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「東籬下 」
十月に入り今年もこの短冊を出して掛けてみました。
陶淵明の詩「飲酒二十首」其の五 にこうあります。
「盧を結びて人境にあり 而も車馬の喧しきなし
君に問う何ぞ能く爾やと 心遠ければ地も自ずから偏なり
菊を采る東籬の下 悠然として南山を見る
山気に日夕に佳く 飛鳥相い与に還る
此の中に真意あり 辨全と欲して已に言を忘る」
「採菊東籬下 悠然見南山」は、この一節を取り出したものです。
おけいこでは去年もお話ししたと思いますが、
初めての方のためにちょっと説明します。
陶淵明は、はじめは幾たびか高級仕官を志しますが、
自分の環境から見て将来性のないことを悟り、また上司にペコペコすることを嫌い、
故郷に帰り地位名誉からも離れて、
酒と菊花を愛して悠々自適の生涯を贈ったと言われる詩人です。
「東の方のま垣の方から、菊のいい香りがしてきてたので、
屈んで一枝折ろうとすると、目の前には南山がそびえている・・」
直訳はこのようになるのでしょうか。
九月九日の重陽の節句を菊の節句といいますが、
旧暦で言うと今頃ですね。
今日はこの色紙を眺めながらのお稽古です。