ああ、あの日からもう１０年

あの日から１０年が過ぎた。

忘れることのできない１年中で一番辛い日。亡くなった日よりこの日のほうが憎い。

３月２９日から２泊の予定で行った温泉旅館で今夜と言うか３０日の早暁、彼は突然倒れた。

フランス料理の夕食をおいしく食べて眠りについたのに。

それきり意識が戻らなっかったので、彼と話したのはこの日が最後になった。

１１月９日に亡くなるまで、ネットでいろいろ調べて同じ病気で生還した人の手記を読み、希望を

持った日もあった。彼を家に連れて帰るために（我が家は道路より少し高く建ててあるので）

空いている地続きの土地にに小さな家を建てようとも思った。

すべて何もできないまま、私はその温泉地の民宿で半年余りを過ごした。

不安な、辛い日々をブログを書くことで吐き出していた。

ああ、あの日からもう１０年か。この先１０年は生きられそうもない。

今日息子と電話で話したが彼も亡くなったときより倒れたと一報を受けたときのほうが驚いて

辛かったという。東京の会社から飛んできたけれど、とても遠かったと言っていた。

距離もだけれど気持ちの上でも遠く感じたのだと思う。


ご近所のよくモーニングやランチにご一緒する方３人に花瓶９個を（１人３つずつ）もらっていただい

た。

すべて違うのでくじを引いたりじゃんけんしたりで分けて。どれも箱に入ったままの新品なので

好き嫌いはあるかもしれないが、使ってもらえれば我が家で死蔵しておくより花瓶も本望で

あろう。よかった。