寺社建築には、縁起物である鶴の彫刻がよく使われるようです。神社の拝殿、本殿、手水舎、鐘楼などの、懸魚と大瓶束の部分にほとんどがあるようです。
水神宮・稲荷神社(北見町3)
拝殿の懸魚。鶴は左向きが多いようで、今回は、鶴一羽の彫刻が10個あり、その内8個が左向きです。
酒門神社(酒門町94)
拝殿の懸魚。鶴の足は左側にあって、体をひねったそうとう無理な姿勢をしているように見えます。これに似た形は、懸魚以外でも見られます。
伊勢神明社(柳河町411-1)
拝殿の懸魚。風切り羽とそれ以外の羽の彫り方をどの彫刻も変えているようで、彫刻に決まり事の一つのように見えます。
伊勢神明社(柳河町411-1)
拝殿向拝の懸魚。これは同じ懸魚でも、拝殿入り口にある向拝の唐破風に付けられるもので、「兎(う)の毛通し」というそうです。装飾的なものが多いようです。
芳賀神社(栗崎町1677)
本殿の懸魚。背後に雲とともに、尾羽が彫られているようです。後光のようなものをイメージしているのでしょうか。
有賀神社(有賀町1032)
本殿の懸魚。これは、左向きで足を彫らない形のようです。これにも尾羽があります。
別雷皇太神(元山町1-1-57)
手水舎の懸魚。向かい合って飛ぶ鶴が彫られています。これは少数派のようです。
神応寺(元山町1-2-64)
神応寺境内にある和田平助廟の懸魚。和田平助の新旧のお墓が廟の中にあります。験担(げんかつ)ぎにお墓を削ることがはやったそうですので、廟を建てたのは、それを防ぐ意味もあったのでしょうか。この懸魚は廟堂の裏側にあります。
天徳寺(河和田町914-1)
鐘楼の懸魚。これも右向きですが、上の和田平助廟と同様に、足も右の方にのびているようです。
民家(飯富町)
民家の懸魚。民家で見た鶴の懸魚は今のところここだけです。相当風化が進んでいますが、左向きの一般型のようです。
天神社(元吉田町36°21'25.8"N 140°29'17.8"Eあたり)
本殿の大瓶束(たいへいづか)があるべき部分。この天神社の本殿は、そうとう凝った彫刻が、過剰なくらい全体に貼られていて、一見に値します。華やかな鶴も、たくさんの彫刻の中で霞んでしまいそうな感じです。裏側には逆向きの鶴が彫られています。
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