私が若いころ、親が腰痛だ、膝痛だ、サプリメントだ、薬だ、湿布薬だと、色々気にしていたのが不思議でならなかった。
自分が歳をとってくると、若いころには感じなかった身体の不調を感じるようになった。
膝痛はないけれど、頭痛だ、蕁麻疹だ、サプリメントだ、胃腸炎だ、喘息だと気にして、薬やサプリメントを飲むようになった。
自分の親は認知症が入っている。
心配だけど自分の生活もあるから、いつも一緒にいることは出来ない。
家族がいて、ヘルパーさんに来てもらっているけれど、何かが足りないのだろう。
現実ではないものを見たり、不安になったりする。
ただ生に対する執着心は人一倍ある。
人と会話したり、笑ったり、自分で歩いたり、洗濯をしたり、美味しいものを食べたり、いつまでも元気でいられますように。
小学生位の大きさの、子供のヒューマノイドロボットが自分の家にいて親を見守ってくれる。
タラちゃんみたいな声で、
「お母さん、薬は飲みましたか?」
「ちゃんと飲まないとダメですよ!」
「お母さん、お熱と心拍数を測りましょうね!」
「今日は体調がいいですね、お散歩に行きましょう!」
「お母さん、いつも見ているテレビの時間ですよ。一緒にみましょう」
「お母さん一緒に歌を歌いましょう、何を歌いましょうか?」
「お母さん一緒にマッサージしましょう。」
「お母さん具合が悪いみたいですね。病院に連絡しますね」
「お母さん今日は誕生日ですね。Happy birthdayを歌いますね」
「お母さん今日の私のジョークはどうですか?」
「お母さんが眠るまで、私が手を握っていますね!」