講演内容 |
‟子どもの権利”と未来~いま、私たちにできること~
講師/山下雅彦 東海大学教授
(今回、山下先生ご自身に、加筆、修正、編集していただいております。)
「学校に行ってても行ってなくても、子どもの未来は明るい」
みなさんが向き合ってこられた不登校という現象は、社会的な広い視野と深い懐をもって、「子どもにとって何が一番大事なのか」という物差しと、子どもは教育の対象ではなく主人公なのだという「子どもの権利条約」の子ども観に立って初めて、その本質が見えてきます。
もちろん単純ではなく、子ども自身や、子どもと周りの人との葛藤が付きもので、すんなりはいかないでしょう。でも、学校に行っても行かなくても、子どもは日々成長しているのです。 今日という日の輝きを見失いたくないものだなと思います。
少し前、NHKの『すっぴん!』というラジオ番組の中で、あるリスナー(母親)が「子どもが大学に入って一安心です」「わが子が不登校になった時、この子の人生はもう終わったと思った」とおっしゃったんです。それを聞いたアナウンサーの藤井彩子さんは、「学校に行ってても行ってなくても、子どもの未来は明るいです。楽しいことが一杯あります」とサラッとおっしゃいました。楽天的過ぎるという人がいるかもしれませんが、私はその言葉がスーッと胸に入ってきました。