弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

それはそもそも 憲法違反「抽象的違憲 審査制」

2022年06月25日 20時34分06秒 | 裁判
憲法を学んだ者には常識であるはずなのだが、日本では「抽象的違憲審査」は裁判所に認められていないというのが、通説・判例である。
これは、憲法判断をためらわず「司法積極主義」と言われるアメリカでも同様だ。
昨日、合憲判決がされた妊娠中絶制限州法の違憲訴訟でも、原告は新たに中絶手術の規制を受け、違反すれば処罰を受けることになる州内のクリニックだった。
日本でも当然、原告適格は認められるであろう。
しかし、新しい立法等について、抽象的に違憲判断を求める訴訟が相次いでいるように見える。単に国家賠償請求の形を取れば良いというものではなかろう。
適切な原告を探し求める努力をしなければ、適切な憲法判断が得られるはずはない。
なお、長官は、合憲派の結論に与しながらも、わざわざ判例変更までは不必要という意見だった。
憲法判断自体に積極的であるとしても、違憲判断に積極的とは限らないことが分かる。これは日本でも同様である。

第二次「南北 戦争」産むか? 判例変更 6対3

2022年06月25日 00時00分31秒 | 判決どどいつ
https://www.supremecourt.gov/opinions/21pdf/19-1392_6j37.pdf
今日のアメリカ連邦最高裁判決から。
何と半世紀ぶりに、各州による妊娠中絶の厳しい規制を合憲とする方向で判例変更をした。
これまでは5対4で是々非々の立場を取る長官がバランスを取っていたが、ギンズバーグ裁判官の後任としてトランプ大統領が任期終了間際に指名した保守派裁判官の票が決め手になったように思われる。
アメリカの分断はかなり深刻だ。