元財務相の大学の客員教授久和が公務執行妨害の疑いで逮捕される。彼の車から持ち主不明の血濡れの財布が? 強行班の佐久間係長が聴取に当たるが「すべての公務員を信用してません」と事件について一切語らない久和。ではその信用してない理由をと問えば、そこから始まったのは事情聴取ではなく全くもって経済学の講義だった??? 一方で持ち主の判明した財布、持ち主はフリーライターの菊池でここしばらく音信不通らしい。色々聞き取りをしていくと、なんか追う価値が無さそうな自爆事故を追っていたらしいのだが・・・その事故を起こした人間は9年前にも自動車事故を起こしておりその時は被害者が死亡&彼はある大物人物の息子だった・・・佐久間班の中田、横澤、水沢は淡々と事件を調べ色々な事実が判明して行くが・・・一方で続く佐久間に向けての久和の講義は・・・???そんなですかね。
帯にある"著者が最強の「悪」に挑んだ・・・"は、嘘では無いけど実際の小説のテンションはそれとはだいぶ異なります。その前の"前代未聞!取調室が教室に?"の方はドンピシャ? 佐久間の本質的な人の好さが極めて素敵です。チラっとだけ出てくる父娘の関係もなかなか。何より久和と佐久間の関係性がこの小説の肝ですかね。中田、横澤、水沢も良いです。程よく佐久間を引っ掻き回す感じも素敵(笑) と書いてるとキャラクタ小説な感じですが、社会派お勉強ミステリィとしてしっかりしてます。 この佐久間班メンバーには再会したいな。
非常に面白かったです。
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