Sydney Yajima


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USドルの崩壊時期

2009-03-15 21:34:43 | 世界情勢
USドルの崩壊時期

よく、分かったようなことを言う人がいる。
夏までに崩壊するシナリオだとか、あるいは秋ごろにドルが急落する・・・など、観測は様ざまで、どれも、当たっているように思えるから、みんな惑わされて 感心しているが、本当のところは、ちょっと大学で教鞭をとっていたとか、あるいは、外資系金融に勤めていたといっても、そんなチンピラには分かるはずはないのである。

たとえ、MBAを持っていていっぱしの意見を言う人がいても、その人には、アメリカのFRBも決して相談していない。

為替は、神様にも分からないといわれる代物だ。なぜなら、それは人間が決めるからである。それも、限られた・・・

だから、マーケットの動向や、あるいはチャートで傾向を見ようと思っても、無理な聖域だ。FRBが決めるんだろう?冗談じゃない。FRBは、確かに利率を決定したり、現在の消費動向を見守ったり、あるいは、それを観察して新しい提言を行ったりするかもしれないが、それは、企業で言えば経理が、現在の経理状況から会社の状況を判断するCのつく人々 (CEO CFOなどなど・・・)に 意見するのに似ていて、実際に為替をどの程度のところで落ち着かせるかという 決定を行うことはしない。彼らは決定に従って、そこにあわせて利率を決定していたりするかもしれないが、為替はもっと、他の人々がデザインしている。

したがって、私は何時 アメリカドルが崩壊するか。など、仮に、大まかに情報はあったとしても、一般の人々が見るここで書くつもりはない。無論、GSMの中では、書くこともあるかもしれないが・・・

だが 次のことは言える。

例えば、オーストラリア ドルが弱くなると、日本にはどんな影響が出るか?ということなら、解説できる。
オーストラリアドルが弱くなると、輸入する肥料が上がるために食料品が高くならざるを得なくなる。これにより、日本のような食料自給率の低い国は、その高くなった食料品を買わざるをえなくなる。そのときに、日本円が強ければ、話はトントンになるが、もし、日本円がドル保有を高めすぎていて同じリスクをかぶって、弱くなっていたら、食料品には手が届かず餓死者が出る。
日本は今までのたくわえと、借金とがあるので、帳尻が合うのか合わないのかさえ、天文学的な数字で、分からないくらいだから、食べ物が買えなくなるほどの貧乏になるかどうかは 分からない。多分・・・多分だが、大丈夫だろう。だが、もしかすると、もっと貧しい国には、餓死者が出ることはほぼ、確実な状況になる。

今、オーストラリアでは、、人糞を混ぜた肥料を輸入して使うかどうかを真剣に論じている。もしかしたら、その中からまた別の病原菌を輸入することになるのではないか?という議論だ。人糞なら、コストが 約半分に抑えられるのだそうだ。まったく実際は ウンコ を輸入するかどうかという相当馬鹿げた議論で、だけれども、馬鹿にできない、大事な話なんだが、それが、世界の食料事情と、ドルの上下にかかわって来るというところまで、真剣に考えている日本の政治家は、何人くらいいるんだろう?

でも、私の書くことを 馬鹿にしない人には、少し、ドル安になったとき、どうなるかを考えるべき、材料を提供しておきたいとおもう。



1. アメリカの企業が、輸出をしているとき、その企業が為替差益で 利益が出るような仕組みを持っているかどうか?
2. 国内需要が見込める工業製品を作っている会社は、流入する製品に対してどのくらい競争力を持っているか?ドルの崩壊は、アメリカの崩壊を意味するのではない。それは、アメリカの死にかけた企業が、強く復活する可能性を同時に秘めていることを常に頭の片隅に 置いておくべきだ。
3. もしあなたが、たくさんアメリカのボンドを持っていたなら、ドルが安くなった後の利率の上昇(これは、ドル安を食い止めるために起こりうるシナリオとしては、相当クラッシックだが、ありえるセオリーだ)に、どう対処していくか?
4. もし、未来のマーケットに不安を感じていたなら、あなたは多分、ゴールドの現物を買おうと思うかもしれない。ゴールドは、避難場所としては最適だと考えられるあらゆる過去の歴史の証拠があるからだ。だが、思い出してみてほしい。本当に、常にゴールドは安全であっただろうか?経済の崩壊とともに、ゴールドの価値もまた大きく落ちたことは、過去にも何度もあった。したがって、財産のほとんどをゴールドに変えてしまうことが、正しいのか、それとも一部をそうしておくのが正しいのかは、立ち止まって考えるべき価値のあるところではないだろうか?

世界に吹き荒れる風。戦う20カ国の思惑

2009-03-15 01:25:42 | 世界情勢
世界に吹き荒れる風。戦う20カ国の思惑

この70年に一度と呼ばれる不況は、かつてあった大恐慌に匹敵すると言う表現で、どこか、安心しようとしているのかもしれない。

あのとき、あれほどひどかった大恐慌を乗り越えたのだから、今度の不況もあれくらいのものだから、大丈夫、しばらく時間はかかるかもしれないが、きっと乗り越えられる。

そう言い聞かせているように思える。

今回の不況をGreat Recessionと名付けることに決まったようだ。参照

台風にカトリーナなどと名付けるように、不況もこのレベルになると、ちゃんと名前がつく。たいしたもんだ。感心している場合ではないか・・・

2010年も回復する見込みのない大不況なのだとIMFが、折り紙つきで言ってのけたのだから、それは、その通りなんだろう。このままで行くと、貧しい国には食料が足りなくなる。

オーストラリアもここに来て、かなり危機感を高めている。失業率が大幅に増えてきている。参照:すでに、5.2%にも達しており1991年の不況時に並んだ。オーストラリア、特にシドニーでは、ここ数年のマイニングブームのあおりを受けて、景気がよく 不動産が異常なまでに高騰した。オーストラリアの土地は平野が多く、開発にはあまり日本のように金がかからないと言われている。土地は日本の国土の20倍以上あるけれど、実際に人が住んでいるのは、海岸線に近いところばかりである。
高騰し続けた不動産を買った人々は、重くのしかかる借金に、追われるようにして、家を手放さなくなるという事態が始まりつつある。
ここがオーストラリアの消費の冷え込みにもっとも大きく影響すると考えたラッド首相は、手をこまねいて見ている訳ではなった。
まずは、初めて家を買う人に、新築ならば$21,000 古家ならば$14,000の補助を出すと宣言。参照

さらには、利率を大きく下げて、不動産の下げ止まりを試みた。
参照

すでに3.25%まで下げたが、それは単にオーストラリアドルの下げを誘発しただけで、根本的な治療にはならず、一時しのぎといわれても仕方のない、パッチワークだった。

なぜなら、雇用の確保という根本の治療をしていないからである。すでに、来年の失業率が7%を越えることが確実になっている今、不動産の下落を支えることができなくなるのは、目に見えている。
今まで、不動産の高騰で景気がよかった人々も、また、スーパーアニュエーションを組み替えていた人々も、またファイナンシャル プランナーに言われるがまま、サラリーサクリファイスを続けていた人々も、みんな、茶番劇につき合わされていたと思うかもしれない。それも人生をかけた命がけの茶番劇に。

 
言うまでもないことだが、今回のIMFの発表を鵜呑みにして、「不況なんだな」とため息をついている人がいたら、その人は、本当に愛すべきいい人だろう。おそらく、彼は警察は悪いことをしない、裁判はいつも公正で、良いことをしていればきっと、神様が見てくれているから大丈夫だと、胸を張って言い切るだろうし、日曜日には欠かさず教会にも現れるかもしれない。

だが、実際の世の中は、もう少し汚れている。
私は、今回の不況は、大仕掛けが働いている結果だと思う。腕時計が12時を過ぎると、日付が機械的にかわるように、大仕掛けは、XX日に、日付を変える。それが自然現象だという人もいる。

自然現象?

そうなんだ。確かに、そういう自然現象を我々はよく知っている。ダーウィンの進化論だ。つまり強者は弱者を駆逐する。環境に合ったものが生き残る権利のある生物で、環境に適さないものは生き残ることができない。単に、魚のひれが足になったり、手になったりするのではなく、過程には壮絶なる数の絶滅種があり、その中でわずかに生き残った生物が今の我々なのである。という考え方だ。

これを経済に適応してみたら、様ざまなことが分かる。
地球環境が、大きな流星ひとつで大きく変わることがあるように、経済もひとつの大きな流星をぶつけてみたら、大きく環境が変わる。ただ、地球規模の環境変化と経済は、大きな違いがある。それは前者が自然現象であるのにひきかえ、後者は人工的に行われることがしばしばあると言うことだ。

ここまで言えば、分かる人にはすでにピンと来るものがあると思うが、今回の平成の大不況も、もちろん、仕掛けた人間がいて、落ちてくるフルーツが熟すまで待っているのだ。

彼らの待ち方は様ざまだ。
もしかしたら、私自身 待っている人間の一人なのかもしれない。なぜなら、今回の不況をうまく乗り切れば、下克上。つまり持たざるものが一気に上に躍り出ることができる、人生最初で最後のチャンスかもしれないと言っている。
今回の不況を、定石どおりCPを高めて、安くなったら買おうと思っている人もいれば、ゴールドの現物をしこたま仕入れて、ニタニタと笑っている御仁もいるだろう。あるいは、私のように、次の鉱物資源を探している人間もいる。

どれであっても構わないけれど、正解は最後の審判とやらが決まったら、分かるようになるだろう。

まだまだ、もう少し先の話だ。