Sydney Yajima


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ダウ7000割れ

2009-03-03 02:02:50 | Weblog
ダウ7000割れ

現在、ついにダウが7000を割り込んだ。今、6800前後で取引されている。1997年の水準になった。これで、アメリカの半分の資産が、ほぼこの一年ですっ飛んだことになる。心理的抵抗線というものが、存在するとすれば、次は、5800ポイントあたり、強い心理的水準は、5000ポイントだろうが、まさか、そう簡単に、その水準までは落ちないだろうと 願いたい。
日本ではバブルの後よく失われた10年といわれたが、まだ底の見えないアメリカの株価は、あと半分。3500ポイントあたりまで、落ちると、日本の経験した4分の1の株価になる。
おそらくこの辺が、いっぱいいっぱいの落としどころかな・・・。今の日本の株価平均が、まだつられて下がることを、考え合わせると、日本の日経平均が、3000近くまで下がる?ということだ。そうなると、バブル最盛期にくらべて10分の一の国力になった日本ができあがるわけで、これも、まさか・・・と思う。ちなみに、そこまで下がると日本は万国博覧会が大阪であったころに戻ってしまう。現在の水準でさえ、1980年代の初めなのだから、今は 失われた10年どころか、没30年なのだ。
もちろん、今、私自身、最悪のシナリオを半信半疑で書いている。まさかそれはないだろう・・・そう思いながら書いてはいるが、今の水準から底が見えればまだしも、ぜんぜん見えてこない段階では、“なんでもあり”の状況には変わりは無い。

AIGの追加支援策などを、アメリカ政府が発表しているが、まったく不安解消になるどころか、かえって、「他にもあるんじゃないか?」と、別の憶測を呼び込んでしまい、金融に一気に不安が広がっている。

こんな折、RBA(オーストラリア連邦銀行)から面白いメールが届く。
Preliminary estimates for February indicate that the index rose by 0.3 per cent (on a monthly average basis) in SDR terms, following a slight increase (revised) in January. The largest contributor to the rise in February was the increase in the price of gold. The prices of coking coal and beef and veal fell. In Australian dollar terms, the index rose by 2.8 per cent in February, following a fall of 1.5 per cent (revised) in January.
(RE:http://www.rba.gov.au/Statistics/commodity_prices.html)

確かに、ゴールドの躍進によるかもしれないが、それでも2月の数字は2.8%も上昇している。石炭と牛肉の価格が下がっているにもかかわらず、ベースメタルは調子がいい。なぜなんだろ?と思う。もしかしたら、これはアメリカに注目している間に、別のどこかで、おおきな胎動が起きているのではないか?と 今 私は疑い始めている。当たり前に考えれば、それはやはり中国で、もしそうであれば、中国の底力・・・国内消費がのびはじめているのか?と思えてきた。アメリカの消費牽引がなくなっても、案外世界は今までどおり、消費をどこかで続けていき、経済の枠がシフトしていく過程が、もしかしたら、今の状況なのでは?

これは、目が離せない状況になってきた。

RBS

2009-03-01 00:40:53 | 世界情勢
バンク オブ スコットランド

イギリス市場始まって以来の、大きな資本投入になった。だが、問題はその金額の多さではなく、将来の展望が見えてこないということに つきる。一番、大きな問題がここにあるにもかかわらず、みんなそれを直視するのがおそろしいのか、触れようともしない。悪いのは分かっている、GMだって、悪いのは分かっている。アメリカ経済だって、悪いのは分かっている。スコットランド銀行をRBSは95%も国有化し、(RE:http://ca.reuters.com/article/businessNews/idCATRE51O2G220090226)アメリカはシティを38%国有化し、GEも配当を1938年以来 始めて切り詰めた。もちろん、もう、ファニー メイや、フレディーマックのことなど、触れる必要も無いだろう。もう、十分なサインだ。とっても分かりやすい。ようするに、悪いということは、よーく 分かった。しかも、それが いつ? どうなればよくなるのか、が見えていないし、オバマ大統領の演説だけで、景気が良くなることもない。日本の景気も、底が見えないままだ。このまま、ずるずる落ちるというのなら、まだいい。なぜなら、落ち込んでしまう前に、どこかで手を打てる可能性があるからだ。だが、ドンドンと音を立てて崩れていくのは、まずい。
最後の決め手は、おそらく、銀行を国有化し、世界を保護貿易にもどし、政府が金融を管理する社会主義化だが、国有化という言葉を、政府は、嫌っている。まじて社会主義など、持っての他の話だと、一蹴する風潮が、根強い。
だが、いつまで、じりじりと一寸刻みに国有化していく銀行を、見ながら社会主義国家を作ることにためらい続けることができるのだろうか?(Re:http://www.house.gov/paul/tst/tst2002/tst081902.htm)

これは、社会主義国家になりつつある世界観を早く持つべきで、日本ではその議論さえ まだまだされていない。銀行・・・それも大手の・・・が、国に所有されるということ自体、すでに、社会国家の位置づけが正しい国家体制なのだと私は言っている。

ここで勘違いして欲しくないのは、私にはそれが正しいとか、より良い社会になるなどという種類の意見を持って、言いたいわけではなく、物事を当たり前に、ありのままに見れば、銀行が国有化されることになると、社会主義とそれを呼ぶのだ。と言っているに過ぎない。

だが、アメリカを始め、世界は社会主義という言葉を嫌い、決して社会主義とは言わない。銀行を国有化するか、しつつあるということも、言わない。ただ、XX%銀行を取得して銀行の健全な経営に至るまでに手助けをしているという言い方をしている。なぜなんだろう?

一つ目の理由は、アメリカは社会主義国と長い間、対峙してきた冷戦という経験があるので、その言葉にとても強いアレルギー反応があるのでは ないだろうか?中国の共産主義とも、一脈通じる社会主義は、アメリカの自由産業にとっては、敵であり、決して受け入れられるものではなかった。だから、もしできれば、そういう言葉は使いたくないのが、本音かもしれない。だが、銀行を国有化する国を、誰がなんと言っても、社会主義国家というのだということを、識者はとっくに見抜いており、多くの指摘がなされている。

もうひとつの理由は、もしかしたら、アメリカ政府も、巨大借金銀行を丸呑みする自信がないのではないか?ということだ。

もし、一つ目の理由だけなら、社会主義に変わる何か新しい言葉をつけて、内容は同じようでも、アメリカの体面とやらを傷つけずに、乗り越えることはできるかもしれない。だが、もし、そうではなく、二つ目の理由であったなら・・・世界は借金まみれの銀行と企業をさっさとつぶして、一からやり直したほうがいいということになるだろう。
これは先延ばしすればするほど、傷が深くなるかもしれない。