今では遠い遠い昔の想いで・・・
ちょうど紫陽花が咲いている今頃の季節だった。
私はとても好きだった人に別れを告げた。
本当は別れなど言いたくはなかった。
好きだった、とても。
あの人を思い出すだけで涙が出て来た。
本当に優しかった。
でもいつの間にか、あの人は私から離れて行った。
寂しかった。
でも、別れようとまでは思わなかった。
ある日、ある事が分かった。
あの人は誰にでも優しい同じ言葉を言っていた。
私に言っていたと同じように。
辛かった。
それでも、私はあの人の心が分からず、ずっと甘えていた。
ある日から、あの人は何も言って来なくなった。
あれほど優しかった人が、
信じられなかった。
今度はあの人といると、辛くなった。
わざとらしく、他の人にやさしい言葉をかけていた。
まるで拷問でもされているようだった。
もう、以前のように、私に優しくしてはくれなくなった。
私は別れる事を決意した・・・
さようなら、私の愛しかった人。
さようなら、私の大切だった人。
いつまでもお元気で。