徳川光圀(二の丸展示館 三の丸2-6-8)
桃源遺事という光圀の死後1年くらいにだされた、光圀の逸話を数多く紹介した一種の伝記があります。その中に、「大抵の目の少し細かたに御見へ候が、御見張候得は(見開くと)尋常の目よりハ大きなる御眼なり。御耳ながくしかも大なり、御鼻柱とほり(通り)て高く、是(これ)や隆準(りゅうせつ)とも申べきか。」という部分があるそうです。ただ、耳の説明がない伝本もあるようです。写真は大きな耳を強調しているような感じの肖像です。
地蔵(薬王院 元吉田町682)
仏には、三十二相といって、ひたいに白毫(びゃくごう)という巻いた白い毛があったり、足の裏に輪の形があったりするそうですが、さらに八十種好という特徴もあるそうです。その中に長くて大きな耳(いわゆる福耳)ということがあるそうです。この地蔵などはいかにも福耳らしい彫り方になっています。無縁供養塔のある石造物群の中にあります。
木鼻(象)
木鼻(獏)
木鼻 象(善重寺 酒門町2096-2) 獏(ばく 十一面観音堂 鯉淵町481)
木鼻には色々ありますが、その中で、象と獏は似ています。区別の一法として、耳があるようです。象の耳は大きくたれ下がる形になり、獏は小さくて先のとがった突き出るような形になるようです。
内耳土鍋
土鍋(埋蔵文化財センター 塩崎町1064-1)
上の写真は内耳土鍋(ないじどなべ)という、持ち手が器の内側にある土鍋だそうです。紐などを通すように見えます。渡里町の台渡里(だいわたり)遺跡から出土した戦国時代(15~16世紀)の陶器だそうです。普通の耳は写真下のように、容器の外側に付けるようですが、この(耳杯)ように耳形になっていたので、耳といわれたのでしょう。
耳皿(二の丸展示館 三の丸2-6-8)
箸やさじを載せる食器のようです。斉昭が始めた七面焼きの製品のようで、『「偕楽」銘七面灰釉(かいゆう)耳皿』と言う名前で、水戸城二の丸から発掘されたと表示されていました。