宇田川らんちゅう らん丸の池 (宇野系らんちゅう)

宇田川英雄翁は宇野仁松翁より秘蔵らんちゅうの改良を託され,2・3・4・5筋と体系づけた素晴しい魚を残して下さいました.

真夏のぷら船・酸素濃度変化

2016-08-31 15:37:20 | 海龍 2筋

日本宇田川らんちゅう愛好会の15年の会報の一部です
暑くなる前に発表すればよかったのですが、
これからの残暑の時期にも参考にしていただけるかと思います

夏場のプラ船を覗いてみたら

                 海 龍(高松市)

昨年(26年)の8月は天候不順でまだ気にならなかったのですが、今年は猛暑。
以前から、我が家のバルコニーはとにかく暑い、と感じていたので、
一度、他の項目も含めて測定してみました。
水温、クロロフィル色素(植物プランクトン量で、青水の度合いです)、酸素濃度の
3点なのですが、添付の図を眺めてみてください。



8月1日に水を替えてから5日まで、30分毎に自動測定しているのですが、まあ、
高いです。最低でも28℃を切るか切らないか、一番高い夕方前は、ほぼ35℃。
バクテリアの一番良い生育温度だし、ペレットを大量につけたら消化不良を起こしそうな水温です。
当たり前ですが、植物プランクトンは昼間に、特に午後から急成長していて、夜は
増えない。夜明け前の3時頃に水が攪拌されて、底に溜まったプランクトンが舞い
上がっている状況が出ているので、金魚は3時を過ぎたあたりから活発に泳ぎ出していることが分ります。

一番知りたかったのが酸素濃度です。何年か前に、古阪さんに明け方の酸素濃度
を測ってみたけれど、それ程低くなかった、と言ってしまいましたので、その後も
気になっていた事柄です。
前回、測定した時はまだこれほど暑くなかった時期だったと思いますが、今回は
こんなに下がるのか、と再認識したしだいです。水を替えたばかりは、昼間でも
通常の酸素濃度(6 mg/L前後)ですが、植物プランクトンが増えてくると(青水が
進んでくると)、その光合成で9 mg/Lを越える非常に高い濃度になっています。
かたや、夜は4 mg/Lを切るか切らないかの低濃度です。フナ科の魚は低酸素に
強いですが、これよりもう少し濃度が下がると酸欠症状が出てくるレベルになって
います。少々驚いたのは、水を替えたばかりの1~2日の夜に3 mg/L近くまで下が
っていることです。1日、2日とかなりの餌を朝夕つけていますので、青水が進んで
いなくても、有機物(餌)の大量投入でバクテリアが酸素を消費するのでしょうね。
本当に酸素なのかどうかまだわかりませんが、水を替えたばかりなのに、という
話をよく聞きくのも納得した気がします。3日以降は朝だけで、量も減らしています
が、夕方の大量給餌は怖いと改めて思いました。

エアレーションはしっかり入れていますが、夜間はこんなに濃度が下がるんだと
初めて認識しました。ハネ魚が決まったら、魚には申し訳ないですが、一度パンク
するまで攻めながら、アンモニアやpHも含めて測定してみようと思っています。
昼間にさらに酸素濃度が上がったら、どのレベルで酸素病・尾焼けなどが発症
するかも分りそうな気がしています。
                                海龍