弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になって原告になった竹内浩史のどどいつ集

裁判員制 失敗したら どうするんだと 事なかれ

2008年02月03日 09時10分19秒 | 未分類
愛知県出身の私は、中日新聞を読んで育ったし、任官の際の中部弁護士会連合会の推薦委員会では小出宣昭編集局長にもお世話になった。
だからというわけではないのだが、任官して東京に来てからも、東京新聞だけは一貫して購読している。東京新聞には、中日新聞やインターネットでは読めない「こちら特報部」など素晴らしい記事も掲載されている一方で、日経・読売・朝日・毎日よりも低価格で、お得感がある。

特に楽しみなのは日曜日。まず、学校教育にも活用されている「サンデー版大図解」(今日のテーマは「レアメタル」)。
そして、社説「週のはじめに考える」では個別の問題から離れた論説委員の大局的な見識が示される。

今日の社説は「憲法に命を吹き込む」
後半では裁判員制度に対する一部の人による批判に反論している。
こちらはインターネットでも全文が読めるので、是非読んでいただきたい。

私は最近、反対論には一種の「事なかれ主義」を感じている。日本国民がそれでは、日本国の裁判官もそこから脱却できないだろう。

(新明解国語辞典より)
「事なかれ主義」
 最善の結果を得ようと努力するよりは、平穏無事に事が済めばいいということだけを願う、消極的な考え方。

(上記社説から抜粋)
 「違憲のデパート」だの「冤罪(えんざい)の巣」だのと一部の人による批判がやみません。いずれもさまざまな場で反論が尽くされていますからここで詳しくは触れませんが、批判論者の中心がかつて司法を担っていた人であることが示唆的です。
 背景に「自分たち専門家の聖域に素人が踏み込んでくる」という嫌悪感がないでしょうか。
 国民の直接参加は司法全般の基盤も強化します。
 裁判員制度の実現で幅広い層の理解と支持、つまり国民的基盤を得られれば、司法は立法、行政と対峙(たいじ)できるでしょう。裁判員制度は三権分立制に命を吹き込むのです。