むかしからいわれてきた食い合わせには、あまり科学的根拠のないものも多いようですが、場合によっては問題が起こりるものもあるようです。
粟(アワ)に杏仁(キョウニン)
いっしょにとると消化器に影響して、嘔吐や下痢をおこすことがあるということが、今もいわれているようです。杏仁はアンズの種にある仁(さね)の部分だそうですが、漢方で使われたのでしょう。こうした、漢方の薬物と普通の食物との食い合わせが救民妙薬ではよく取り上げられているようです。写真は筑波実験植物園で見たアワです。
酸(酢)に茯苓(ぶくりょう)、丹参(たんじん)
茯苓は、マツホドというサルノコシカケ科のキノコの本体部分、丹参はサルビアに近い仲間の赤い根だそうです。ともに、酢といっしょにとると、中毒をおこすことがあるそうです。
大蒜(たいさん ニンニク)に蜜
ニンニクだけでなく、タマネギ、ニラも同様だそうですが、蜂蜜とは合わないそうです。どれも胃腸の働きに関係するので、重ねて用いることによって、腹痛や下痢をする場合があるそうです。ただ、蜂蜜漬けニンニクという商品も流通しているようなので、どうかなとも思います。
芥茎葉(からしくきは)に兎、鯽魚(フナ)
貝原益軒の養生訓に、「兎肉に、生薑(ショウガ)、橘皮、芥子(カラシ)、鶏、鹿(しし)、獺(カワウソ)」、「鰤魚(フナ)に、芥子、韮(ニラ)、餹(あめ)、鹿、芹(セリ)、鶏」とあるそうです。これなどはどんなものなのでしょう。写真は江東区の木場公園で見たカラシナです。芥子(からし)は、カラシナなどの種から取った香辛料だそうです。
桃に蒼朮(そうじゅつ)、白朮(びゃくじゅつ)
漢方で、蒼朮はホソバオケラの根茎、白朮はオケラ、オオバナオケラの根茎だそうですが、似ていても多少効能の違いはあるようです。モモといっしょにとると体調不良を起こすようです。