連続でアミの会編の短編集を。こちらは旅と食べ物の書き下ろし短編集。
テツが高じて旅行代理店に勤める僕は、好きな物はとことんだが加減を知らず出す企画出す企画トゥーマッチとの評価でなかなか採用されない。コロナ禍リモートワーク中心の当番出社の仕事を終え、ふと思い立ち特急に乗ろうと。そして急遽伊東・下田へと足を向けた・・・下田にいるか:坂木司
派遣先の会社で台湾駐在中のあの人がお土産で買ってくるパイナップルケーキがなんか好きだ。そして一人で台湾旅行に行く前日、派遣先の部長からあの人へ書類を届けて欲しいと頼まれて・・・情熱のパイナップルケーキ:松尾由美
チームで出張中のアムステルダムでバッグを無くす。そこにはパスポートも・・・一人だけ帰れなくなった橋本乙葉は、不安な中帰国のための一時渡航書が発行されるまでそこで過ごすことになり・・・遠くの縁側:近藤史恵
旅行代理店に勤める中、不倫中の上司と共に独立した幸だったがその後コロナ禍へ。資金繰りのため詐欺同然の企画への集客をしなくてはならず、同級生を装って「リスト」に乗っていた女性に声をかけたが・・・糸島の塩:松村比呂美
子供の頃どうしても欲しかった祖母の持っていた6本組の銀のスプーン。その一本を持ち出した時に祖母は亡くなり、一本欠けたセットは中身も確認されず「もらわれるべき人」にもらわれていった。その後一年早いタイミングで大学の卒業祝いだと、あのスプーンセットが6本揃った状態で謎のメッセージと共に送られてきた。偶然のヒントでメッセージを理解したわたしは箱館へと・・・もう一度花の下で:篠田真由美
日本製の列車に乗る、好きなマンガの聖地巡礼をするとサハリンへのツアーに参加した片桐萌絵。しかし当日空港へ行ってみれば鉄道イベントは工事の関係で中止、自分以外のツアー客は老人のみでどう考えても聖地巡礼目的ってのはいなそうで・・・地の果ては、隣:永嶋恵美
病気による食事制限のある家族ばかりで外食に縁のなかったわたしは、最後に残った家族の母まで末期の病となり松島の病院に一時缶詰になる。その時見かけた劇団のチラシを持って、ちょうど外出できる様になったんで行ってみたら・・・・あなたと鯛茶漬けを:図子慧
そんな7編。
どれも、美味しそうです(笑) どれもサラッと読めて良いと思います。ベストトラックはまた作者に引っ張られてるかも知れないけど「下田にいるか」かな?あるいは「地の果ては、隣」か・・・・
プチ面白かったです。
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