ポルポトの隠し子かも知れない孤児の少女ソリヤは大事な人を次々牛待っていき・・・人の嘘が見抜ける能力を手する。彼女はクメールルージュの圧政下に至る前日に潔癖症の突然変異天才児ムイタックと出会う。その出会いは幸せだったがその後再開したときのソリヤに対して「いつか君を殺す」と誓うムイタック? 地獄のような時代を超えそして半世紀、政治家となったソリヤと脳波を利用したゲームを開発するムイタック。二人のそれぞれの物語が交錯する結末は・・・って話だったろうか・・・それじゃ全く表現してない感も・・・
読みごたえはたっぷり。まあとんでもなくたっぷりですね。重い読み心地とそれでも離れられない求心力、一方でちりばめられる結構なエンターテイメント。クソみたいな世界を描く胸糞悪い物語に終始しそうな不安をかき消してくれたのは、悲惨な物語と対峙するように挟まれる間抜けな超能力者(?)達をはじめとするエキセントリックなキャラたちのサイドストーリー。土と話せる&操れる、輪ゴムで亡くなる人が分かる、不正に勃起する(勃起の方向で不正者のいる位置まで見当がつく)、13年間しゃべらなかったら美声を得てソングマスターになったなどなど・・・そこ当たりだけ切り取ったらコメディですらありますね。個人的にすごく小さな短いシーンだけど、妄想殺し屋とヘモグロビン医師の対峙とかなかなかツボでした(笑) メインストーリーも力づくに行くかと思いきや、なかなかきれいに着地してます。ガッツリ濃厚な作品でした。
非常に面白かったです。
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