10年前の今日、3月11日
お昼少し前、東京の友人から電話があった。
「今週中のお天気のよい日に、静岡清水から船に乗って富士山の写真を撮りに行きたいのだけれど、どう?」
その数時間後、あの地震が起きた。
我が家では揺れなかったけれど、その後テレビで恐ろしい風景を眺めて身体がふるえた。
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息子の高校同級生に東工大を出て、東電に入った人がいた。
彼のお父さんはわたくしたち夫婦と知り合いで、遅くに産まれた子だったので特にお母さんには自慢の息子だった。
ところが、地震で東電の原子力発電施設が爆破して大災害が起きてからお母さんは会う人たちに身を縮めて謝っているという噂を聞いた。
彼女にも息子さんにも罪はない。
どうして社長でもないのに、小さくなっていなければならないのか?
彼は彼の妻の実家の仕事をしているらしい。
あの地震がもたらしたもう一つの事実である。