浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

恩師の歌集「愛」より

偉大なる光の王に導かれ
我が身は動き口は語らん

「御垂訓」

2021-07-28 00:12:33 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より

       第四章 「思い変え」こそ幸せの扉を開ける鍵

          ◆心ここにあらざれば◆


「目に見て見えず、耳にして聞こえず」という言葉があります。
以前、車にセールスマンが訪ねてきました。
軽四輪トラックを購入した時のことです。
一年間、一生懸命に手入れをし、
我が子のごとくかわいがっていたさつきの、満開の時期でした。
見事に咲いてくれましたから、

もう玄関から庭から座敷からいっぱいにさつきを取り込んでいました。
私が花の前で瞑想をしていますと、花の精が出て来てくれます。
花の精とお話をしたものです。
もう花が愛おしくて愛おしくてしかたがありませんでした。
そこへセールスマンの方がやってきました。

車をなんとか買ってもらおうと、一生懸命に勧めてくれました。
そして、書類に書き入れている間、
その方のお尻やひじがさつきに触れるので、花が落ちないか、
枝が折れないかと、その度に私は冷や冷やしておりました。
それで、書類ができて、それでは買いましょうということで判を押したら、
やっとその方が自分の心に帰られたのでしょう。

「ほう。きれいな花咲いてまんなあ」とおっしゃいました。
念のために聞いてみました。
「あなたは今までこの花が見えなかったんですか」と。
すると、「全然見えませんでした」と答えられました。
この出会いによって、私たちは花の中にあっても心がそこにないと
花が見えないのだということがわかりました。


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