三橋貴明氏ブログより。
『増税延期 財政さらに悪化 巨額債務の削減困難
http://mainichi.jp/articles/20160602/k00/00m/020/066000c 』
という頭の悪い記事を出し、
『国と地方を合わせた債務残高は過去10年、年30兆円前後のペースで増え続け、2014年度に1000兆円を突破。国内総生産(GDP)に対する比率は2倍を超え、先進国で最悪の水準だ。財政赤字で危機に陥ったギリシャ(15年に1.9倍)より悪い』
と、「ギリシャ」と比較するという使い古されたレトリックで煽ってきています。
そもそも、何で政府の負債を減らさなければならないんだ? 政府の負債対GDP比率を引き下げたいならば、デフレ脱却し、名目GDPを拡大すればいいのでは?
といった正論は、大変残念ながら、一般の国民には理解できません。未だに「家計・経営」と「経済」を混同している国民がほとんどなのです。
というわけで、とりあえず毎日のような頭の悪い論調に対しては、
「日本銀行が日本円を発行し、国債を買い取っているため、政府の借金は実質的にものすごい勢いで減っている」
という返しが分かりやすいのではないかと思います。
【日銀保有国債等と日銀以外が保有する国債等(単位:億円)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_52.html#Nichigin
すでに、15年末時点で、日本政府の実質的な負債は、ピークの2012年9月と比べて、130兆円も減っています。
これが「事実」なのです。
現実に、政府の負債が減っているにもかかわらず、未だに毎日のような頭の悪い報道が平気で垂れ流されるのが、我が国のマスコミクオリティです。
また、毎日のような「ザイセイハタンガー」以上に厄介なのは、
「財政出動は必要だが、5兆円を一度だけやればいい」
といった財政拡大「抑制」論です。
安倍総理が会見で繰り返していましたが、デフレ脱却のためには「脱出速度」が重要になります。少なくとも、10兆円規模の財政出動を3年間は継続する必要があるわけですが、それを「16年度のみ、補正予算5兆円」などでお茶を濁そうとするわけです。