いつもキンタでお世話になっている町議より
「戸口さん、また猫が死んでいる」
私
「今すぐ行きます」
1週間前には元気にご飯を食べ
幸村君に威嚇して追い払おうとするほど
強気でした
幸村君はまったく相手にしていませんでしたが
そしてまた居なくなりました
いつもの事です
今度こそ連れ帰ろうと思っていました
でもすぐ出たがる為に
室内飼いは難しい猫
何故、猫嫌いの町議のところに
いつも行っていたのか解らない
もちろん餌など貰っていません
もうミューズパークから引き取って3年
1年くらいしてから行くようになりました
一度はハクビシンを掛ける為に
仕掛けていた捕獲器にキンタが入り
届けて頂いた事がありました
それから首輪をするようになり
キンタとすぐ解るようにしました
良く来ていると言われていて
増築が完成したら室内に入れようと思っていました
間に合わなかった
どうして死んだのか解らない
苦しんだ様子はありません
口はちゃんと閉じていました
残念な事にお尻から獣に臓器を取られていました
1週間前にはこのお宅の物置にいたのを確認してたそうです
その時に連絡くれれば良かった
残念です
しかし1週間経っても動いていないのに
気が付いて死んでいると解ったそうです
身体中を引っ掻こうとした形跡
キンタの身体の皮膚はとても強く丈夫だったのでしょう
穴を開ける事が出来なかった為に
お尻から臓器を抜いたと思われます
エイズ陽性でしたが
風邪症状もなくたくさん食べて
元気いっぱいでした
忙しさにかまけて油断しました
キンタの毛がむしられて散乱
それでも傷はまったくなく
綺麗なままの死に顔
心不全だったのかもしれません
もう10歳前後でしょう
兄弟のタロウは2年前に亡くなりました
リエちゃんのお骨を頂きました
あまりに薄い骨で拾うのに苦労されたそうです
リエちゃんの身体はやはり病的だったのでしょう
里子に出す事をしないで良かった
つくづく里子には向き不向きがある事を
悟りました
15匹目の死

あまりにもしんどい
心が病みそうになりそう
考えないように
思い出さないように
しなければ
と自分に言い聞かせる
キンタが
何故いつもそこに行くのか
ミューズパークから下に降りた住宅が
キンタの産まれた場所
飼われていた人が亡くなって
親族が子猫の時に
ミューズパーク内に捨てたと聞きました
その地形に良く似ています
そっくりと言っていいかもしれません
山を越えて降りて行くと住宅
キンタが
何故いつもそこに行くのか
考えました
きっと産まれた場所
そして育ててくれた場所に
元の飼い主を探していたのではないだろうか
そして
待っていたのではないだろうか
きっときっと現れる
きっときっと会いに来てくれる
そんな思いがあったのではないだろうか
その場所では餌はまったく貰っていません
空腹になるとシェルターに帰って来て
豪快にたくさん食べてしばらくすると
またその場所に行くのです
猫が大嫌いなお宅
建設会社の為に
たくさんの物置があります
そこにいつも居たのです
そこで息絶えた事は
幸せだったのかもしれません
無理に連れて帰ってきても
キンタはそこに行きたくて
脱走したでしょう
人間として猫にどれだけの事をして上げれば良いのでしょう
言葉が解らない為に
猫が本当に何を望んでいるのか
どうして欲しいのか
もしキンタと話が出来たら
私は
「そこは猫が嫌いで迷惑なのよ
ご飯は貰えないよ
寒い場所だからシェルターのハウスに居て欲しい」
そしてキンタはこう答えたでしょう
「ハウスは暖かいし
いつでもご飯が食べられるけど
産まれた時のお母さんに会いたい」
「戸口さん、また猫が死んでいる」
私
「今すぐ行きます」
1週間前には元気にご飯を食べ
幸村君に威嚇して追い払おうとするほど
強気でした
幸村君はまったく相手にしていませんでしたが
そしてまた居なくなりました
いつもの事です
今度こそ連れ帰ろうと思っていました
でもすぐ出たがる為に
室内飼いは難しい猫
何故、猫嫌いの町議のところに
いつも行っていたのか解らない
もちろん餌など貰っていません
もうミューズパークから引き取って3年
1年くらいしてから行くようになりました
一度はハクビシンを掛ける為に
仕掛けていた捕獲器にキンタが入り
届けて頂いた事がありました
それから首輪をするようになり
キンタとすぐ解るようにしました
良く来ていると言われていて
増築が完成したら室内に入れようと思っていました
間に合わなかった
どうして死んだのか解らない
苦しんだ様子はありません
口はちゃんと閉じていました
残念な事にお尻から獣に臓器を取られていました
1週間前にはこのお宅の物置にいたのを確認してたそうです
その時に連絡くれれば良かった
残念です
しかし1週間経っても動いていないのに
気が付いて死んでいると解ったそうです
身体中を引っ掻こうとした形跡
キンタの身体の皮膚はとても強く丈夫だったのでしょう
穴を開ける事が出来なかった為に
お尻から臓器を抜いたと思われます
エイズ陽性でしたが
風邪症状もなくたくさん食べて
元気いっぱいでした
忙しさにかまけて油断しました
キンタの毛がむしられて散乱
それでも傷はまったくなく
綺麗なままの死に顔
心不全だったのかもしれません
もう10歳前後でしょう
兄弟のタロウは2年前に亡くなりました
リエちゃんのお骨を頂きました
あまりに薄い骨で拾うのに苦労されたそうです
リエちゃんの身体はやはり病的だったのでしょう
里子に出す事をしないで良かった
つくづく里子には向き不向きがある事を
悟りました
15匹目の死

あまりにもしんどい
心が病みそうになりそう
考えないように
思い出さないように
しなければ
と自分に言い聞かせる
キンタが
何故いつもそこに行くのか
ミューズパークから下に降りた住宅が
キンタの産まれた場所
飼われていた人が亡くなって
親族が子猫の時に
ミューズパーク内に捨てたと聞きました
その地形に良く似ています
そっくりと言っていいかもしれません
山を越えて降りて行くと住宅
キンタが
何故いつもそこに行くのか
考えました
きっと産まれた場所
そして育ててくれた場所に
元の飼い主を探していたのではないだろうか
そして
待っていたのではないだろうか
きっときっと現れる
きっときっと会いに来てくれる
そんな思いがあったのではないだろうか
その場所では餌はまったく貰っていません
空腹になるとシェルターに帰って来て
豪快にたくさん食べてしばらくすると
またその場所に行くのです
猫が大嫌いなお宅
建設会社の為に
たくさんの物置があります
そこにいつも居たのです
そこで息絶えた事は
幸せだったのかもしれません
無理に連れて帰ってきても
キンタはそこに行きたくて
脱走したでしょう
人間として猫にどれだけの事をして上げれば良いのでしょう
言葉が解らない為に
猫が本当に何を望んでいるのか
どうして欲しいのか
もしキンタと話が出来たら
私は
「そこは猫が嫌いで迷惑なのよ
ご飯は貰えないよ
寒い場所だからシェルターのハウスに居て欲しい」
そしてキンタはこう答えたでしょう
「ハウスは暖かいし
いつでもご飯が食べられるけど
産まれた時のお母さんに会いたい」