生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

八ヶ岳南麓の20年前と今「上空からの八ヶ岳」

2021年04月22日 07時20分02秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓の20年前と今
雷乃発声 遠くで雷の音がし始める(春分の末候で、3月31日から4月4日まで)
上空からの八ヶ岳(2007)


 羽田から呉工場へ向かう広島行きの飛行機は八ヶ岳の少し南を通過する。花の季節には高遠の桜が見事に眼下に見えたことを思い出す。春先の飛行は高い山の頂上だけに雪が残っており、上空から山々を見分けるのに都合がよい。夏山や、真っ白な冬に比べて、山の形も規模もはっきりと分かるので、天気が良ければ右側の窓際の座席は譲れない。 



 今日は空気が澄んでいる。一番手前が前の岳、そして 山脈が右に折れたところで頂上がとがっているのが北岳だろう。左は千丈で、真中は甲斐駒とそれに続く鋸山。八ヶ岳は少し霞んでいるが、はっきりと山の形を見ることができる。赤岳と阿弥陀に多くの雪が残っているようだ。高倍率の双眼鏡があれば、我が家が見えるかもしれない。

 ここを過ぎると、御岳と遠くの北アルプス、そして岐阜、京都の碁盤の町並みを連続して楽しむことができる。富士山を上空から眺めるには、左側に席を取らなければならないのだが、晴れた日には右側が私の指定席なのだ。
 そして、機体がMD90でエンジンがV2500なら申し分ない

2021年。
 MD90機は、JALが早々に売り飛ばしてしまったので、今はアフリカ辺りで飛んでいるのだろう。エンジンを機体後部胴に付けた機体はもう乗ることはないが、あの離着陸時のGの感覚は忘れられない。
 
 飛行中の雷雲は要注意だ。ある時、テキサスからシカゴへの途中で、巨大な雷雲に遭遇した。高度1万mよりも高くまで伸びている。地上での上昇気流はどれほどであろう。パイロットは大きく迂回をした。
 それにしても、今年の春は世田谷区でもやたら雷注意報が発令される。一体、大気はどうなっているのだろうか。それとも、センサーが代わった為だけなのだろうか。

八ヶ岳南麓の20年前と今 桜始開

2021年04月06日 13時55分40秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓の20年前と今
桜始開 桜の花が咲き始める(春分の次候で、3月26日から30日まで)
ねこやなぎ(2008)





 この季節、平地ではとっくに春なのだが、こちらは未だ木の芽が堅い。いつの間にやら、北側に猫柳が大きな枝を張っていた。お隣さんに大分はみ出ている。同じ木が諏訪大社の前宮の入り口にあった。それからすると とてつもない高さになってしまう。しかし、この芽はかわいい。切らずに様子を見てみよう。
 この芽は、ちょっと前までは このように普通の形をしているのだが、ある日突然に猫のしっぽになる。ネコヤナギの樹液はカブトムシやクワガタムシ、カナブン、スズメバチの好物である、とのことなので こちらも期待しよう。ただし、スズメバチは困る。やはり、様子を見ることにしよう。

2021.4.3 
13年後の今年は、全国的には桜の開花が異常に早かったが、ここ標高1130mの桜は、蕾の形すら現れていない。開花は、5月になる。
ネコヤナギは、順調でたっぷりと猫の尻尾を付けているようだが、それは屋根のはるか上で、形を確認できないほどに成長してしまった。



歳をとると、夏草むしりが難儀になる。そこで、昨年から通路にはブルーシートを置くことにしたが、これがなかなかに良い。今年は、思い切ってロングのシートを購入して、総ての通路に敷き詰めた。



 作業中に、一羽の小鳥が見物にやってきた。ここ八ヶ岳南麓の小鳥の数は、ここ20年間で4分の1くらいに減っている。しかも、人見知りをしない小鳥は珍しくなった。以前は、ヤマガラなどが手のひらの餌に拠ってきたが、そんな小鳥はいなくなったようだ。今日の訪問者は、最近よく見かけるが、庭作業中の訪問は初めてだ。低い小枝を渡りながら、時折地面に降りて、エサを探しているようだ。作業の手を休めて、思わず写真を撮った。
このような楽しみを、あと何年続けられるだろうか。

黄鶯睍睆 (立春の次候で、2月9日から13日まで)

2021年02月08日 13時49分06秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
黄鶯睍睆 鶯が山里で鳴き始める(立春の次候で、2月9日から13日まで)

雪の日の餌台



 雪の日には いつも餌台が殊の外の大繁盛になる。我が家の餌台がベランダの軒下にあるので、雪が全く積もらないためだ。
 餌は,ひまわりの種を陶器の中、外、屋根の上、ベランダの縁と色々なところに分けて置くことにしている。見ていると それぞれの場所にきちんと一匹ずつ留まる。ヤマガラ、コガラ、カワラヒワが多いのだが、少し大型のキジバト、あかげらなどもやってくる。多くは数秒間の滞在だが、中には延々とついばむものも居る。
 
鳥の本を調べると、これらの鳥は冬には低地に移動するとある。確かに、冬になると数がめっきりと減っていることが分かる。しかし、雪の日には、低地には食べ物が見当たらず、食べ残しの木の実などを求めて、山へ上がってくるのだろうか。雪の日のベランダの手すりに一列に並んで順番を待つ姿は、とても可愛い。
 
 空気中を動き回る鳥、水中の魚。二つの運動性能は、密度と粘性抵抗の違いからそれぞれの先祖たちが自ら設計したものだ。人間は、まだそこまで及んでいない。

十日市(2007)



 増穂の臼職人から聞いた十日市に出かけた。南アルプス市の旧十日市で千年以上も続いている市と云われている。町中の学校の校庭が駐車場になっている。お目当ては臼なのだが、それが中々見つからない。通常の縁日の出店がほとんどだが、地元ならではの店もちらほらとある。

 今日は、手彫りの臼の相場を知るだけで買う意思は全く無い。代わりに近くで開館をしていた鬼瓦を物色した。当地の名産の一つらしい。名古屋城など、大きな鬼瓦は良く聞くが、ミニチュアの鬼瓦も中々に楽しい。小さな筆縦型のものを買って、一紀荘で使うことにした。

 臼も鬼瓦も設計図は存在しない。いや、頭の中には紙に書いたものよりも遥かに緻密な設計図が存在するのだ。
ちなみに、この直ぐ後に増穂町に出かけて、売れ残りの臼を購入した。その後、何年かは山での餅つき会を楽しむことができた。

雉始雊 (小寒の末候で、1月15日から19日まで)

2021年01月19日 07時19分38秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
雉始雊 雄の雉が鳴き始める(小寒の末候で、1月15日から19日まで)

屋根の下の雉
 八ヶ岳南麓では、散歩をしていると良く雉に出会う。林の近くの畑をのそのそと歩いているが、人の気配を感じて藪の中に隠れるスピードは速い。ケーンという独特の鳴き声も良く聴く。
 しかし、我が家に住み着いた雉は歩くことも鳴くこともない。世田谷の家の玄関に置いてあった剥製がこの止まり木に停まっているからである。



「キジよ、お前も鳴かずば撃たれまいに」は、石川県の民話が起源と云う。
 むかしむかし、犀川のほとりに、小さな村がありました。この村では毎年、秋の雨の季節になると犀川がはんらんして多くの死人が出るため、村人たちは大変困っていました。さてこの村には、弥平という父親と、お千代という小さい娘が住んでいました。で始まり、お千代の残した最後の一言「キジよ、お前も鳴かずば撃たれまいに」で終わる。
川の氾濫の人柱の話なのだが、ここ八ヶ岳南麓も昔は土石流が多く発生したところで、大きな記念碑もある。そこで、何か民話が残っていたのかも知れないが、今は聞かれない。



冬の仕事

 一紀荘の冬は冷たい。晴れた朝の気温はマイナス10℃を下回る。八ヶ岳を超えた乾いた北風が辺りを凍らせてしまう。一方で、フィンランド製のログハウスの中は、たったひとつの温風暖房機で充分に温まり、夜中の室温の降下も数℃で、暖房を止めても東京よりも暖かい朝で目覚めることが出来る。
 地下室は四面をコンクリートで固められているので、 一つの石油ストーブで冬でも暖かい。そこで、本棚の作成や本の整理はもっぱら冬の仕事になる。その時の庭は全面厚さ20cmの凍土となって、四月までは歯が立たない。冬は、室内の仕事を片付ける雪国の生活だ。

芹乃栄 芹がよく生育する(小寒の初候で、1月5日から9日まで)

2021年01月03日 08時42分44秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓の20年前と今

芹乃栄 芹がよく生育する(小寒の初候で、1月5日から9日まで)

 芹(セリ)は、八ヶ岳南麓の清水の中ではよく育つ。しかし、20年前と比べると群生地の数は減ってしまった。しかし、人里を離れた小川では、一掴みでバケツ一杯の収穫がまだまだ可能だ。

ベランダからの富士


朝焼け時の富士山

我が家のベランダから富士を愛でるのは、冬の日の朝方しかない。
全ての葉が落ちると、微かにその形を知ることができる。このように望遠レンズで見ると、僅か数本の木が邪魔をしているだけなので、いつの日にか、そこの空き地に家が建つことを心待ちにしている。

 甲斐駒についても、条件は全く同じなのだ、たった二本の唐松が枯れてくれると、見事な団十郎の姿を毎朝楽しむことが出来るのだが、近くに家が次々と新築されても、この二か所には依然として林が残っている。
しかし、木の数と、小鳥の数は正確に比例をしているように感じる。このごろめっきりと小鳥の数が減ってしまった。富士が見えるときは、小鳥が見えなくなる時かも知れない。それならば、我慢、我慢。
 ベランダからの富士の眺めは、夕方も可能な時がある。しかし、明け方と違って、こちらは夕日が沈む瞬間だけなので、滅多にお目にかかることはできない。今年の冬に、その写真が撮れた。


 夕焼け時の富士山

重装備での散歩
 キーンと張り詰めた雪の朝の散歩は、格別である。空は青いと云うよりは群青色で、鳥の声は響き渡り、人も車も音はおろか、気配さえも感じることはない。八ヶ岳専用の重装備だけは欠かせない。独特のサクサクとした粉雪を踏みしめて一歩ずつ進む。



 日本の景色と外国の景色で何時も感じることがある。日本の町や村の遠景である。あのけばけばしい色の屋根が無秩序に散らばるのは,なぜ日本独特なのであろうか。ドイツ、イタリア、スイスは高い処からの家並が美しい、しかし、この時ばかりは日本の屋根も白一色になり、外国並みの美しさになる。屋根を葺く建材の種類が豊富なのか、大工が他とは違う家を主張するのか。とにかく、家主の趣味で屋根の色が決まっているようには思えないのだが。

 この地域では、まだ数年に一度のペースで、別荘地が開拓されている。前回は屋根の色が一色に統一された。日本の山里にもそういう時代が始まったようだ。

雪下出麦 雪の下で麦が芽を出す

2021年01月01日 13時28分05秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
雪下出麦 雪の下で麦が芽を出す(冬至の末候で、1月1日から4日まで)

甲府盆地の朝霧
 天気の良い冬の朝の景色は、白い真綿の布団の上に富士が悠然としかもくっきりと座っている。布団の下にはすっぽりと甲府盆地が隠れている。夜には、そこにキラキラと光る町の明かりがある。



冬の朝の散歩は、他の季節とは違った楽しみがある。どの山々もくっきりと見えるし、それぞれの雪のかぶり方を比べるのも面白い。八ヶ岳の南斜面は、さすがに雪は少ない。少し西に廻ると、裏側はびっしり積もった雪山を見ることができる。甲斐駒の岩肌は風が強いせいなのか、岩肌の性質なのか、雪がつくことはない。しかし、北岳と千丈の頂上は常に真っ白で、どの角度から見ても一目瞭然である。そんな事は、毎回繰り返しのことなのだが、寒さを忘れさせる景色なのだ。

つらら
このあたりのつららは見事なものだ。一晩でも立派なものが何本もぶら下がる。屋根の雪が徐々に解けるときはなおさらだが、そうでなくとも驚くほどの水が滴っているのだ。これは、ログハウス特有のものかも知れない。室内の暖気が直接に屋根に当たるので、夜露はどんどん製造されて、軒先へ下る。そして、その途端にマイナス10℃以下の冷気に晒されて一気に凍るのだろう。だから、留守宅につららは決して下がることはない。一方で、長逗留のお宅のつららが、なんと軒先から地面まで繋がって氷柱になっていたことがある。我が家のつららは、さすがにそこまでは無理なようだ。



長く細いつららと、短く太いつららがある。この差は、気温か湿度か風の影響なのだろう。湿度が高ければ、夜露が大量に流れて、地面まで届くつららになるのかもしれない。
むかし、まだ子供の頃につららをアイスキャンディー代わりにしゃぶったことを思い出す。東京でつららを見かけなくなったのは何時からだろうか。ここには、氷りつくために、トヨと云うものがないが、そのためではなかろう。

冬至そして乃東生(夏枯草が芽を出す,冬至の初候)

2020年12月25日 07時55分27秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
冬至(12月22日から1月4日ころまで)

木が裂ける



木が裂けるということを知った。地面が雪に覆われ、天気は快晴、気温はぐっと冷え込む。そんな日に そのことが起こった。太い唐松の幹が数メートルに亙って縦に裂けたのである。木の皮一枚で、かろうじて全体を支えている。
これを見つけたのは、夕方の散歩の帰りだった。ふと見ると、真っ白な幹の中心部が見える。そして、あろうことか我が家の屋根に向かって倒れかかっている。夜中に風が吹けば我が家の屋根を直撃するだろう。



幸い管理センターに知らせると、すぐに泉郷の人が駆け付けてくれて、土地の所有者に話をして、数日のうちに伐採するという。聴くと、倒木の被害は時々あり、この場合は、幹に蓄えられた水分が急に凍結してはじけたそうだ。
伐採の時は見逃したが、次の来訪時には無事問題は片付いていた。
 
乃東生 (夏枯草が芽を出す,冬至の初候で、12月22日から26日まで)
もち米を蒸す



 年末の寒さの中での餅つきは一苦労だ。先ずは、コメを蒸すこと。庭の中央の焚火にせいろを載せて一時間も焚き続けても、コメの芯はまだ堅い。新聞紙を巻き、銀紙で更に巻き2時間近くかかって、ようやく餅つきの準備が出来る。そして、早くつきあげないと米は見る見る冷たくなってしまう。風が全く無い、小春日和の日にである。だから、年末の餅つきはめったに実現することはない。それでも、つきたての餅を一気に食べる楽しみは、続けたいことだと思う。
臼の下に丈夫な木枠を敷き、四方を杭で止める方法は友人の元通産官僚のF氏から教わった。これはすこぶる具合が良い。臼の底が汚れないのはもちろんだが、下の石で傷ついたり、一方が地面にめり込んだりと云った心配は無用で、横にずれたりもしない。臼の里には、色々なサイズの杵があり、子供用の杵をおまけでくれた。これも大層重宝している。子供には丁度良いし、つく前の米をこねるのにも良い。

八ヶ岳南麓の20年前と今 雪の日

2020年12月11日 13時34分34秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓の20年前と今
大雪(12月7日から21日ころまで)
雪の日(2001年)



 一紀荘が完成した冬に雪が降った。この区域では 家の周りに塀を作ることは美観上禁止されている。まだ、両隣りには家がないので、雪が積もると、隣と云わず、道と云わず境目が全く分からなくなってしまう。せめてお隣との境には植木が必要だ。
 雪は、全くのサラサラなので、風が吹くと舞う。屋根から落ちる雪を見て、上が完全な青空なのにどうして降り止まないのかと思うことも度々だ。雪の後の青空は、本当に濃い青になる。紫外線が強いので、写真に写すとなおさらだ。畑仕事をする人の顔は一年中陽に焼けている。
 しーんと静まりかえった辺りには、人の気配は全く無い。時々「ばきっ」と木の裂ける音が不気味にするだけである。
最近は、12月に雪が降ることはめったにない。お隣との垣根もそこいらじゅうで見かけるようになった。最初は、「うちは、庭で犬を放し飼いにしますので」ということだったが。

八ヶ岳南麓の20年前と今, 虹蔵不見

2020年12月10日 09時30分47秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓の20年前と今
虹蔵不見 (小雪の初候で、虹が見られなくなる11月22日から26日まで)
あられ


八ヶ岳の南斜面では、あられと風花が良く現れる。山の上昇気流で冷やされた水蒸気が、時々の条件によって、色々な形になって南側に流れながら落ちてくるのだろう。我が愛車は、まだ大きな雹(ひょう)の被害に合ったことはないが、この程度の霰(あられ)には、度々出会う。
 この季節には、小雪がひらひらとまるで、桜の花びらが散るように舞いながら落ちてくることがある。
そんな時は、南の空は晴天で、八ヶ岳からは北側から押しされた雪雲の先頭が僅かに顔を覗かせている。気温が低ければ、雪の結晶もゆっくりと観察することができる。落ち葉の上の霰も、なかなか解けないで形を保っている。

朔風払葉 (小雪の次候で、北風が木の葉を払いのける11月27日から12月1日まで)
雪の日の太陽


 一紀荘の難点の一つが、朝日が見えにくいことだ。北岳が朝日に輝いてから、我が家のベランダに陽が射すまでには相当の時間がかかる。冬になると東側の唐松林の葉が全て落ちるので、木々の隙間から朝日を見ることができる。雪の日の朝に新聞を買いに山を下ると、凍りついた空気の中に光の粒子が見えるような景色に出会うことがある。

そういえば、数年前まではこのような時には、必ずリスが数匹ちょろちょろと走っていた。最近は足跡も見かけることはない。この十年間で別荘の数は飛躍的に増えて、永住する人はかつての数倍になったと思われる。最近は、売れ方がぱったりと止まっているようだが、家の数はもうこれ以上増えてもらいたくない。動物たちもそう思っているのだろう。

八ヶ岳南麓の20年前と今 秋の七草(H21)

2020年10月23日 08時37分09秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓の20年前と今
寒露(10月8日から22日ころまで)
秋の七草(H21)



 秋の七草は、万葉集の山上億良の歌に始まるといわれている。
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花、萩の花 尾花葛花 撫子の花、女郎花 また藤袴 朝貌の花。
 
 春の七草は、七草がゆに象徴される食を楽しむものであり、秋の七草は見ることを楽しむものとも言われる。
「尾花」とは、ススキの穂が出ている時の呼び名だそうで、動物の尻尾のイメージとか。
この花々は、風のために庭で倒れたものを集めた。ホトトギスは東京ではとっくに終っているが、こちらでは今が盛りだ。東京よりも葉の茂り方が良い。
 昨年は、烏山の庭に瑠璃タテハが卵を産んでいった。瑠璃タテハの幼虫は食欲旺盛で、一匹で2本分の葉を平らげてしまう。この幼虫はこの葉っぱしか食べないので、食べ尽くすと大変なことになる。昨年は危機だった。八ヶ岳では、葉は見事に茂るのだが、瑠璃タテハはついぞ見かけたことがない。第一、あの超グロテスクなとげとげの芋虫はこの辺りの景色には似合わないと思う。



 あれから十数年、ルリタテハは一向に現れないが、ホトトギスは健在で、今年も世田谷の我が家の庭で咲き誇っている。以前に比べて、開花時期は少し遅くなっているようだ。