青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第66回)

2011-08-02 15:00:15 | サパ ベトナム 


7番目のモンシロチョウ サパ 21.Jul.2011(下)

01~17 滝壷から30分ほど進んだ渡渉地点にて。雨が上がり、日が差して逆光線になると、集団の存在が光の中に溶け込んでしまいます(PM4:51~4:55)。




































18~20 AM5:33~5:37。午後5時を過ぎると、さすがに蝶の数も少なくなります。シロヘリスミナガシ。スミナガシ類に特有の赤い口吻が鮮やかです(触角先端が赤いのもこの写真で初めて気が付いた)。








21 谷の入り口近くに戻って来ました。サパの町のホテルには、ここから標高差350mを登らねばなりません。



22 滝壷脇にて。網を洗っているところ。



23 ここでは豚と犬は同類です。




24~25 坂の途中にて。






26 日没とともに晴れ上がって、ファンシーファン山の稜線が、くっきりと浮かびあがりました。これ、屋久島の主稜線と、そっくりだと思いませんか? 宮之浦岳を中心に、右に永田岳、左に翁岳(東峰と西峰)&安房岳、、、。宮之浦岳の標高1935mは、滝壷からファンシーファン山頂までの標高差とピッタリ同じです。




27 サパ帰還、PM7:07。




28 食堂に紛れ込んできたクマゼミの一種。たまに真夜中にも(街路樹の光に反応して)大音響で鳴き出します。






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朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第65回)

2011-08-01 15:18:57 | サパ ベトナム 



7番目のモンシロチョウ/サパ 21.Jul.2011(中)


01~03 雨が上がったので、左側の深い渓谷に分け入ることにします。観光客はほとんどやって来ず、現地人が木材の切り出しや狩猟や水浴びにやって来ます。今日は一日雨模様だったので、出会ったのは鳥を捕まえに来た現地人の一行だけ。








04~13 カルミモンシロチョウの吸水集団があちこちに(以下、PM2:39~2:46に撮影)。






















以前、サパで見たモンシロチョウの仲間を羅列したことがあります。圧倒的に多いのが、アジア(日本を除く)の再普通種のひとつ、タイワンモンシロチョウPieris(Artogeia)canidiaで、次いでエゾスジグロチョウPieris(Artogeia)napi[=広義]とモンシロチョウPieris(Artogeia)rapae、そしてこれも世界的普通種のオオモンシロチョウPieris(Pieris)brassicaeです。広義にグループの枠をとれば、Pontia属のチョウセンシロチョウPontia fabricius、Appias属のタイワンシロチョウAppias lyncidaなども含まれます。

このとき、そうだ、もう一種いるはずだ、との思いが過ぎりました。ヒマラヤ地方から、中国の南西部を経て、台湾の山地に分布する、1(亜)属1種のカルミモンシロチョウPieris(Talbotia)naganumです。僕はこれまで、台湾でも中国でもこの蝶に出会ったことがありません。分布地域内では、それほど珍しいと言うほどではないのでしょうが、と言ってどこにでも見られる普通種というわけでもなさそうです。

今回サパに来て、最初に出会ったのがこの蝶です。初めての種ですから、背景としては余り好ましくない、ドロドロの土にまみれた水溜りにやってきたこの蝶を、とりあえずは一生懸命に撮影、ちょっと見は、タイワンモンシロチョウと何ら変わらない(先入知識が無ければ区別が付かないで見過ごしてしまうような)ありふれた姿です。

しかし、そのすぐあとで、驚愕の姿に遭遇することになるのです。観光客のたむろす滝壺から、渓流に沿っていつもの山道を進んで行きました。川面に突き出している岩上の水溜りに、カラスアゲハやジャコウアゲハの仲間が数頭、吸水にやって来ているのが見えます。もちろん撮影に向かいます。岩上に足を踏み入れた途端、紙吹雪のように(陳腐な表現だけれどもそうとしか表しようがない)無数の白いチョウが舞い上がりました。先ほど一頭だけ見つけ、必死で撮影したところの、カルミモンシロチョウです。

渓流沿いの道を進むにつれ、岩陰から次から次へ紙吹雪が舞い上がります。僕にとっては初撮影の大珍品なのですが、これだけ数が多いと、そして見た目にはただのモンシロチョウと変わらないものですから、実感が湧いて来ません。カラフルな蝶たちの集団吸水の撮影は比較的易しいのだけれど、真っ白な蝶の集団は、表現が難しい。とりあえず、いつもの川の渡渉地点まで行き、あちこちで集団を写しておくことにしました。帰ってから写り具合を確認し、明日また再チャレンジです。

14~15 カルミモンシロチョウの集団に混じって、黒い大きなチョウもいます(以下、PM2:55~3:10に撮影)。






16 アゲハチョウ類が数種、吸水に来ているようです。



17 ひとつはジャコウアゲハの仲間のオオベニモンアゲハ。



18~23 もう一種はクロアゲハ?














24 クロアゲハに間違いないですね(台湾産や大陸産は日本産と違って尾状突起がない)。




25 でも、こちらはクロアゲハに良く似ているけれど別の種?




26 カラスアゲハの仲間のタイワンカラスアゲハです(ベトナム産は台湾産と違って尾状突起がない)。




27 カラスアゲハ(クジャクアゲハ)もいます。




28~30 白い蝶はカルミモンシロチョウの単独集団ですが、黒い蝶はオオベニモンアゲハ、クロアゲハ(この写真には写っていない)、タイワンカラスアゲハ、カラスアゲハ(クジャクアゲハ)の混生集団。他にモンキアゲハも見ました。








31~33 タイワンカラスアゲハとカラスアゲハ(クジャクアゲハ)。タイワンカラスアゲハは地味だけれど、どこか魅力的な蝶です。








34~37 タイワンカラスアゲハとカラスアゲハ(クジャクアゲハ)。カラスアゲハの仲間は、他にルリモンアゲハ、オオクジャクアゲハ、ミヤマカラスアゲハもいます(同じ渓谷での明日以降に撮影した写真を紹介予定)。














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朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第64回)

2011-07-28 15:18:48 | サパ ベトナム 


7番目のモンシロチョウ/サパ 21.Jul.2011(上)


01 昨年9~10月以来のサパ。渓流の谷底に落っこちて、岩にぶつけた尾骶骨が未だに痛み、水没したカメラも未だ修理中(写した画像は全部アウトです)。



02 到着翌日午前10時すぎ、雨が降りそうな天候なのだけれど、一応山に出かけるころに。市場を通りすぎると、標高差350mの下降が始まります。



03 中間地点に検問所。ここから急な石段の下りです。



04 最初に来た頃は、観光客の来ない民家でしか見なかったはずだけれど、、、石段脇にズラリと並んでいました。



05 足で漕ぐ機を織っています。カメラを向けたら“1ドル!”と。近づいて写すのはやめました。



06 何の遊びでしょう? 縄跳び+陣取りゲーム?



07 滝に降りて来ました。写真右横のパラソルの下でカラスアゲハが吸水集団を形成しているとは、この時点では知る由もなかった。



08 売店の前にガキ達が屯しています。



09 いつものオバちゃん。ご主人は蝶を採って日本に売っているとのことで、シンカイとかミヤハラとか、知った名前が次々と、、、。バーベキュー80円、竹筒飯、焼き芋、ゆで卵などが各40円、かなり割高ですが、非常に美味しい!ちなみに、売店の収益は月120ドル(約1万円)だそうです。左隣は、見覚えのある厚かましい娘。警戒はしていたのだけれど、今回もまんまと言いくるめられて、200円の財布を買わされてしまった。



10 隣の店の店主?は初めて見た娘、22歳だそうです。



11 蝶がいるよ!と教えてくれました。ランタナにクロアゲハ、、、、、一応シャッターは切っておきます。フィルム時代なら勿体なくて写せないところだけれど、デジタルの良いところです。



12 路傍になんだかんだ干しています。これは何でしょう?



13 串焼きが焼き上がる間に、右側の広い谷の河原を覗いてみます。



14 カルミモンシロチョウ。生きた姿を初めて見ました。一見タイワンモンシロチョウと何ら変わらないように思えますが、前翅裏面中央に小さな黒点が見えるでしょう? これが特徴の一つです。



15 スソビキアゲハ。この季節のサパの渓谷で最も多い蝶。世界最小のアゲハチョウで、集団でちらちらと敏速に飛ぶため、蠅のようにしか見えません。あちこちで吸水集団(時には100頭近く)を形成していますが、なかなか存在に気付かず、近づくと敏感に飛び散ってしまいます。



16 一応アオスジアゲハの仲間です。常に水を吸っていて、同時にお尻から勢いよくションベンを放出します。数秒に一回。シャッターを切るタイミングがなかなか難しく、この写真も、数えてみたら同じカットを87枚!(デジタルだから可能)も撮っています(12時4分~12時9分)。でも一枚もションベンは写っていなかった(正確に言えば写ってはいます、見えないだけ、この写真も凝視して貰えれば分かるかも知れません)。



17
18こちらはずっと大きなタイワンタイマイ。アオスジアゲハの近縁種で、ヒマラヤ~中国西部~インドシナ半島、および台湾とスマトラに分布します。




19
20 ガキがやって来ました。オッチャンは蝶を写しているので、邪魔しないでね! 相手にされないと見て不貞腐れています。




21 おいおい!やめてくれよ~! ガキに対しては本気で怒れないのが辛いところ。


22
23 アオスジアゲハとタイワンタイマイ。砂地に踏み後が目立つのが難点です。



24 ミカドアゲハの仲間(たぶんチロンタイマイ)。ゴミも目立つのが難点。


25 ジャコウアゲハの仲間のオオベニモンアゲハ。迫力はあるけれど、アジアの多くの地域での細普通種のひとつです。



26 枯れ竹が邪魔なので、そっと近寄って引っこ抜いてみました。夢中で吸水していて、微動だにしません。



27 ハンミョウ。日本のものと同じ種ですね。


28 こちらは日本産とは別種。同じところにいます。



29
30 田んぼの稲穂に、一頭だけポツリと止まっていました。シロスソビキアゲハとアオスソビキアゲハがあり、今の季節にこの辺りで見られるのは全て前者のようです。



31 雨が降ってきたので、滝の売店でひと休み。








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朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第63回)

2011-07-27 14:44:45 | サパ ベトナム 


拷問の道/哲学の道 サパ 20~28.Jul.2011


サパには、来たくて来ているわけではありません。中国でのビザ無し滞在期間15日を過ぎると、否応なしに国外に一度退去せねばならず、ホンコンかラオスかベトナム、ということになります。雲南省の昆明から一番近いのは、ベトナム国境のラオカイ(中国側は河口)ですから、そこからすぐのベトナム最高峰ファンシーファン山3143mに抱かれたリゾートの町・サパに滞在するのは、必然的選択肢となるのです。

滞在に要する費用は中国より更に安く、貧乏な僕には有難い限り。そしてここが中国との国境に踵を接しているのがとても信じられないような、清潔さ、空気の綺麗さ、食べ物の美味しさ、、、、。健康面からも(肉体的にも精神的にも)言うことはありません。しばらく滞在して、写真を整理したり、原稿を執筆したりするには、うってつけなのです。

南国とは言っても、ベトナム最高峰の中腹(標高1600m)ですし、中国とは違って自然植生もたっぷりと残っているので、部屋に籠っていようと思っても、ついつい植物や昆虫の撮影に出かけてしまいます。

町から標高差350m程を下って、欧米人観光客のたむろす滝壷“カットカット”へ、そこから渓流沿いに、観光客の行かない奥へと進みます。川を横切ったり、急坂を上り下りしつつ、同じぐらいの標高を登り返して、ファンシーファン山の中程まで行ったところで引き返し、日が暮れる頃には町に戻って来るのです。

というわけで、“カットカット”に至る途中の石段の坂道を、これまでに一体何度上り下りしたことか。そのたびに、楽しくほのぼのとした想いと、辛く苦々しい想いを、同時に味わうことになります。

お金とは何なのか?
働くとはどういうことなのか?
何が正しくて何が間違っているのか?



本心なのでしょうか? ダブルスタンダードのようにも感じるのですが、、、、。




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