それは・・・おってな(一昨日)の晩、オラはあったけぇ(温かい)風呂にへぇっ(入っ)て、焼酎をチビチビと飲んでおった時のことじゃった。
酔いが増す程に明りが妙に暗く感じてのぅ、何かヘンじゃなと思う間もなく、今度は心の臓がバクバクと踊リ出したんじゃよ。
こりゃ血圧でも上がったかと思うてのぅ、血圧計なる物で測ってみたんじゃな。するとのぅ、血圧が91-37、脈拍87じゃと。
血圧が91-37となると・・・こりゃまるで死人のようじゃで、オラびっくらこいて思わず腰を抜かしそうになっちまったわい。
「コレがオラの血圧だ」
「オイ、婆さん(オラの嫁っこだ)や、オラ体の具合がおかしいで、一寸来てみてくれんかのぅ」と、炊事中の婆さんに声をかけたんじゃよ。
婆さんは、「酔っ払いが、困ったもんだのぅ」と"せい(言い)"ながら血圧計を覗くと、「爺さん、おめさんは既に死んでいる」とほざきゃがった。
それでもちぃっとばかりしんぺぇ(心配)になったのか、「血圧計がおっ壊れているかも知れんで、もう一遍測りなせぇ」と婆さんが"せう(言う)"んで、
気を取り直し、もう一度恐る恐る測ってみたんじゃが、めぇ(前)と変らずメチャクチャな数値でのぅ、オラ訳が分かんなくなっちまったんじゃよ。
「二度目もこのとおりだ」
この事態に、さすがの婆さんもビックラこいたのか、「オラも測ってみるべ」と測ってみたんじゃが、「オラの血圧は正常だ」と"せう(言う)"んじゃな。
二度あることは三度あると"せう(言う)"が、三度目も同じような数値で、機械の故障じゃねぇとなると、オラ目の前が真っ暗になっちまっただよ。
っちゅうことは・・・「早よぅおいでなんし~」とあの世で何方さんかがオラを手招きしてるんかのぅ。「薄気味悪いのぅ・・・まだ死にたかないのぅ」
「三度目も変らずだ」
そうとなりゃ、あれこれ考えてもしょうがないんで、そんな時にゃ寝ちまうのが一番と、その夜早々に寝床へと向かったんじゃ。
幸い、何でもなかったかのように翌朝眼が覚めたんじゃが、後で聞くと、婆さんはその夜しんぺぇ(心配)をしてくれていたようじゃな。
「婆さんや、オラがポックリとあの世へ逝っちまうかと、しんぺぇ(心配)になったかや?」
「いくら因業ジジイでも、ことがことだけに、そりゃぁちっとはしんぺぇ(心配)になるさぁね」
「なんだかんだ"せっても(言っても)"女房ってのはありがてぇもんだなや」
「夜中にオメさんを棒で突っついてみたら動いたもんだで、やれ安心と、オラようやく寝ただよ」
「ほほぅ~ オラが無事かどうか、棒で突っついたとな!?」
ってなことがあり、その後、カミさんが義兄にこの話をしたところ、「石灰窒素を撒いた後、酒を飲んだか?」と聞かれたそうな。
義兄が言うのには、「石灰窒素を撒いた後、酒を飲んではいけないと袋に注意書きが書いてある筈だが、知らなかったのかな?」とのこと。
原因は、コレか?
その日、アスパラハウスへとやって来たオイラは、密封したハウス内でマスクもせず、粉状の石灰窒素を大量に撒き散らしたのであった。
その上悪い事に、今日は一生懸命仕事をしたんで酒が旨いとばかり、焼酎をたらふく飲んでしまったことが原因であるらしい。
注意書きには・・・散布後の飲酒に注意と!?
我が家へと用事でやって来た姪っ子にこの話をすると、「おじちゃん、この場合、直ぐに医者へ行くって話しだよね」と笑われた。
知らなかったこととは言え、今思うとかなり危ない橋を渡っていたに違いない。まっ、命があっただけ儲けものてことで・・・・
ボチボチ更新しますんで、ヨロピク!
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