14:10 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。


*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この後、(台湾産の真偽はともかくとして)“究極の屋久島固有種”ヤクシマリンドウに対応する中国大陸産近縁種群“ナナツバリンドウ類=輪葉竜胆類”(リンドウ科/リンドウ亜科/リンドウ族/リンドウ亜族/リンドウ属/多枝組sect.Kudoa/輪葉竜胆系ser.Verticillatae)について述べていく予定ですが、どうやら10回ぐらいかかりそうです。そのあと「ハルリンドウの仲間=小竜胆組」が50回分ぐらい控えていて、更にハナイカリ属、ツルリンドウ属、ヒメセンブリ属、センブリ属、シロウリンドウ属、サンプクリンドウ属、、、、等々が延々と続くので、気が滅入ってしまいます。

そんな折も折、ニュージーランドのルイスから新年(春節)の挨拶が来た。

日本の元旦のお祝いメールは、ちょっとしか返ってこなかったけれど、中国人からの春節祝メールは結構どっさり来ます。香港大学の哲学博士I教授(香港デモについての意見を交わしている)、昆明の植物学者B博士(以前シオガマギク属の同定を手伝っていただいた)、麗江の民族音楽家のA氏(上海の芸術家村で同席した)等々。単純な挨拶ではなく近況などが記しているのが嬉しいのですが、中国語で返事(僕の方の近況報告など)しなくてはならぬことを想うと、億劫で、なかなか返事が出せないでいます。

ルイスからのメールは久しぶり。それ自体はとても嬉しいのですが、“要件”が付随してあって、「知人の中国人が書いた蛾の新種記載の論文をチェックしてくれ」と(学会誌に投稿したのだけれど何故か拒否されてしまった由)。結構しんどい作業ではあるのですが、一応ルイスとは日本語でのやり取りが出来るので、それを優先することにしました。

論文の作者は(会ったことがあるかどうかは不明だけれど)一応僕の(西南農林大学時代の)同窓生で、ルイスの若い中国人の奥さん(もとはと言えば僕が彼女にルイスを紹介したのだ、えへん!)の友人なのだそうです。

え~と、チェックと言っても、かなり大変ですね。何しろ、英語も中国語もまともに出来ない僕ですから。
それで、
>様式を拒否されたのか、内容を拒否されたのか。
>前者なら、僕は全く分かりません。後者ならある程度の判断がつきます。
という書き出しで、「ちょっと時間が欲しい」と返信して、今細読しているところです。結構時間がかかりそうです。

まだ途中なので、なんとも言えないのですが、、、、
(ゲニタリアの構造比較から)概ねのところは分かってきました。
「中国人は頭が良い」
「中国人は努力家だ」
「しかしどこか抜けてる」
という、いつもの想いが頭を持ち上げてきます。

・・・・・・・・・・・

というわけで、(もともと長くかかりそうだった)「リンドウ第10回(ナナツバリンドウ類➀)」は、最初の出だしの部分(四川省雪宝頂で最初に出会ったナナツバリンドウの話)だけ紹介しておくことにして、残りの大半(「ロゼット・クラスター」の話題を中心とした雲南省白馬雪山産ナナツバリンドウ)は、次回に回すことにしました。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-7

2021-02-20 15:19:51 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

報告:モニカとK氏から、中国現地(広東省広州市)に於ける、マスクについての最新情報が届きました。2人とも、全く同じ見解。

>日常生活では、ほとんど着けることがない。

>一応持ち歩いている。密になる公共機関の入り口ではマスク着用を求められるが、(大抵の場合)中では皆外している。

一部の公共機関(空港、国家施設等)では、国からの絶対命令での着用必須。旅行などの際のチェックも、厳しいところは徹底して行う(これは昨年夏時点での報告、現在もそうだと思います)。

中国人の多くは、日本の(国の指令ではなく「無意識強要同調空気」に基づく)国民相互監視の「マスク文化」を不思議な目で見ているようです。

いずれにしろ、「感染者数」は、日本とさほど変わらない(人口比では遥かに少ない)。

これを、「コロナ絶対脅威論」の日本の人々は、どのように考えているのでしょうか?

むろん「隠蔽論」で済ましてしまうことは簡単ですが、もっと大事な事を、見落としていないでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて日本ですが、なんとなくですけれど、、、オリンピックは(何らかの形で)開催されるような気が、、、(半々ぐらいの可能性?)

コロナは「有耶無耶のうちに」とりあえず“終結”。

そして、「自己保身」「リスク回避」「取得権保守」「異質排除」「無意識強要同調空気」「科学・文明崇拝」「マスク大好き!」、、、、の「日本(民主主義)文化」は、さらに(たぶん共産圏、イスラム圏以外の)世界に浸透していく、、、。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一昨日、スーパーで、二個100円のレンコンを買ってきて、電気ストーブの横についている湿潤機の熱湯で泥が付いたまま煮て食べたら、下痢をしてしまった。

それ以前に、ここのところずっと、頭と胸と背中とお腹が、(特に午後になると)痛くてたまらない。

という風に「満身創痍」ではあるのですが、、、、。頭の一部に穴が開いている(犯人は10年前のドングリ!)ことと、背骨がS字状にひん曲がっていること(原因は1年前のマクドの深夜作業?)以外は、どこも悪くないそうです。

昨日は、月に一回の、東青梅のK病院での診察日でした(ついでに下痢止めを貰ってきたけれどまだ飲んでいない)。福生の病院のF医師から、前回の詳細チェックのデータが、K先生の許に送られてきていました。

その内容は前にもブログで伝えましたが、血液検査43項目、何処にも異常値が出ていない。CTスキャンとか脳波とか心電図とか、(上記のアクシデント疾患を除けば)どこにも異常がない。

K先生(たぶん僕より少し歳上?)は、そのデータを見ながら、感慨深い表情で、僕にこう述べました。

>これは凄い!完璧だ。長い間医師をやってるけれど、これほど一点の曇りもない完璧なデータの患者には出会ったことがない。驚きだ。

10回ぐらい、perfect!strange!を繰り返していました(笑)。

これは、何なのでしょうね?僕としては「痛し痒し」で、、、、。

いずれにしろ、もうすぐ73歳になる人間としては、有り得ないほど「完璧」なのだそうです。

一体、僕が、どんな「特別な事」をしてきたというのでしょう? 一切してませんね。

はっきり言えることは、「健康マニア」「リスク徹底排除主義者」とは、正反対の生活を続けてきた、ということです。

そのことについても意見を伺いたいですね。「健康マニア」「リスク徹底排除主義者」の人たちに。

・・・・・・・・・・・・・・・・

今回は(たぶん第7回~第14回に亘り)「ヤクシマリンドウ組」について述べていきます。日本(屋久島)と中国大陸西南部山岳地帯、そして台湾が関わってきます。

ヤクシマリンドウそのものは、究極の屋久島固有種です(この後具体的に説明)。屋久島は、狭義の日本列島の南端です。と同時に西南諸島(琉球弧)の北端でもあります。更に別の視野に立てば「長江周辺地域」の東の延長です。

以前著した拙書「大和と琉球と大陸の狭間で」にも述べ続けたように、屋久島の本当の魅力を知るためには、「大和」「琉球」「大陸」をトータルで見渡さねばならない。それは別に屋久島に限らず、どの地域にも言えることです。

その「俯瞰的」な取り組みが、まるっきり為されていない。枠組みのなかで、ひたすら「重箱の隅を探るような」作業(=調査・研究)が行われているだけです。

それで、全部自分で取り組むことにしました。枠組みは無視して。

例えば「シャクナンガンピ」という、屋久島の最重要植物のひとつ。唯一の近縁種(2種で独立した1属を設ける見解もある)は、九州の中部山地の大崩山の特殊岩石地帯のみに分布しています。延岡から始発の電車に乗って、朝早く着いた最寄り駅から、何十㎞もの道を丸一日歩き通し、現地をチェックしてきたことがあります。

外観も生育環境もシャクナンガンピとは丸っきり異なるのだけれど、醸し出す雰囲気は実によく似ています。両者を結びつける「第三の姉妹種」は、本当に(これまでに中国のどの文献からも見つからない)中国大陸に分布していないのでしょうか?その探索は僕にはもう無理だけれど、いつか誰かが突き止めてくれるだろうと、夢見てるのです。

同様に重要な屋久島固有植物である「ホソバハグマ」は、自分で中国まで(その姉妹種を)探しに行きました。古い文献では、中国大陸南部産の集団と同じ種とされていたのです。今はそれぞれ独立種とされていますが、文献に示されている図は、酷似しています(系統的な繋がりに関しては様々な考察が成り立つ)。文献には、「中国南部の三か所に分布」となっています。

三か所のうち、具体的な地名が示されているのは二か所。具体的な地名とはいっても、「市」単位です。それ以外には、(環境・地形なども含め)何の記述もありません。中国の「市」は、概ね日本の「県」に相当します。探索対象とした「広東省陽春市」は、日本で言えば長野県ほどの広さです。

執念で探しました。今思えば、凄い執念だったと思います(それに“勘”もぴったり当たった)。

20年近く前、その報告をブログに載せたところ、ある国立大学の研究者(知らない方)から「情報を教えてくれ」という連絡がきました。

細かい情報をお教えした上で、「僕は遊びや趣味で調査を行っているわけではありません」「共同研究態勢など何らかの処遇を考慮願います」とお伝えしました。

返ってきたのは、「そんな条件が付くなら協力はいりません、我々はプロなので、素人を相手にしているわけにはいかない」と返事が来ました。僕の送った情報は、しっかり利用されて、学会発表に使われているようです。謝辞もお礼もありません。

昆虫・植物を問わず、全く同様の経験が、(50年近くに亘り、大袈裟ではなくもう100回近く)延々と繰り返され続けています。

例えば、このブログに関してですが、10年ほど前に、中国の植物についての連載記事を載せていたことがあります(読者には自主的なカンパを要請して)。

ブログの裏チェックみたいな機能があって、幾つかの情報を調べました。おそらく研究者の一人からの、こんな発信を見つけました。

>これ(「青山潤三の世界・あや子版」の中国産植物の紹介記事)は凄いよ!とても役に立つので、皆ぜひチェックして置くべき。ただし、書いてる本人は、素人で、たぶんちょっと危ない人だから、無視して関わらないように。

まあ、それでも良いです。だったら敢えて、「(異質に対するイジメの構造を容認して成り立っている)社会への」恨みつらみを込めて、愚痴を書き連ねていきます(笑)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いずれにしろ、ヤクシマリンドウに関しては、僕はもう40年も前から興味を懐いていて、殊に台湾に於ける分布の真否の解明を心待ちにしているのですが(注:自分で行わないのは、単に予算、具体的には台湾での宿泊費・交通費がないから)、未だに全く進展していません。

枝葉だけは、重箱の隅をつつくがごとく調査や研究が為されているのに、眼前の事(不利益を排除し利益を得る事)に対しては必死に取り組んでいるのに、肝心な本質的なことは何ら分かっていない。世の中全体が、そういう方向に進んでいるので、仕方がない事ではあるのでしょうけれど。

話は飛躍してしまいますが、結局「種」とは何か? 生物にとって「生命」とは何か? そういったことを俯瞰的に考える必要があるのだと思うのです。

生物ということはウイルスは入らないわけで、例えば、ウイルスという無機質でも生命でもない有機的な存在を、生命とどう結びつけて認識するか、、、。

時間とは何か? 自分は“どこ”(時間・空間)から来て、“どこ”に向かおうとしているのか?

頭の悪い(これは謙遜ではなく本心)僕には知る由もないのですが、最初の質問(マスク/沖縄)共々、頭の良い人たちが、どのように考えているのか、教えて頂きたいのです。

頭の良い人は、沢山います。重要な問題提起をしています。しかし、大衆は結果(答え)のみを求めます。

僕は、今ブログに「中国の野生植物」を書くに当たって、「中国植物志」と「週刊朝日百科植物の世界」をチェックし続けています。

興味深い記事を見つけました。東京大学農学部の山下修一教授が書かれた、「植物とウイルス」というトピック・コラム(1994年9月11日付け)。植物ウイルスと「いわゆるコロナウイルス」は、何らの関連性もないと思うのですが、共に「ウイルス」であることには変わり有りません。長い内容の、ごく一部をピックアップ紹介しておきます。

>私たちは、日常多くの植物ウイルスを食物と共に食べている。

>(この研究が進めば)ウイルスの変異、進化、分子レベルでの系統樹、起源も明らかになっていくだろう。また、ウイルスの遺伝子操作や改変も近い将来、可能になるだろう。

>植物ウイルスは他の生物ウイルスと同様、感染や増殖を制御することが非常に難しい。

>ウイルスは人類に残された「最後の敵」ともいわれ、私たちは細菌や菌類など、ほとんどの伝染性病理を制御してきたが、ウイルスではいまだ為し得ていない。

これは、植物(人間の作り出した有用植物)の方の話題で、上にピックアップした文章は、長い記事のごく一部の断片です。でも、ウイルスというのは、実体(の根本的な部分)が未だに不明で、摩訶不思議な存在であることは伝わってくると思います。それと共に、人類(の科学や文明)が、それを制御しようと立ち向かっていることも。

そのことを、どう捉えるか。

以前ブログに「透明人間になって街に出かけたら突然姿が現れてしまって、、、、」という夢を見た、という話を書きました。

そういうことだと思います。

・・・・・・・・・・・・・・

僕は、自分の目と脚で対象を探り、あるいは文献で様々な事例を知って、「自然界はとんでもなく凄い」と、改めて驚愕しています。

そして、その「とんでもなく凄い」自然の仕組みを解き明かし利用する、人間の科学・文明は凄いなあ、という素直な想いもあります。

むろん、それと並行して、“「解き明かし利用する」、、、、それだけで良いのだろうか? 別の方向からの視点が、今こそ必要なのではないだろうか?” と、改めて深く想うのです。



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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-5

2021-02-19 12:35:03 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


 
読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次は、「section Kudoaヤクシマリンドウ組」と予告したのですが、「sect. Frigida」が、もう一回続きます。





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-3

2021-02-18 10:11:37 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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今日は、リンドウ属Gentiana高山竜胆組section Frigida の種を紹介します。高山竜胆の和名はトウヤクリンドウ、日本アルプスや北海道の高山でも見られる筒状の白い花です。このセクションの種は中国から15種が記録されていますが、大半の種はトウヤクリンドウとはだいぶ印象が異なり、むしろ別sectionに置かれるリンドウやエゾリンドウに似た雰囲気を持っています。

昨日紹介した(漢方の“ジンギョウ”としても良く知られている) 秦艽組sect. Cruciataの“2種”は、種の区分で言えば、おそらく両者とも「Gentiana crassicaulis粗茎秦艽」に所属する可能性が強いのですが、便宜上「葉隠竜胆(粗茎秦艽)」と「Gentiana macrophylla秦艽」に振り分けて置きました。

今回も「種」の特定は適当に行い、撮影した5地域群を5つの種に暫定的に配分しました。(むろんある程度の根拠はあるとしても)本当にこれで良いのかどうかについては、全く自信はありません。もとより、現時点では「正解」は無いのだとは思いますが。。。。

別セクションの「台湾竜胆」も付随紹介しておきます。

次回からは、数回に分けて「ヤクシマリンドウ組section Kudoa」を紹介していく予定です。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-1

2021-02-17 21:04:17 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*今後、毎回のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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「中国の野生植物」の掲載を再開します。当ブログでは、確か8~9年ほど前に「ハマウツボ科」「ユリ科(狭義)」「ケシ科」「キンポウゲ科」などを紹介し、その後200頁~400頁の単行本にも纏めました(一冊も売れていません)。

ついこの間は、モニカに「ツツジ科(雲南省のシャクナゲ類)」「サクラソウ科」のテキスト(各200頁前後)を送ったので、それらも近いうちにブログにアップしようと考えています。

とりあえず、成り行き(その経緯については以前のブログ記事で説明済み)で、「リンドウ科」から始めます。僕は、リンドウ科については(一部の種以外は)全く無知です。というか、僕は「野生アジサイ」以外の植物のことはほとんど知らない。

知識はない(たぶんあや子さんやそのブログの読者の人たちよりも少ない)のですが、日本のリンドウ科各種については「日本の高山植物の図鑑」(20年ほど前に3つ刊行しました) 作成のために、山地性の種のほぼ全種(20数種)を撮影してきました(それらは全てポジフィルム撮影なのでここでの紹介は叶いません)。

また、日本での僕のメインフィールドの屋久島には、9種のリンドウ科植物が分布していて、そのいずれもが生物地理的知見から非常に興味深い種です(このあと紹介する、屋久島「固有種中の固有種」ヤクシマリンドウや、僕のライフワークの一つで現在ブログに再紹介中のヘツカリンドウ、日本のリンドウ科の中で唯一他の各属とは遠く離れた系統上に位置するシマセンブリ等々)。

それらの写真の大半も(ヘツカリンドウを除いて)手元にはない(上記したようにポジフィルム)ので、日本産は紹介出来ないのですけれど、中国大陸産に関しては、大量の(台湾産も8種)写真が手元に残っています(ポジフィルム時代のものを除く)。

その多くは、日本産とも対応しています。日本の各種の「ルーツ」を知る事にも繋がると思います。そんなわけで、少しはリンドウとも縁があるので、改めて(僕が撮影した)中国のリンドウ科の紹介を行っていくことにします。

たぶん、毎回数種ずつ、50回前後の掲載になると思います。


中国のリンドウ科植物

「中国植物志」(書籍版には1988年に刊行された中国語版と1995年の英語版がありますが、基本的に内容は同じで、ともに2019年に電子版としてインターネット上にアップされています)では、世界のリンドウ科は700種(「週刊朝日植物百科1994」では1200種、ウイキペディア英語版では1600種、同日本語版では1700種、AP-Webでは1750種となっているので、「誤植」「見解の相違」「新大陸産の扱いの」それぞれの可能性が考えられる)で、中国産が419種(英語版は427種)、うち中国固有種251種(英語版には中国固有の種数には触れられていない)となっています。

「中国植物志」は、新たな知見が加わるたびにその都度組み入れているので、結構辻褄が合わなくなっている部分があります。例えば種の数にしても、上記のように中国語版と英語版では異なったりします。むろん、日本を始めとする各国各機関(大学研究室など)や研究者個人の見解も、それぞれ異なります。そこいら辺の事は余り深く考えず に、臨機応援に対応していくことにします。

日本や中国のリンドウ科の大半は、リンドウ科リンドウ亜科リンドウ連(族)リンドウ亜連(亜族)に所属します。夫々の分類単位のラテン名は(それ以前にどのような分類単位を構成するかについても)、様々な解釈に対しての整合性をいちいち考えていると収拾がつかなくなるので、敢えて記しません。

ちなみに、亜科subfamilyと属genusの間の分類単位にtribeがあり、通常「族」と呼ばれています。生物の分類に於いてはかなり使用頻度の高い言葉ですが、一つ下位の(最も重要な)分類単位「属」と、日本語での発音が同じです。

そのこともあって、現在は「連」の使用が推奨(指令かな?)されているようです。ただし動物界では、「族」のまま使用されていて、また中国に於いては植物でも「族」が使用されています。

属の下の分類単位sectionは、日本では「節」、中国では「組」が使用されます(概ね「亜属」の概念と重なる)。更に下の分類単位seriesは、日本では「列」、中国では「系」です(「種群」「上種」あるいは「complex(複合種)」などの概念に近いと思います)。

日本の用語例は、一般の人たちには余り馴染みのない、いわば「科学的」なイメージですね。一方中国の用語例は、 一般的な語彙と重なって、イメージ的に余り「科学的」ではない(俗っぽい)気がします。日本人の感覚では、すこし権威に欠けるような気がしますが、イメージ的には分かりやすいので、概ね「組」「系」を使っていくことになると思います。

もっとも、(上記の「連」と「節」ともども)僕は別段どっちでもいいので、ここでは適当に(臨機応変に、というかその時の気分で)チョイスしていきます。

ついでに種の下の分類単位が「亜種」「変種」。動物の場合は「亜種」だけで「変種」は使用しません。前の記事にも示しましたが、ヒエラルキーとしては亜種>変種の並びです。でも、実質上は、「変種」とされるもののほうが、「亜種」よりも(遺伝的な)独立性が高かったりします。

以上のような問題点は、複雑になってくるので、ここでは詳しい詮索はしないでおきます。出来る限り亜種変種の使用は控え、基本的には無視します(笑)。換言すれば、重要な亜種や変種の場合は、結果として種と同格に扱う、ということになります(詳細に検討した上での判断に基づく場合もありますが、多くの場合は単に面倒なので)。

リンドウ科の上位分類で言うと、日本では唯一シマセンブリ(シマセンブリ連または亜連)が、同様に中国でもそれを含む数種だけが、他のリンドウ科各属各種から遠く離れた系統に位置し、一方、リンドウ亜連に所属する大多数の属の類縁は、互いにさほど離れていない、ということになります。

なお、日本で最もポピュラーな(一般の人々にとって身近な)リンドウ科の植物は、トルコギキョウではないでしょうか。北米大陸原産の園芸植物で、トルコギキョウ亜連の種です。

中国産のリンドウ科の総数は、上記したように「427種」となっていますが、文中には適当に400種とか500種とか記していくこともあるので、ご承知おきください(ある意味「積極的な」“適当”です、笑)。

僕が撮影した(ポジフィルム時代を除く)リンドウ科の写真の種数は、たしか前々回の記事で40種、前回の記事で80種と記したと思うのですが、これも適当です。むろん、僕に知識や同定能力がないから、というのが最大の原因ではありますが、はっきり言って、本気で取り組めば、「紙の上」(三次元)で“種”の特定など、出来るわけがないのです。

「分類群の同定」(種の特定)というのは、対象を知るための“一つの手がかり”に過ぎない、と思っています。

これまでにも何度も触れてきたことですが、「(絶対的な)種」 と「種のごとく振る舞う存在」(いわば本来の手順を為されずに生じた実質的な種) の違いを、どう認識するか。「種」とは何か、ということです。

「見かけ上酷似する多数の別の種が混在する」(いわよるcomplexとして見做す)のか、「見かけ上全く異なる個体が(雌雄、季節型、生態型などとは別に)同一種の中に混在する」 (super-speciesのような捉え方をする)のか、、、、。

問題は、その2つの概念(必ずしも対立する概念ではない)が、「同一population中に混在する」という可能性(2重3重に複雑なことになってくるわけです)。それらのことを念頭に置いたうえで、(時間軸を加えた)全体像を俯瞰的に見渡さねばならないと思います。

DNA解析で一発に判明、とは行きません。「種」の問題は、それ(科学)以前の領域にあるのです。

まあ、僕は、もとより幼稚な頭脳しか持っていないのでしょうし、リンドウとかについても全く無知なわけですから、こんなところで大きなこと(無責任な事)は言っちゃいけないのでしょうけれど。 

でも、僕の守備範囲である(自分の脚・目・頭で構築した)野生アジサイやチョウに関しては、責任を持って、上記のことが言えます。ほかの生物も(ヒトも、生物ではないけれどウイルスも)、皆同じです。たまたま「リンドウ」で“Wild Plants of China”シリーズを再スタートしたので、ここに場を借りて、僕の基本的な姿勢を繰り返し述べて置くのです。

ということで、僕の撮影した写真の種同定という、余計な事(めんどくさい事)は、やりたくない。

たとえば、「小竜胆組(ハルリンドウ節)」。調べれば調べるほど、さっぱり分からなくなってしまいます。「中国植物志(英語版)」では、世界に156種、うち中国に117種(中国語版には中国産の種数のみが121種と示されている)。中国産リンドウ属(「中国植物志」英語版で248種)のほぼ半数、リンドウ科(429種)の1/4強を占めています。でも、本当のところ(?)は、よく分かっていないのではないでしょうか?
 
判断の仕方で、20~30種程度と見做すことも可能でしょうし、もしかしたら200~300種以上と見做すことも有り得るかも知れません。

で、面倒なので、とりあえず目立つ特徴で種を括って行けば、僕の撮影した「ハルリンドウ組」の種は、おおよそ20種ぐらいかな?という事になります。

でも、もうちょっときちんと取り組んでいくと、そう簡単には纏められないように思えてくる。とりあえずのとりあえずで、地域ごとに全部別々にしていけば、80ぐらいの地域集団(種?)になってしまいます。

本当は、僕としては、逆に10くらいに纏めたいのですが、、、増やすより減らすほうが圧倒的に難しいのです。

中国産のハルリンドウ組が100~150種、リンドウ科全体は200~800種(平均400~500種)で、僕が撮影したのが、その1/20くらいとすれば、だいたい辻褄が合います。

実に適当で非科学的ではありますが、積極的な適当もありでしょう(僕のは消極的ですけれど、笑)。

「中国植物志」に限らず、学術的な論文では、夫々の種に対し、これでもか、というほど、(まるで重箱の隅をつつくがごとく)形態の細部(ことに数字)の列記が為されています。

もちろん、あるに越したことはないです。でも、「それが全て」と思っているとしたら、大間違いですね。研究者の人たちは頭が良いので、そんなことは思ってないんでしょうけれど、、、。

ちなみに、この記事の項目は、(あや子さんのアドバイスも受け入れて)一応「中国」「野生植物」に含めていますが、僕本人としては、「コロナウイルス(マスク着用は犯罪!)」「香港デモのまやかし」と、同じ視点に立っているつもりなので、毎回冒頭に「一言」入れています。

薬用植物として竜胆

さて、今日は、たまたま病院での診察日で、さっき主治医のF先生に診て貰ったところです。胃や喉、胸などの薬は、「半夏厚朴湯」という漢方を処方してもらっています。効き目については分からんですが、まだ生きていられるということは、一応効いているのではないかと思われます。

主成分は「ハンゲショウ」、、、、てっきりそう思っていました。調べたら違っていました。ドクダミ科の「ハンゲショウ」ではなく、サトイモ科の「カラスビシャク」。

「学術的な和名(そもそもこの語彙自体が錯誤的ですが)」と、「一般的な俗名(左に同じ)」が全く異なった例というのは、他にもよくあるパターンです。というより、むしろそのパターンの方が多いように思います。

カラスビシャクは、テンナンショウ類(マムシグサなど)や、身近なところではコンニャクとかに近縁で、といってもコンニャクの花は滅多に見ることはないでしょうから、(やや系統的に異なるけれど)いわばミズバショウのミニチュア、と思って戴ければ良いでしょう。

ちなみに中国名は「半夏」。日本でも中国でも、ドクダミ科のハンゲショウよりも、メジャーな薬草として知られています。

ドクダミ科のハンゲショウ(半夏生、別称:片白草)のほうは、日本では「茶花」として眺めるのが主流みたいですね。余りメジャーではないのですが、一応古い時代から生薬として利用されているようです。

中国名は「三白草」。サトイモ科の「半夏」ほどではないとしても、漢方の一つとして知られています。

日本や中国を含む東アジアに広くし、同一属に含まれるもう一つの種「リザード・テイル」が、北米大陸の東部に分布しています。

東アジアと北米大陸に隔離分布する生物の多く(例えば僕の守備範囲の蝶や蝉とかも含む)がそうであるように、距離的により近い西部ではなく、より遠い東部(アパラチア山脈周辺)に出現するのです。

また、幾つかの植物に関しては、東アジア産には、良く目立つ「花」(あるいは外観上それに相当する部分)があって、それに対応する北米東部産の種は「花(のような)」の部分を欠く、という共通の特徴があります。ハンゲショウの仲間も、東アジアのハンゲショウは上部の葉が「化粧をしたように」白く目立つのに対し、北米東部の「蜥蜴の尻尾」は、まるでそっけない超ジミな花と葉だけで成っています。

ハンゲショウと同じドクダミ科に属するドクダミも、生薬や漢方(「漢方薬」と「生薬」は違うのでしょうけれど、僕は今のところよく分からないので、適当にどちらかを当てておきます)として普遍的に利用されています。やはり東アジアに固有の一属一種から成っていて、こちらも対応する近縁属の種が、北米大陸東部に隔離分布します。

ドクダミ科は、植物(一般概念の「花」、いわゆる被子植物)のうち、最も祖先的な形質を残した一群(「古草本」と呼ばれたりする)で、昔の「双子葉植物」「単子葉植物」の区分では、「双子葉植物」のカテゴリーには入らないのです(両者を合わせた分類群に対して、より祖先的形質を保有)。

分かりやすく言えば、「進化に取り残された一群」ですね。ということで、ドクダミ科の種は、全部合わせても、ハンゲショウやドクダミ、および対応する北米産の種の、7~8種しかありません。

リンドウ科は、その対極ですね。その数1000種以上(その半数近くが中国大陸に分布)。いわば「繁栄の極にある」植物です(ただし「進化に取り残された」も「繁栄の極にある」も、正確な表現ではないと思うのですが)。

その、対照的な位置付けにある「ドクダミ科」と「リンドウ科」の、一応の共通項が、「漢方」です。

ということで、F先生に、「(胃や喉や胸の苦しさを抑える)リンドウ科の漢方も処方してください」と頼んでおきました。

リンドウ科の薬草として有名なのは、ヨーロッパでは、リンドウ属の「通称ゲンチアナ」Gentiana lutea(見かけは日本のリンドウとは全く異なり、小さな黄色い花を花序に多数つける)。

一方、東アジアでは、センブリ属の「千振(別称:当薬)」と、リンドウ属の「竜胆(“リュウタン”と発音することもある)」や「秦尭(ジンギョウ)」です。いずれも、薬効のある苦み成分を含有します。それらの成分は、リンドウ科の多くの種に(たぶん数100種単位で)共通して含まれている(おそらく薬効の種類や効力は少しずつ異なる?)と思われるのですが、実際に(改良されたり栽培されたりして)利用されているのは、ごく一部の種のみなのですね。

なんか、勿体ない気もします。もっと積極的に(様々な種を“薬草”として)取り入れても良いのではないかと。

まずは、その一つ、「ジンギョウ類」から、スタートしましょう。

↑「中国」「花」「リンドウ」で検索してください。




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