徳川光圀が鈴木宗与に元禄6年(1693)にまとめさせたという救民妙薬には、食い合わせの一覧があります。その中にある一部を抜き書きしてみます。全部で27の項目がありました。
蕎麦に猪、羊
室町時代の百科事典・拾芥抄にもありますので、一般的にいわれていたのでしょう。写真は筑地町で見た蕎麦畑です。
鯽(ふな)に砂糖。
正徳2年(1712)に貝原益軒によって著された養生訓には、鮒には、芥子、にら、飴、鹿、芹、鶏、雉とあるようです。
韮(にら)に蜜、牛肉
全体的に砂糖、蜜(大蒜(にんにく)と蜜)といった甘い物を食い合わせに取り上げる事が散見されるようです。韮と牛肉はともに、体を温める作用があるので言われたのでしょうか。中国薬膳の考え方も基本にあるような気がします。
李(すもも)に蒼朮(そうじゅつ)、白朮(びゃくじゅつ)
蒼朮はホソバオケラ、白朮はオケラなどの根茎の漢方薬だそうですでの、民間でできる薬との関係も考えられていたようです。
枇杷と麪(こむぎのこ)
「びわとそうめん」といった伝承は広くあったようですので、その考え方から書かれたのでしょうか。
鰻驪(うなき)に銀杏(ぎんなん)
養生訓にもあるようです。医学的根拠はないようですが、銀杏の食べ過ぎは中毒になるそうです。ともに、精がつくといった考えからなのでしょうか。
鶏に鯉、葱(ひともじ)、糯米(もち)。
これも、養生訓には、鶏肉と卵には、芥子、にんにく、生葱、もち米、すもも、魚汁、鯉などとたたくさん並んでいるそうです。救民妙薬の食い合わせには、牛、鶏、兎、雉、猪、犬、羊、豕(いのこ)といった多様な肉が並んでいて興味深く感じました。
狗(いぬ)に韮、蕎麦
韮などのネギの仲間は犬に食べさせてはいけない食材だそうですので、そんなことが関係しているのでしょうか。
最後に、水に落として浮く猪肉や、死んだ動物の肉、口を閉じた動物の肉は食べてはいけないとあります。
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