大学を卒業して、奈良で仕事をしていた頃のこと。
ある時季になると、時々周りの人から「香水使っているの?」と言われることがありました。最近では男の人でも香水をつける人がいるみたいですが、僕はそういった類のことに興味が無く、香水をつけたことはありません。それに整髪料などもつけません。
疑問に思って、「何で?」と聞き返すと、「だって、ほらシトラスの香りがするじゃん。」との答えが返ってきます。ああ、たしかに自分では気付かなかったけれど、ほのかに柑橘系の香りがしています。
その時、ピンときました。
昼食のデザートとして、実家(因島)から送ってもらったミカンを食べた後だったのです。皮を剥くときに手や服に果汁が付いたのでしょう。その香りは懐かしく、甘酸っぱい香りがしました。